詳しくは実物をご覧頂きたいが、後段のところはマーケット関係者(特に銀行ポートやALMの方々など)から「なんじゃこりゃ」という反応が多いのではないかと想像する。取り合えずポイントとなる部分を引用して解説(批判かも)を試みたい。
大機小機 「銀行が国債を保有することの社会的意義とは何か。疑問は解けない」 →社会的意義などない。投融資行動の一つに過ぎない。「社会的意義」と言うからには、まずその定義を行うべきであろう。 大機小機 「(銀行が国債を保有するのは)民間に資金需要がないからだというのでは、説明にならない」 →いや、十分説明になっている。一般的に不況になると、民間の資金需要は低迷する。一方、不況対策として政府は財政出動を行い、財源としての国債発行が増える。この場合、政府部門は資金不足、民間は資金余剰となりやすい。銀行が担う金融仲介機能とは余剰な資金を不足に回すこと。従って、不況下で銀行が国債を買うのは仲介機能を働かせていることに他ならない。政府・企業・家計で構成される国家経済において、資金を円滑に循環させているわけである。 大機小機 「銀行が国債保有から収益を得るためには、長短の金利差を利用するしかない」 →しかない、というネガティブな言い方はおかしい。長短金利差を取るのは通常の市場取引であり、何らかの差を取るのが市場取引ではないのか。 大機小機 「このような国債保有では金利の予測能力が問われる」 →当たり前である。 大機小機 「この能力において銀行に優位性がないだろう」 →例えばコア預金概念に沿って長めの債券を満期保有すると、長短金利差の確定が可能だ。銀行の金利予測能力に差はあるが、銀行業とは宿命的に(貸出債権も含めて)金利リスクを背負うものであり、銀行業の金利予測の優位性を否定すると、銀行業の存在意義の否定となりはしないか。もしかして貸出には金利リスクがないと思っているのではないか。そもそも相場予測において絶対的有利性があるのか。そんなことを言っていたら、ありとあらゆる金融機関がリスクテークできないのではないか。中央銀行ですら未来が分からないのである。 大機小機 「(金利の低位)安定状態が永続しないのは明らかだ」 →永続の期間を数十年、数百年、数千年と定義すればそうかもしれないが、そうじゃないかもしれない。 大機小機 「銀行の国債保有量が規制の対象になったとしても不思議ではない」 →そう考えること自体が不思議だ。(金利)リスクが大きいからその規模を規制するなら、もっとリスクの大きい貸出債権(クレジットリスク)には強力なリミッターが必要になるのではないか。そもそも経済が変動するのに銀行B/Sの資産側の一部(国債ポート)に枠をはめると金融仲介機能が歪み、経済内で資金は余剰なのに、規制によって国債が買われず、悪い金利上昇が起きて、それが経済に打撃を与えるのではないか。または、余った資金が無理に貸出に流れて、不良債権と化すのではないか。 いやはや、何ともいえないコラムでありました。この筆者、そういえば前も変なこと書いていた気がする。
by bank.of.japan
| 2009-08-20 18:33
| 大機小機
|
Comments(14)
社説もですね。官僚が党幹部と根回しで決めるので責任が不明確、官邸の会議で予算等を決定すると民主党のマニにあるそうですが党と官邸の関係を民主党はどうするのでしょう?ここを突かないから何をいっているのかよくわからない社説になっていますね。
0
確かに変なコラムでしたね。筆者は国債はあくまで家計が引き受けるのが基本だと考えているのですかね。
耳の後ろでアングロサクソンが囁いてるんじゃないの?
日本に心を置いていない、目が泳いでいる人をリーダーにしようとして。 日本語の使い手なら、誰でも彼の視点に入り込めるのに。 日本人は、そういう言語文化的な力も失ってしまって。 ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
要するに、「銀行はもっと貸出を増やせ!」、「貸し渋り・貸し剥がしに苦しむ中小企業を救え!」ということでしょうか。選挙前なので、いろんな議論がありそうですね。
ただ、最後の「銀行の国債保有規制」に関する部分ですが、著者は「長短金利差で銀行は儲けているのだから、景気が良くなると短期金利が上昇して巨額の国債を保有している銀行はいっぱい損を出すでしょ。そうすると困るから今のうちに銀行の国債保有を規制せよ」と議論しているように見えます。 まあ、そのときには銀行は国債保有を減らして、貸出を増やしている可能性があるわけですが・・・。
銀行の国債保有量が規制の対象になったとしても不思議ではない・・・
銀行ってそもそもがリスクテイクをする生業なわけですよね??? そこが国債を買ってはいかんとしたら、誰なら買っていいのでしょう? ってか これ経済専門誌が出しちゃっていいのかしら? 酔っ払って記者会見することよりも恥ずかしいかもしれませんね
日経なんていう広告新聞を読まなければ幸せになれるのに。
後少しすれば、大機小機の方が本質を捉えていたとなるでしょう。不況でも好況でも、日本のサラリーマンバンカー(特に郵貯)たちは、国債を買わなきゃいけないからかうという思考停止状態ですから。
放蕩政府に、ただ同然で無限に貸し出し続けた責任は大きいよ。
これだけジャブジャブにして、銀行の貸し出しが伸びていなければ、そのお金は株式と市場に流れるしかない。大企業のバランスシート上の景気は回復しても、家計の実感までは結びつかないので、需要が盛り上がらずに、結局は弾けるんじゃない? って事をプロっぽく表現したのではないでしょうか。
日銀は米英のようにジャブジャブに金融緩和してるんですかね?
戦後最悪のデフレ期なのにバブルやインフレを心配してどうするんですかね~。 4月のMBの伸び率は、日銀が8.2%でFRBが123%なんでしょ? これで金融緩和と呼べるんでしょうかね? 白川さんはどう言い訳してるんでしょうか? 政府が叩かれる事は多いけど、マスコミが日銀の政策を叩いた事なんてありましたっけ? 日銀は対日要望書と同じくらいアンタッチャブルな聖域なんでしょうか?
インタゲ派の自信はどこからくるのか?
本当に驚き なぜ現実に起きていることを素直に認められないのか? ゼロ金利に近くて、国債残高がどんどん増大していく。これが目の前にある事実。 この事実をテキストにして、何故だろう?となぜ考えないのだろうか? なぜ、インタゲ派は、あってしかるべき「真実」をもって、事実を否定するのだろうか?
銀行は確かにリスクをとるのが仕事ですが、それは主にクレジットリスクについての話です。銀行が自己資本に比べて過度な金利リスクを負っていたら健全経営とは言えません。融資に関して色んな規制があるのと同様に金利リスクについても規制をかける、という発想は当然あり得るものだと私は思います。何事も「程度問題」です。国債は生保のような長期的投資家が主に保有するのが常識的な姿だと思います。
みなさん、コメント頂きありがとうございます。いろいろご意見あるでしょうが、マーケット的にはおかしなコラムで、これから金融実務に携わる方は反面教師的な材料とするのが良いかもしれません。
それから害債さんも取り上げておられましたね。よく分かります。
|
ライフログ
検索
最新のコメント
カテゴリ
全体 リンク 連絡先について メルマガ 日銀 経済 マーケット FRB&others 金融システム 替え歌 欧州便り ユーロ マスコミ ブログ紹介・お知らせなど ALM 大機小機 その他 議事録 一万田総裁 未分類 以前の記事
最新のトラックバック
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
| ||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||