15日と16日の大機小機についての簡単な感想。
15日は越渓氏の「日本国は破産しない」。コメント欄でも指摘されたやつです。国債が多いのは、国民が国債を買い、その金融資産が増えることなので国は破産しない、だから国債をドンドン出して財政をバッと出せ、という主張。 財政は、日本のようにホームバイアスが強く、経常黒字国であるなら、そう簡単には破産しない。ただ、ものには限度があって、企業・家計が困窮化して預貯金取り崩しが優勢になると間接・直接に国債を買う余力は乏しくなり、やっぱり国債増発にはどこかに限度があるようにも思う(それがどこかは不明確だが)。 私が財政問題でよく思うのは、土光臨調のことである。数年前、NHKでメザシの土光さんが再放送されたのだが、番組の中で当時のニュース場面があり、アナウンサーが「財政赤字が深刻であり…」と言っていた。で、そこに出ていた国債発行残高は80兆円ちょっと。これで大騒ぎしていたのである。土光さんをタイムマシンで現代に連れてきて、国債発行残高の急増するチャートを見せたら、何と言うだろうか。そして長期金利がまだ1%台である事実をどうみるのか。 もう一つ財政で読めない部分。確かに日本の財政事情は悪化しつつあるが、他の国は急速に悪化しつつある。もとより、(国債が裏付けする)通貨価値は相対的なものなので、日本がいくら悪化したとしても、他国の悪化ぶりがさらに深刻であるなら、相対評価は高いのである。しかも、日本は社会的安定度も高いので、「質への逃避」を目指すマネーを呼び込む(国債消化力の増大)可能性もある。 財政は当面大丈夫なようにも思う半面、やや不安を覚える、という微妙な感覚である。越渓氏のようにノープロレム、バンバン出せ、と言えるほどの自信はないです。 財政についてはまだ感想はあるが、これは別途述べたい。 もう一つのコラム、陰陽氏の「仕組み債の落とし穴」について。 オチがあるかと思ったらなかった。これ、そもそも旬の過ぎた話題で、一般紙が取り上げるならまだしも、経済新聞にしてはかなり初歩的な内容ではないかと思った。というか、一般紙でももはやネグられるようなネタであるような気がする。それとも、マーケット欄の読者層(レベル)を念頭に置いたネタがこれだったということだろうか。やや首を傾げるコラム内容でありました。
by bank.of.japan
| 2009-04-16 22:44
| 大機小機
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Comments(9)
僕は、インタゲ派には反対の立場ですが、デフレすれすれのままバランスシートはどんどん膨らむだろうと考えています。
その時に怖いのは、誰も知らない限界はもちろんですが、米国にB/Sを組み替えられること。円安政策を取ると、必然的に米国資本が逆方向に日本に入り込むことになる。 ケインズは、資本は国内のものを使った方が良いという立場でしたが、僕も同じです。円やドルは、それぞれの経済の事情を含んでいる。 それを交換することは、かなり冷酷で怖いことだと思います。
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今回のドル圏の金融危機で、ドル負債を共有する構造は、保険のために複数通貨(負債に)分散化するだろうと考えます。そこでの金融機関は江戸時代の両替商のようになる。
その時に、世界の1割以下経済の日本の通貨・円は、どうなるのだろう? 各国の負債共有の受け皿になる国際的な準備通貨は、ちょっと難しい。 そこで独自に信用に裏付けられた交換性を保持しないといけない。 円を持つことは、こういう価値があるという認識を相手に持ってもらわないといけない。 その場合には、JAICAや商社や日越イニシャチブ(EPA)など、30年単位(一世代単位)の国家開発のパートナーとして、円に価値を見出してもらうように持って行くと良いと思います。 相手の数は数カ国になりますから、戦略的に選びたい。 インドや中国は大国であるため対象にはなりません。中堅国がいいと思います。 大人口の農業国であるタンザニアやミャンマーやウクライナなどと、日越イニシャティブのようなものを組み、円の交換性を多少なりともに確保したい。(人口の多い中堅農業国を狙うのは、将来的にも消費財の市場が確保でき、そこで円の交換性が増幅できるからです)
「国は破産しない」のは確かにそうかも知れませんが、世代間の借金である点が全くクローズアップされない点は非常に疑問です。
現世代の借金は現世代の中で返済するよう年代別に税額を変えるなどしないと、将来世代への虐待だと思うのですが。 まあ、最後はハイパーインフレによる借金棒引きで調整するのかも知れませんが。。。
個人の預貯金が昨年辺りから頭打ちになり、団塊世代が退職を迎える今年辺りから、預貯金の取り崩しが始まり、老い先短い将来であっても不安が先行すれば消費は抑えられ、キャピタルフライトしたはずの個人資産はメタメタにやられて、海外からのインカムゲインが減少すれば、輸出減と合わせて貿易黒字は赤字へと転落する。経済の縮小は税収の縮小でもあって、国家財政の拠りどころを探すほうが難しくなりつつあるものの、まあ、アメリカよりはマシかと思う今日この頃。目の前にあるのは定額給付金の申込用紙。何に使うかと考える必要はなく、振込先の通帳は嫁に握られ、考える余地もなし。
日銀のB/Sが気になるならば財務省が管理する外貨準備金1兆ドルを担保に(あくまで担保)政府に貸し出すというのは、どうか?・・・といった話もありました。どうせ売れないなら担保くらいにはしたいよという気持ちはよ~く分かる。
2chさん、どうもです。最悪の場合に、ハイパーインフレになる恐れがあるからだと思います。そうなるかどうかはよく分からないです。管理通貨制度では信じる、信じないが通貨信用を左右する面があるためです。実態的に悪化しても「信じる」ならば通貨価値は保たれ、逆説的に悪化してなくても「信じない」なら、通貨価値は喪失される可能性もあり、期待形成上は難しい問題です。
にしおさん、どうもです。将来世代へのツケ回しとなって最後は財政発散する場合、苦境に耐えて財政出動を我慢する、ということが出来ればよいのですが。 へいみんさん、どうもです。給付金が考える間もなく、生計費に飲み込まれるのは私も同様です(苦笑)。外貨準備は負債に短期債(FB=借り入れ)があるので、担保に使えるのかどうか。
はじめまして。乙川乙彦さんのブログ経由で来ました。「国債を刷れ!」という本を今読んでいるのですが、著者はハイパーインフレにならない理由として、今の日本は供給宇力不足でないから、と書いていました。
えんどうさん、どうもです。国債増発してもしばらくは大丈夫でも、ハイパーインフレになる臨界点がどこかは読みにくく、起きるときはあっという間でとめるのは難しい気がします。
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