人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Mark Thoma教授が推奨される理由=経済マスコミ不要の象徴?
 しばらく前、The Baseline Scenarioというブログが「The Importance of Mark Thoma」というエントリーをアップしていた。当ブログでも時々取り上げるEconomist's Viewを主催するThoma教授を高く評価したものだ。理由は、①大量の経済ニュース&材料を多角的視点で厳選し、引用を長くして紹介してくれる②(紹介だけでなく)教授自身の見解もしっかり持っている③見解が異なる人々も楽しませようとしている④新たに登場するブロガーも歓待する-など。実際、私も重宝しており、FedウォッチャーのTim Duyを知ったのも教授のブログであった。
 さて、評価される理由を眺めると、教授がマスコミ機能(ニュース・材料・主張の選別・編集&解説)を果たしているのが分かる。一般的に、経済学の教授は専門とする分野の研究に打ち込み、金融経済のリアルな動きのフォローはマスコミが担う、という構図になる。しかし、マスコミの領域に教授のような専門家が登場すると、もはやマスコミの出番はない(少なくとも金融経済の分野では)。Thoma教授はやや経済学に軸足があり、私がもっぱら参考とするのは金融政策関連のネタに限られるが、(私にとって)足りない部分はCalculatedRiskやnaked capitalismで補完され、これらを見るだけで十分な材料が得られる。
 では、われわれ経済マスコミの機能としては何が残るのか。より広範にニュースをカバーする? 既に多くのマスコミが大量のニュースを吐き出しており、その大半は恐らくは粉塵に過ぎず、そもそも経済系ブログがニュースを厳選してリンクを張っているので、迅速性を無視すればブログを見る方が簡単だ。しかも、ニュースを吐き出すビジネスは急速に無料化しており、洗練された読者は官庁や企業のサイトに直接アクセスしていくだろう。スクープを狙う? これは打率の維持が容易ではなく、かかるコストも膨大である。しかも、スクープは出した瞬間に価値を失い、他社のスクープを素早くキャリーする方がコストパフォーマンスは高い。
 いろいろ考えると、経済マスコミが存続できる空間・方向性はかなり狭まっており、おそらくは「マス」であること自体が存続を否定しているのではないか、と思ったりする。なかなか厳しい状況であります。
by bank.of.japan | 2009-07-08 22:05 | マスコミ | Comments(5)
Commented by 39歳無職 at 2009-07-09 10:09
私はマスコミ志望者が多いことで有名な某W大学の出身で、私もそんな中の一員でしたし、実際何人かのクラスメイトはそっち方面に進みました。
当時は(今も?)あこがれの職業だったんですが、まさかそれから20年ほどで、存在意義を真剣に見つめ直さねばならない時代になろうとは・・・
確かに、そんな情報発信をしてくれるスーパーな学者さんが様々な分野に登場すれば、マスメディアの機能は取って代わられてしまいますか・・・
Commented by PK at 2009-07-09 11:45
マルクス主義抜きの大日本帝国(教養主義)+批判的思考が、理想的戦後日本。
帝国の教養主義とは、知識としての教養ではなく、自分が文明の継承者としての自覚。
しかし、当の西欧文明が帝国主義の傲慢と大恐慌で破産してみえたところを、マルクス主義で足元をすくわれ、大日本帝国は崩壊した。
本当の戦後日本は、マルクス主義ではなく、傲慢でない文明の継承者としての教養主義と批判的思考に拠って立つべきだった。

マスコミの位置
椿事件やゾルゲ事件の朝日新聞のように政治に介入するのではなく、
批判的思考過程のうち、
(1)現実からテキストを起こすこと
(2)証拠付けること
(3)要約すること
(4)分析し解釈すること
(5)分析と解釈を批判すること
(6)批判された分析と解釈を論理的に利用すること

の(1)~(3)を担当すべき。特に大量のニュースが生まれている現状、(3)の要約が重要で、分野と対象読者をうまく結びつける機能が重要。
Commented by bank.of.japan at 2009-07-09 22:23
39歳無職さん、どうもです。マスコミはなくなりはしないとは思いますが、プレゼンスの縮小は必至であろうと思います。特に経済報道は生き方が難しくなっており、付加価値を作り出すのが困難です。やりようはあるとは思うのですが、なかなかイメージが具体化しにくいですね。
Commented by かみーゆ at 2009-07-13 08:24
私は 金融の畑の循環が収穫期を終えて冬を迎えたのじゃないか?と思っております。つまり休止期です。
もしブログ主さん達が来年もまた収穫したい場合は 畑を耕して種をまく→成長のための作業をする→たわわに実った穂を刈り取る(収穫)→畑が季節で休ませる。
循環があるからメリハリがつくのです。
かと言って休止時期に畑を休ませる合間にも作業は存在します。その作業がなければ次の時期に畑を作ることが出来ませんw

私は思うのですが休止時期に金言を探して、試行錯誤するからこそ発展があるのではないか?と思うのです。

ちなみに私が収穫期を終えたと思ったのは、日経の野村證券の社長さんの過去の話だったかな?アメリカの圧力で法律を変えた と言ったあたりで波紋が生まれたような気がします。そして1990年から考えて来年で20年ですw20年周期の経済の波から考えてもおかしくないことかと。
Commented at 2009-07-13 09:40
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
<< 債券が買われると過熱とかよく言... 服部正也氏が着任したときのルワ... >>


無料アクセス解析