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NY連銀総裁は随分正直ですね=国債買入ではジンバブエ化を恐れた…
 マーケット関係者はもうご存知かもしれないが、エコノミスト誌にダドレーNY連銀総裁のインタビューが掲載されている。場所はこちら。厭債害債さんが既に取り上げていらっしゃるので、興味深いところをそのままお借りします。みなさん、やはり以下の部分に注目されていますね。

「面白いのは次の部分
When we were contemplating Treasury purchases I was afraid people would say it’s monetisation, we’re on the path to be like the Weimar Republic or Zimbabwe. I got more comfortable because the Bank of England announced a programme and there wasn’t any anxiety on that score and the market reacted favourably. And the only way we’d get information about the effectiveness of a Treasury purchase programme was to implement it. So we’re learning by doing.
 米国債の買い切りを考えた時、私は人々がこれをマネタイゼーションを呼び、ワイマール共和国(訳注:ハイパーインフレで有名)やジンバブエの道を歩むというのではないかと恐れた。その後英国が買い切り策を発表し、これがその観点での大きな懸念を呼び起こさず市場が好意的に反応したことで、私は気が楽になった。我々が米国債買い切りプログラムの有効性をはかる唯一の方法はやってみることだった。それゆえ我々は『走りながら考えている』(learning by doing)状況だ。

訳注:大江健三郎さん風に『見る前に跳べ』ってことでしょうかね」

 一般的に日銀マンは何かやるときはロジックを整え、時に余りにもロジックを詰め過ぎるので、後から自ら構築したロジックに囚われ、悶絶状態に陥ることがある。一般的な日銀マンでなかったのが福井前総裁で、「迷ったら跳べ、が信条であった」(複数の日銀幹部)という。だから理屈を超越してドンドン量を増やし、理屈をすっ飛ばして簡単に解除してしまった。接近音と離脱音が違うような政策運営で、ドップラー効果みたいなもんでした(苦笑)。
 で、FRBも国債買入に踏み切るときは、「とにかく何かやらなくちゃ、跳んでしまえ」という心情であったのだろう。ダドレー総裁、随分と正直に語っていると思った。走りながら考えているので、国債買入の位置付けやロジックも微妙に変わるのだろう、これは良く分かる。同時に一時はジンバブエ化も覚悟したので、今もなお不安な気持ちがあり、ゆえに出口論も浮上するのだろうと推測される。福井チックになったFRB。親近感もてます。
 昔から国債を買い、最近は買い増しもしている日銀はジンバブエ化は恐れないのか…。えっ、買い方が足りない? 銀行券ルールがあるから大丈夫? なるほど。
by bank.of.japan | 2009-06-09 22:34 | FRB&others | Comments(9)
Commented by grasppmacro2008 at 2009-06-10 00:10
>>理屈を超越してドンドン量を増やし、理屈をすっ飛ばして簡単に解除

案外これは正しい政策運営かもしれませんね。時間と労力を費やして経済学を勉強しましたが、どんなに新しい経済理論を駆使しようとも先のことを予測することはとても難しい、と感じています。後から明らかになったデータを分析することならできますが、その当時のその現場にいたとしたら、どういう選択が最適なのかなんてわからないと思います。なので、エコノミストの意見なんて「後出しのジャンケン」みたいなものと前回書きました。

金利も気になりますが、日本のコアCPIをさっき調べたところ、3月、4月と連続してマイナス0.1%になっています。BOJの4月30日発表のリスク・バランス・チャートの予想通りになってしまうのでしょうか、、、。
Commented by three-hyphens at 2009-06-10 03:22
下のエントリにつけようと思ったのですが、こちらも国債の話題なので。

日銀は、国債の直接引き受けはやりますでしょうか?

私見ですが、時間軸の再登板よりも可能性が薄いような気もします。かつてのFBの公募入札をはじめた件の際などは、日銀内部では「Central Bankerの誇りを取り戻した!」かのような高揚感がありましたので、そうした文化の中では難しいのではないでしょうか。(それも、もう10年も前の話になるのですね…)
Commented by PK at 2009-06-10 09:29
日銀にはできることは少ないです。
金融は実物とダンスを踊るのだけれども、今の日銀は上手にあわせることができますが、実物はどうにもならない。
麻生が綺麗に踊っても拍手も無い。観客席に近づけば、転ばせようとそこらじゅから足が伸びる。
日本の知識層の多数派はマルクス主義ですから、政権交代が暗黙の「空気」です。
仮に政権交代をしても、民主党と言うのは既得権層を代表しているので、
どうにもならないでしょう。
インタゲは論外ですね。インフレは成長期の子どもの服が寸足らずになるのと同じ現象だから、今の日本では通貨安にしないかぎり無理です。
現状では通貨安は期待できません。
Commented by grasppmacro2008 at 2009-06-10 11:53
ゼロ金利周辺でのITの効果は気には興味がありますね。実際にゼロ金利周辺で、ITを「明示的」に宣言して運営したことのある国って、まだないんじゃなかったのでは?
FRBは「見通しを発表」、ECBは「参照値」、BOJは「物価安定の理解」といっているだけで、明示的にITを宣言している訳ではない。ただ、どれもITにかなり近いことをやっている、と私は理解しているのですが。
ITを明示的に宣言して、ゼロ金利周辺で運営した場合の実証研究は、エコノミストの今後の課題かと思います。(これも「後出しのジャンケン」だ、と言われてしまいそうですが。)
Commented by PK at 2009-06-10 15:35
やりたければやればいいんじゃないですか?
世界経済高成長下の小泉「円安政策」時代をもってしても、国債増発を抑えた程度だったですが。そして、日本の金が出て行った一方で、外国人の金が入りました。通貨の交換ですから。
円安政策は、いろんな意味で共同体破壊です。
日本のような巨大国債残高を抱えた国が、共同体を破壊するのは、矛盾しているように思える。ホームバイアスは共同体意識と同根だと思いますから。僕は、もう通貨安政策は考慮しないし、賛成できません。

それから、民主党政権は、世界中で失業で怒りが満ちてくる時に、格好の日本叩きの材料を与え続ける政治をすることになると思います。
これは村山内閣で証明済み。
それよりはむしろ麻生のようにウクライナに金をばらまいたりする方がはるかに良い。
民主党政権は戦前同様、完全に日本の自殺行為です。
Commented by 星の王子様 at 2009-06-10 19:56
ビルダッドリー氏は彼がGSチーフエコノミスト時代に何度かお会いして話をしたことがありますが、穏当な方だという印象です。米国主要金融機関が公的資金を返済しましたが、今後も米国の金融機関の動きは注視したいですね、日本では社債が続々と発行されだしましたが、海外は国債の発行が相次ぎ社債はどうなるのでしょうか。
Commented by bank.of.japan at 2009-06-11 00:06
grasppmacro2008さん、どうもです。経済見通しは本当に難しいと思います。これはバーナンキ議長も述べていましたが。ただ、そうはいっても予想精度を高めていって欲しいと経済学には期待します。物価はマイナスですね。これで景気が再び大きく下向けばデフレが懸念されます。
BOEがIT型に近いと思います。これまたうまくいくかどうか。ITは物価が低く、資産価格がふいているときに対処が難しいかもしれません。
Commented by bank.of.japan at 2009-06-11 00:06
three-hyphensさん、どうもです。国債に対して、日銀の古い世代はやや過剰な忌避感があるように思われるときがあります。対MOFとの微妙な関係もあったのでしょうか。まあ、国債引き受けのハードルは超高いと思いますが。
Commented by bank.of.japan at 2009-06-11 00:08
星の王子様さん、どうもです。面識があるのは凄いですね。インタビュー内容からは率直が人柄がうかがえます。国債増発傾向ですが、主要国の場合はそう簡単には需給は崩れない、と思います。願望もこめて。
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