雑感とお知らせです。
まず雑感① ガイトナー長官、訪問先の中国で嘲笑を浴びたようであります。元ネタはロイターのこのニュース。北京大学で講演した後の質問に「あなた方の資産(ドル建て外貨)は安全である」と言ったら、学生らから大きな笑い声が上がったらしい。学生らが笑った理由として記事では「国民生活の引き上げでなく、外貨購入に莫大な資金が使われていることへの懐疑的な見方があるため」と解説されていたが、そうなのかなと思った。 ちなみにFinantial Ninja氏はA)中国人学生は米国民よりも賢いorB)学生は笑うべきでない。彼らの金を盗んだガイトナー長官に石を投げつけるべきだった-などの見解を披露していた。 思うに、中国人学生が笑ったのは、米国が(金融財政膨張で)ドル安政策を取っていると解釈し、「安全」が嘘くさいと感じたからではないか。外貨準備の増加が人民元の上昇を抑制し、輸出で稼ぐ(国民生活の向上)代償であることぐらいは学生は分かっていたと思う。 雑感② naked capitalismによると、フィラデルフィア連銀のプロッサー総裁、FTとのインタビューで、FRBが検討している不良資産買い取り案について、「値付けや売却が難しいものを長期資産として抱え込むのは中央銀行をクレジットリスクにさらす。『遠すぎた橋』のようになるだろう」と語った(a bridge too far=マーケットガーデン作戦?)。その上で「(不良資産買い取りは)金融政策と財政政策がごっちゃになる」、「国債を買う方がインフレリスクはより少ない」と述べた。 なかなか面白い指摘である。民間債務を買う、政府債務を買う。どちらかをやらないといけないなら、まあ後者の方が中銀にはリスクが少ないのは確かだ。政府・中銀が総動員体制で経済を救う場合、両者の棲み分けをきっちりやるなら、政府がリスクを取り、中銀が政府債務を買ってバックアップする、というのが一つのあり方であろう。 山口泰元副総裁の講演を思い出した。2001年11月。「(国債、外貨資産、株式、不良債権などの)大規模な買入れは、最終的に国民の損失負担となって跳ね返る可能性もあり、また、ミクロの資源配分に大きな影響を与えることにもなります。そして第3に、このような政策は、中央銀行が実質的に財政政策の領域に近いことを行うことを意味します。しかしながら、民主主義国家における一般的ルールとして、国民の税金を用いた財政政策は、選挙民から選ばれた議員から構成される国会における予算承認プロセスを通すということであると思います」 お知らせ、というかご意見の募集。 長年ブログをやってきて、かなり専門的に書いているにも関わらず、想定以上のアクセスを頂いており、感謝致しております。専門的に書くのは、専門家には話が早く通じるのですが、そうではない方々には不親切な面もあり、この点はアクセスが増えるにつれてやや気がかりになっておりました。 特に、当ブログはあちこちの大学からアクセスがあり、私としては金融政策に興味を持っている経済学方面の学生さんには金融政策の実務面を知ってもらいたいと思っております。白川総裁はイングランド銀行のタッカー理事の言い方を借りて「中央銀行はplumber」と表しているように、この配管工事はどの中央銀行にも通じるところで、難局に際して各中銀の金融政策や考え方が似通ってくるのは配管工のやることはいずれも変わらないからであろうと思います。 この配管工事、具体的には資金需給の変化、これに対応するオペの組み立て、担保の取り方、準備預金のあり方などで、これはまとまった解説をやればよいのですが、なかなか書くだけでは限界があり、私がリアルに説明する場があってもよいかな、と思っております。中央銀行はいずれも金融システムの内側はある程度見えていて、そこでの配管工事はいろいろやりようがある。ただ、見えないのはその外側で、マクロへの波及は経済学が解明するところで、私の出番ではないですが、内側の概要ぐらいは解説可能です。 日程とか人数とか具体的に決めているわけではなく、漠然としたアイデアの段階ですが、ご興味やご質問、ご希望などあれば、ホームページ右上のアドレスまでご連絡ください。 追伸 久々に解析したところ、改めて北米方面の各大学からのアクセスが増加した感じでありまして、ありがとうございます。みなさん、頑張ってください。
by bank.of.japan
| 2009-06-03 22:10
| FRB&others
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Comments(10)
最大の米国債に買手である機関投資家様に対する、醜いセールスっ賢く頭のいい中国の学生の反応は当然でしょうね。まーまたアホな害トナーは日本頭越しに共産主義国家二尻尾を振るそれだけアメリカはやばいということでしょうかね。gm破綻でべ国債よっぽど売られたくなかったんでしょうね。
でやきもちは焼くわけないわけで、多分のこの嫌がらせは日ロ対話ですよそっちがそうなこっちはロシアと仲良くするわよ。なので日産の自動車工場稼動をここにぶち当てたプーチンはさすがです。その思惑の中で核かーどを切る北は本当のぎゃンブラーさすがです。 でその中で天安門事件首謀者の自首で、米中の人権問題は棚上げかって、オバマの外交政策は腰抜けかい。まー日本国米大使様もなめられたもんだだよ、
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民間クレジットリスクよりはソブリンリスクテイクというブロッサー総裁の指摘は次回下振れ局面における日銀アクションを予言しているかのようですね。
本石町さん,手遅れかもしれないけどブログ本体にメールアドレスを晒すとスパムメールの餌食になりまする。右上のイメージファイルのアドレスを参照のことでいかがでしょう。
プロッサー総裁はいま議決権なかったでしょうか。今年の初めに代わりにラッカー総裁が言っていたような。このところFRBも主流と反主流が水面下ではやりやっているのでしょうか。
EURO SELLERさん、どうもです。ご指摘の件、直しました。多謝です。
karuさん、どうもです。あれだけ米債を持たれてしまうと、米国としても中国には気を使わないといけないのでしょう。日本もとばっちり食らうので、中国には大人しくして欲しいものです。
walrusさん、どうもです。次のダウンサイドで何をやるかについては、ご指摘のようなシナリオになる可能性はあるかなと思っております。 EURO SELLERさん、どうもです。FRBはロジックが人によってバラつきがあり、バーナンキ議長も微妙に言い方が変わったりして、対外コミュニケーションが不安定化している感じです。
どのような文脈で、どのように笑ったのかわからないですが、
ガイトナーがアメリカンジョークを言ったと思って笑ったのか、 それとも単に小ばかにして笑ったのか。 小ばかにして笑うのは民度の低さを感じてしまいますね。
通行人さん、どうもです。なるほど。ジョークの可能性はありますね。まあ、恐らくは嘲る感じがあったのではないかと想像するのですが…。
講義を聴講中の学生ですから,嘲笑したというよりは,ちょっと無理がある主張には,笑うのが正当な反応だった,という程度では.
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