最近の金融政策運営についての説明(自分用・参考まで)
 日米英の金融政策は「ゼロ金利」でもなく「量的緩和」でもなく、いくつかの緩和策の合わせ技になっているが、一般的には分かりにくい。白川総裁が会見で、改めてこの辺のところを説明しているので、もっぱら自分用ですが、参考までに紹介します。

 金融政策については色々な概念整理が可能かと思いますが、私自身は3つの柱から成っていると思う。
1つ目は政策金利を引き下げることで、現在0.1%まで引き下げている。
2つ目は金融市場の安定を維持すること。これは必ずしも狭義の金融政策だけではなく、最後の貸し手として資金供給することや通常のオペレーションでも潤沢に資金供給していくことが含まれる。
3つ目は、CP市場(CP買い入れ)がその典型だが、金融市場の機能が低下し企業金融が全体として逼迫を来しているときに、その金融市場に対して中央銀行が働きかけていくという政策であり、これについては確かにクレジット・イージング(信用緩和)という言葉がより近い感じがする。

 この概念整理はFRBやBOEにもほぼ当てはまる。で、海外中銀のクレジットイージングについての整理は以下が参考になる。

日本銀行を含めて主要4中央銀行の対応は区々である。
英国では、短期のCP、長期の社債のいずれも買入れることに踏み切った。オペレーションはBOEが行っているが、損益は全て政府に帰属するという形で始めた。
米国は、短期のCPはFRBが購入し、今月から始める消費者ローンやオートローンなどが組み込まれたABSの買入れについては、期間は3 年だと思うが、政府が損失を負担する形だ。先だっての発表で規模が拡大し、確か1兆ドルになったが、そのうち最初の損失発生分1,000 億ドルは政府が負担することになる。
ECBは、現在のところCPも社債も買入れは行っていない。

以上、白川ゼミでありました。

関連のエントリー FRBは量的引き締めをやっている?=欧米ブログより
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by bank.of.japan | 2009-02-20 18:22 | 日銀 | Comments(21)
Commented by gam at 2009-02-20 23:58 x
社債の買い入れもはじまるようですが、なんでA格以上に限定なんですかねえ。しかも残存1年てリスク取っているうちに入らないって。どれほど玉があるのか、疑問です。
BB以下は残存1年以内、でもBBBなら三年、A格以上なら5年までOK、とかすれば、だいぶフィールドも広がるんだけどな。
やはりそもそも格付けなんて信用してないんでしょうね。
Commented by かるぱーす at 2009-02-21 00:13 x
最後の貸し手ですが。昔なら間接金融的手段を使って、中央銀行が資金供給すれば、それを受けて民間金融機関が民間に対して潤沢な資金をとなるのですが。。。
現在色々な規制があって民間金融機関はアセット増やせないので、いくら資金供給しても、別の規制が資金供給をストップするので、どうしようもありまへん。
なので、アセットが増えてもリスクとせんように、親方日の丸の保障つけるとか、貸してそのまま流動化して親方に買ってもらわんといかんのです。
なんといっても自己の株式と保有資産が期末に向けこんだけボロボロに成りつつあるので、当局としては当初予定より相当なてこ入れしないと期末資金がやばいでしょうね,
というかここまで株が下がると他人の資金繰りなんていってられないので、早く期末越え出してくれーという資金担当者の悲鳴が聞こえてきます。ハイ。
Commented by PK at 2009-02-21 00:21 x
根本的な疑問として、官僚って日本経済を潰したいのでしょうか?
毎年1~2月は官僚が取り締まり企業を叩いて日経を大きく引き下げますよね。
恒例の行事です。今年もやるのかあ、と思いました。
恐慌が近づこうが、お構い無しですよね。
こんなことしてて大丈夫なんでしょうか?
Commented by bank.of.japan at 2009-02-21 01:08 x
gamさん、どうもです。質的緩和は最初は小さい一歩ですが、ご指摘の方向に徐々に向かっていくように思われます。

かるぱーすさん、どうもです。ええ、そうです。ですからバーゼル2とか、取り合えず忘れちゃえばいいのです。世界でメジャーバンクがどんどん国有常態化しているのですから、民間銀行の健全性維持の規定などもはや意味がないでしょう。

PKさん、どうもです。潰したいとは思っていないはずですが…。
Commented by PK at 2009-02-21 01:29 x
僕は、春過ぎから日本は恐慌に入ると予想します。
民主党については、去年の12月で責任政党ではなくなりました。
この1~2月で風向きが変わって日本が引き締まると思っていましたが
全く予想と逆になった。
一番悪いのは、マスコミです。
最悪です

資金繰り表は6ヶ月さきぐらいしか見ない。
トヨタが5月増産予定なのは、政府が何もしない(マスコミと民主に拘束されて)、系列に資金を廻すためなんじゃないですか? 一種の給付金でしょ?
5月頃からバタバタつぶれると思います
Commented by Non日銀 at 2009-02-21 12:43 x


昨年の10月8日に白川総裁は次のように述べています。

*******以下引用******      
 会合後の記者会見で、白川方明総裁は・・・

 「公的資本注入は必要か」との問いに対しては「コメントを差し控える」としたものの、・・・・その後の質問でも、「日本の経験では、金融機関の資本不足の解決なしには問題は解決しなかった」と回答するなど、金融機関の資本不足の解決の必要性については積極的な発言が目立った。

公的な資本注入が米国の現行法で可能かどうかについては、「私も気になって目を通したし、日本銀行の専門家にも確認したが、具体的なことまでは明らかになっていないと思う」と答えた。

ttp://www.toyokeizai.net/money/markett2/detail/AC/f4aca4daa5cbea78a5f76da84dd809dc/
****************

法律のせいで恐慌回避ができなかったというような馬鹿なことは米国では起こりえません(米国は共和国)。

しかし、日本では少々怪しい・・・

なお、法律は財務省ルートですから、与謝野大臣と白川総裁の相性関係も重要です。

Commented by PK at 2009-02-21 14:34 x
米国と言うのは、信用制度に関しては、日本の室町時代程度の国ではないかと感じる。
西部開拓時代は民間が勝手に紙幣を刷っていたそうだ。
日本の手形制度は結局変動相場制に耐えられなかったけれども、経済変動が穏やかな時代になったら是非復活させて欲しいものだ。
江戸時代の200数十年は人類の信用制度の発達においても大変な到達だったのかもしれない。
Commented by かるぱーす at 2009-02-21 21:47 x
仰せの通りです。米2大銀行国有化報道のある中、健全な銀行は中国の銀行くらいでしょうか。ってバーゼルは市場経済もとい資本主義を規制のために葬りさるつもりでしょうか。とすればマルクスはやはり偉大なりです。
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-02-21 23:39 x
さすがに今回中川氏の事陰謀だだのましてやCIAだだのいうのは聞かれませんねw為替も円安ですが株価下がり分相応って事ですか。
日刊ゲンダイ「MUFG社債大人気」とありチョットびっくり(マジ)日銀社債買入と関係有か(笑)どうかは知りませんが、
株価低迷高配当化顕著だが減配見送り可能性高しって事かな?等とも少々。風邪には
風邪薬より通院の方がヤッパリ絶対良いかもしんなぃ。昨年CitiBank昨年めJAに貯金しようとしてた中川氏と同様未だ風邪っぽい男より。
Commented by PK at 2009-02-21 23:52 x
マスコミと官僚が手を握れば、日本の情報コントロールできるということでしょ。
文章を起こして、証拠付けて、全体を明らかにして、評価して、行動して欲しい。
映像を見せて、ワイドショーで騒いで、辞任させて、徹底的に小突き回す

子供が大人の真似をするのはあたりまえだ

日本のマスコミの何処に テキスト分析、批評する力があるんだ?
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-02-22 00:07 x
昨年CitiBank昨年め→昨年CitiBankやめ、でしたm(_ _)m
麻生~中川盟友盟友って盟友って言葉がこんなにも安っぽく聞こえるとは思いもしなかった、またそうした意味ではあの財務、金融、
経済財政・・・兼、兼っ、兼ッ、って奴も!ちっとも権限集中のように感じられずほんに「水で薄めた」まるで「水でふやかした」かの
様にしか全く感じない、通り越し、思えないのもコレもまた盟友同様まさに言葉のデフレ?、価格(じゃなく意味)破壊か??その前に
まずは「余命幾ばくも無い政権&政党(!?)」のせぃかもやはりしれませんケドも^^;

ところで、自民→経団連に対し民主党→同友会なんて話をふと小耳に挟んだ様な気もしたんですがこれって結構有名なんでしょうか?
(ほんと無知でスイマセンが(汗)・・・)
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-02-22 00:47 x
株価下がり分相応→株価も下がり分相応、
「MUFG社債大人気」とありチョットびっくり(マジ)→「MUFG社債大人気」とあり(マジ)チョットびっくり、だったと思います。
「MUFG社債大人気」とありチョットびっくり「(マジ)日銀社債買入と関係有か」、でも意味通るかもしれないが(汗)。

先程やってたスターウォーズ。米国民主党臭いと感じるの俺だけ?(笑)。なんか説教的とゆ-か。しかも映像自体、久々観ると
益々更になんか陳腐に感じられてしまったとゆ-か(スンマセン)。「宣教師型おしきせ文化」?知人の元為替ディーラがコレなぜか
以前やたらウケ使いたがってたんですが。こ-してハリウッド映画全般どんどんボルテージさがってく・・・なんて事もさすがに無いダロ
とは思いますものの、だからってそれに代わってまさか中国映画が!?、なんてゆ-のも何だか(汗)・・・「もっと説教的」だったりしてw
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-02-22 00:56 x
ランボー3怒りのアフガン中の1シーン。案内人が紀元前より西欧がいかにアフガンに酷い目に遭わされ続けそれを西欧でいかにずっと語り
継がれてるか、を「語り聞かせる」場面がある。ハリウッド映画結構この話挿入されてる事多い(他にも例えば007リビングデイライツの
対英戦争、等々々)。同じ西欧(ユダヤ含?)でありながらこ-したエグぃ事平然とやってくれるハリウッド映画は大好き。
ジョーズ1、船長が太平洋戦争中日本軍に船撃沈され救助されるまで仲間が鮫にやられた話。今もノーカットだろか?
(トミーリー)ジョーンズが上手にBOSE(スピーカ,BOSS缶じゃ無く)にJawsの絵を書いた、お粗末。
Commented by niwasaki at 2009-02-22 07:38 x
白川日銀のこれまでの措置はいずれも市場に出口政策を意識させてしまう点において極めて中途半端。市場機能へのこだわりは、「量的緩和からの出口政策が極めて面倒くさかった」という経験からくる庭先論に過ぎない。市場・政府に追い詰められて想定外の緩和策を余儀なくされてきた姿は「恐ろしいほどの相場観・計画性のなさ」とも映る。「金融政策はもう効かない」を前提とし、真性デフレスパイラルリスクを「ミクロ金融政策」でやり過ごそうとするスタンスはもっと批判されていい。白川日銀の最大の特徴は、「期待への働きかけの放棄、reactiveな政策反応」である。金融システムの強弱は実体経済の反映であり、証券化商品へのエクスポージャーが相対的に小さいことがadvantageになった時代はもはや過去。日本の金融システム危機はこれからが本番。金融システム安定化に効果があった量的緩和策を先見的に採用しても全くおかしくない状況といえる。「世界的な真性バブル崩壊直後のデフレスパイラル懸念下におけるバブル生成警戒スタンス残存」のセンスを疑います。
Commented by 総裁は先生 at 2009-02-22 11:11 x
日銀総裁はマスコミにとって先生ということがよくわかりました。
かつての総裁記者会見で「起立、礼!」を思い出しました。
Commented by Non日銀 at 2009-02-22 23:45 x


世界で大きなニュースとなった日本の国内総生産 GDP の3.3%減に対して、同期の国内総所得 GDI は1.4%減です。

GDIの方が、実際の経済状況に近いのではないかという見解のエコノミストもいるようです。

ノーベル経済賞受賞者0人の国の中央銀行とは言え、白川総裁の見解をたまわりたいものです。

誰か記者会見で質問してください。

GDPよりGDIだという理論でノーベル経済候補者も出るかもしれない。

Commented by walrus at 2009-02-23 05:17 x
GDIの底堅さは交易条件の悪化が緩んだためです。通常、交易条件は景気後退下において改善し、景気回復下において悪化します。つまり、GDIの改善は景気後退時にデフレになることとほぼ同義です。もちろん、不況下で物価が下がることが次の回復への1つのプロセスでもあるわけですが、そもそも現在の不況は外需主導不況です。円高が個人消費を下支えするという構図もバブル期にはありましたが、最近では円高が個人消費減退要因となっています。景気の先行きを読む観点からは、GDIの相対的な落ち込みの浅さをポジティブに捉えることは甚だ疑問です。
Commented by Non日銀 at 2009-02-23 11:26 x

日銀周辺非公式回答ありがとうございます。GDPを超える指標の開発は引き続き期待したいと思います(謝)。

*****以下引用******
2008.7.31

(去年の7月現在の分析で) デフレは終焉したのに、GDPの名実逆転は継続するという「珍現象」となっています・・・・

そこで、交易条件の悪化による海外への所得流出も加味した指標として注目されているのが、GDI(国内総所得)とGNI(国民総所得)です。

 GDPとの違いは、
  GDI=GDP+交易利得
  GNI=GDP+交易利得+海外からの所得の純受取(利子配当等)
 となり、全国民(企業も含む)の所得の増減がより分かり易くなっています。

ttp://blog.h-h.jp/investnews/
*************

なお、アジア人唯一のノーベル経済受賞者はインドの学者ですが、この人は英国ロスチャイルド一族の女性と結婚しています(疑)。

世界第二位の日本からノーベル経済受賞者が出ないのは人種的問題なのか? 総理にはオバマ大統領の見解も聞いてほしいものです(願)。


Commented by PK at 2009-02-23 13:01 x
麻生内閣の、給付金とIMF等国際金融機関への融資出資
白川日銀の現状の金融政策

これが一番良い政策だと思いますね

公共投資をやっても、建設業界はバブル崩壊後に一度膨張して縮小してきたのだから、景気対策なんて信用しないでしょうね。それこそ貯蓄に回る。

間違った人達(朝日などのマスゴミと民主党)が、正しい人を追い詰めてしまったから、もうできることはないですね。

間違った人たちのできることは、失敗の全てを麻生になすりつけることでしょう。それ以外に道はない。

自分達が同じ立場に立てば、麻生と同じことをやるしかないわけだから
Commented by 平ちゃん at 2009-02-23 18:06 x
日銀法1条の日銀の目的に照らしてみると、現在の日銀のいわゆるミクロ金融政策も、金融システムの目詰まりをした箇所をうまく迂回して、各産業セクター、各地域、各国民に対して十分な資金供給が短期に円滑に進めるられるために資金供給をするとの意図のもとで行われているならば、その目的は直接的には各「信用秩序の維持」(日銀法1条2項)であっても、資金が金融システムの目詰まりをした箇所をうまく迂回して供給されることにより、貨幣の所得速度を上げて、結果として、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」「通貨及び金融の調節」(日銀法1条1項←日銀法2条)に繋がる可能性が期待されるとは思われるのですが、、、


Commented by bank.of.japan at 2009-02-23 18:13 x
みなさん、引き続きコメントありがとうございます。

walrusさん、フォロー有難うございます。

平ちゃんさん、金融システムが悪化したとのき目詰まり対策は結果的にはマクロの安定化に資するので、1条の1項と2項は現状ではかなり密接化しており、どっちがどっちとも言い切れない状態です。
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