ある行事が中止になり、少しまとまった時間ができたので、紹介しきれなかったネタなど雑感的に。
・「Economist's View」のMark A. Thoma教授がしばらく前、「Why Op-Eds?」というエントリーを書いていた。米政府高官(ガイトナー、サマーズなど)はなぜワシントン・ポストとか旧来メディアで意見表明し続けているのか、我々にはブログという便利なツールがあるのだから、ホワイトハウスにサイトを作ってそこで情報発信すればいいじゃないか、という主張だ。ブログ論としてよく聞かれる見解である。 Thoma教授は経済専門家なので、(フィルターのかかりやすい)新聞で政府高官の見解を知るよりも直接吟味したいと思うのは当然だ。ただ、一般読者はニュースを娯楽的に受け止め、そもそも考えるのが面倒臭いかもしれず、政府高官のブログを読もうとする人はかなり少ないと思われる。教授のエントリーには追記として、政治コンサルタントをやっている娘さんの意見が簡単に紹介されているので、こちらが参考になる。 ・有力メディアに意見を載せれば、妥当性があるように見える。 ・掲載された見解は、その後ブロガーやリポーターなどが取り上げ、重大性を増す。 ・そもそも一般読者など最初から対象ではなく、見解はあくまでもopinion leaders, policy makers and lobbyistsに向けたもの。後はニュースに取り上げるリポーター。 ・個人的な取り組み Thoma教授の問題定義で思うのは、旧来の有力メディアは消えはしないけれどもプレゼンスはかなり退潮すること。景気低迷も退潮に拍車をかける。一方、教授のような主張は増えていくはずで、これに当局が対応する可能性もあるしれない。ネットメディアは専門性に特化しやすいが、ビジネスモデルはアクセス数という量的拡大路線で、これは旧来メディアと同様の不毛な消耗戦になる。かといってアクセスの質を基準にするのが難しく、展望もなかなか開けない。で、どうするのか。この点、5年近くブログをやりながらいろいろと思いついたアイデアを少しやってみようかな、と模索中であります。 私の弱点は、長年ブログをやりながらもその技術的側面に弱い、金融経済以外の領域の事情に疎い、といったこと。それでAMNさんの勉強会を参考にしようと思ったが、あいにく抽選に外れた。残念! ・大機小機(土曜日の分) パピさん、あなたの若者世代への期待はよく分かるが、そう言われても選挙やったらあなたの世代が圧倒的に勝つのだから、年金などで改革が必要と思うなら、若い世代に訴えるのではなく(指導層でもある)あなた方が動かないことにはしようがないのではないか。全般的なご主張、ご自身の世代のプチ自慢のようで、何だかなあ、と思いました。 ・日銀=小野田坂道説 ふと思い出したので、付け加えます。私は、趣味にはしていないが、自転車には少し詳しい。なので、a-kunさんのエントリーはかなりウケた。「ママチャリに乗ってギアをほとんど使わずに、登り坂を常人離れした高回転のペダリングでぐんぐん登っていく姿は、そのまま日銀の金融政策の姿に直結します」。その通り。通常の短期オペで30兆円以上を達成するのは神業。FRBはどうも日銀がやったのはダサいと思っているフシがあるように感じるが…。
by bank.of.japan
| 2009-06-21 13:41
| その他
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Comments(6)
歳を取るということは、あらゆる点で、抑制が効かなくなる、緩むということで、ふつうの歳よりは怒らせると止まらなくなる。
若いということは、あらゆる点で、抑制し、自己否定・自己嫌悪に苛まれ、緊張していることで、怒りも簡単に抑制できるし、気が変わる。 そういうバランスが崩れ始めるのが、25~6歳あたりからで、その頃からは、意識的な節制・感情の抑制・自己規制が必要になる。 以上は、そういうことをしてこなかった私自身を反省しての認識です。
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ご紹介ありがとうございます。個人的にも「日本経済=ママチャリ論」は好きなテーマです。これ以上ギアを落とせなくなったFRBがこれからどうするのか気になるところです。
Thoma教授の娘さんの説には納得。特に最後の「そもそも一般読者など最初から対象ではなく」というのはその通りだと思う。我々市場参加者がインタビューを受けるときも、相手先の想定読者を思い浮かべつつ、ポジショントークするようにしているし。
あの大機小機は笑っちゃいましたね。
デフレは良いもの、借金を残すな…与謝野大臣かと思っちゃいましたよ。
近代の日本が、本当に優れていたのは、大日本帝国時代です。
ダメにしてしまったのは、マルクス教の人たちですね。 戦後日本の成功は、大日本帝国の遺産と通貨安と冷戦の賜物です。 帝国時代の人間が死に、円高を強制され、冷戦が終わった時、 その現実を受け入れないためにバッファとして増大したのが、1000兆円近い国債残高です。 国家制度の寿命は70年おきに試されますが、今の日本では、確実に乗り越え不可能でしょう (70年で一つの政治制度が生死を分けるのは、たぶん世代間の分配の調整結果が分かれるためだと思います。) 今度失敗して日本が破壊されたら、欧米は日本の復活を絶対に許さないでしょう。ギリギリのところに追い込まれているのに、民主党で乗り越えるんですか? 冗談でしょ。大日本帝国をつぶした奴らと同族ですよ。こいつらは。
毎度ご苦労様です~。
パピさんの論調は楽しく拝見しました。寝たら落ちると言われても、当時と今では進学率・受験戦争の度合いが違うので論理的でないなと思いました。あの欄は経済教室ではないため、情緒的なコラムでも許されるのですね(^^
a-kunさん、どうもです。思わず反応してしまいました。ママチャリ的なところがまた日銀らしいです(苦笑)。
asdさん、どうもです。パピさんの世代、もらってる年金減らすことに同意してくれたらよいのですが。それはダメなんでしょうねえ。 椿ラインさん、どうもです。かなり情緒的でしたね。
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