愛読しております日経新聞の夕刊(3日付)コラムを読んでかなり驚いた。この驚きは、感動とか言うものではなくて、「マジ?」という驚きである。経済・金融面は職業的な観点で読むので、「マジかよ」という驚きの記事があっても、そうなった経緯は大体推察ができる。しかし、普段はほのぼの読める文化面で理解不能のコラムを目にしたのは本当にびっくりした。
具体的には「プロムナード」というコラムである。フランス文学者の方が「最後の砦の陥落」と題して、わが国の文化衰退を嘆いていた。衰退メカニズムは以下の通り。 ・文学史に名を連ねる作家の少なからぬパーセンテージは医学部出身。森鴎外、斉藤茂吉、安陪公房など。 ・文学読者の相当数は医者およびその家族であった。 ・美術、音楽、古書、趣味・道楽の世界でも金儲けに関係ない多くは代々、医業を家業とする者とその家族によって支えられてきた厳然たる事実がある。 ・なぜなら、医者、特に地方の開業医はインテリジェンスに加えて金とヒマという財産があり、この三つが揃えば誰だって道楽・文学・芸術に興味を持つからだ。 ・ところが悪しき医療システムいじりで医者が貧しくなり、これによって文化の最後の砦が陥落し、日本は非文化国家に転落する。 ・文化衰退の兆候は病院の待合室にうかがわれる。「文芸春秋」や「中央公論」が消えて金満家雑誌のみになっている。 うーん、医者の所得低下=文化水準の低下、という方式があるとは…。まあ、生活的余裕が文化をはぐくむ面があるのは確かだが、「医者」がその中心にいるとは思わなかった。そうなんですか? 最初はネタかと思って読んでいたが、マジなんですね。最近、変な論調が増えた気がする。世の中、おかしな方向に流れているのだろうか。こちらの方がこのエントリーで示されている不安は私もやや感じるところがあるのですよ。
by bank.of.japan
| 2009-02-04 20:07
| その他
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Comments(22)
安部公房が戦地ひきあげ途中(じゃなかったかな確か)「サイダー作り」までしてたて事とかも、
当然日経夕刊さん承知も承知ずみ、なのだろうか。多分若い(って俺よりそうかどうか知らぬが汗)かさほど年配 ではいらっしゃらない担当者さんではないかそんな気もした。戦前戦中戦後は医者といったってそら困難極め様々に 窮した、マァ他は(てぇかそれ以外はか?)もっと大困窮極まりない時代でしたけどもネ。でもその中でも安部公房氏の それは(満州体験も相乗し!?)きついもんがある。作品でも一目瞭然!(坂口安吾同様に?)「神田神保町ファン倶楽部」 の一員(!?)としちゃど-してもちょっと書かずにおられませんでした”公房”と目にとまって(笑)m(_ _)m 明治以前西洋医学本格的に上陸前の日本でも「緒方洪庵」の存在やその歩み等とか、そ-したのもチェックすべき ではなかった日経夕刊サン?ぁコレまた失礼っ
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属国制日本国よりも遥かにマシな普通の国だった大日本帝国には、旧制高校=帝国大学というエリート養成システムがありました。
帝国日本のエリート達が、避けられない寿命によって90年代あたりまでに次々に亡くなったということが一番大きいと思います。 マルクス主義に冒されるまでは大日本帝国は素晴らしい国家でした。 *******引用******* 階級社会化すると警告する人たち お金持ちと庶民との違いって何? 定義上は、働かなくても勝手にお金を稼いでくれるモノ(土地とか、株とか、会社とか)を持っている人を資産家と呼ぶ。でも、お金持ちと資産家は、また違う。 年収が3千万を越えるサラリーマンでも資産家では無いのだ。 お金持ちをじゃあ、年収が三千万を越える人にしておこう。 彼らがアクセスできて私たちがアクセスできないものは何か?高級な食事にはアクセスできない、高等な教育にはアクセスできない(東大京大レベルだけど…)。でもその位なのだ。普通の庶民の様に、ビール飲んで、野球を応援したり、図書館にこもってベンヤミンよろしく文章を調べる分には、そんなに不都合はないのだ。 ttp://shibapuki.shibaok.net/index.php?column *************** ヨーロッパには貴族階級、米国には富豪階級があって、美術館や博物館と深く結びついています。 日本文化は、最下層から最上流にいたるまで、国民各層各位の貢献によるものではないでしょうか。
(by安吾)、m(__)m 話は違いますが、今日の民主前原氏「やるやる詐欺」ィャあれ最高!
よかったね~♪実にっ(超感涙!?)、”早くも本年度流行語大賞候補”かも。 (チナミに昨年はみぞゆーみぞうゆうでは?等とてっきり(汗)...)「訴えられる可能性等も”覚悟”」、って事だったなら もっとサイコーッ>_< 近頃こ-した「言葉の重みor衝撃(or覚悟!?)」感じさせてくれる特に政治家みられなかった って気もしてたので、また更に尚の事何だか 「胸のすくような」イィ御発言って感じました~っ、麻生筆頭に「言葉デフレ」でしたもんね最近特に(笑) .....ぁ.....それから勿論官僚お役人サン達!(忘れてました汗...)
話は金融とまた(?)関係ありませんが(いつもすいません)、安部公房も、「共産主義者」でした。(有名、か...)
もっともその後「おんだされた」ですけどね、よくしられている通り。あの当時はむしろ知識層”こぞって”「共産主義」みたぃな 確か状況でもあったハズ(、同時系列じゃない為勿論ワカリマセ-ンッ)、マ、そ-した氏の経歴等もふまえた上で氏の「手」という 短編なども、とても実に興味深いものだと感じています。戦前戦後の様な国中これ以上無い位大いに混乱したり、あるいはまた 安保闘争(第一次か?)の様に国を二分する様な状況のたんび「見直したくなる短編」というか。(URL:の後半「分断統治」などは マァご愛嬌(?)って事でm(_ _)m...)、ひょっとしたら「今」もまたそ-したまさに状況下なのかもしれない、等とも!!?? ところで、今では殆どの投資家の間で「常識」だが数年前金融庁に℡した際に (常識のツモリ感じで?)やおら米系、欧州系みたいな話したら℡の方から不意に「鋭いね」なんて言われた事がある、都内なんで方々 よく℡するんですゎ(汗)...
日経夕刊は、前はコンビニにも置いてたが、今は殆どコンビニにさえ置いてないようで(確認もできない為?)とても残念だ。
数作前の007、キューバの医療施設(ぁりゃコレまた共産主義?ゥフッ)。「海外に高度(超高度)な専門的医療受けに行く」、 なんと言ったっけかな、忘れて思い出せないが。「教育」「農業」”政治(行政)”と共に医療もまた(よい具合に!?) さまざま”崩壊”、してゆくってゆーその途上、なんではないか??、とそんな感じも少々(汗)m(_ _)m...堕ちよ生きよ、 坂口安吾、またいつものですいませんが(超汗)m(_ _)m...( なおちなみに先程の007のキューバ。治療に行ったのは ”北朝鮮の息子サン” ~ コレまた共産主義??? ~ でしたハィ^^;..... )
たまたま夕刊が残っていましたので、読みました。
この人、フランス文学者か。共感めいたものを覚えました。 金があるときは暇がない。暇があるときは金がない。 それよりも、その横の「ちょっとウンチク」の方が気になりました。 実質金利の理解不足。 物価が下がる時は、供給過多だから設備投資しないの。 実質金利が上がるから、設備投資をしないわけではない。 不動産価格が下がる時は、金利低下よりも不動産価格の推移を真剣にウオッチする。 流動性のわなとはなに? ノン日銀さんの引用は楽しみにしてます。
昭和の頃までは、旧制高校出の人たちが生き残っていて、エリートとはこういうものだという参照系階層を形成していました。
旧制高校の雰囲気は、夏目漱石の坊ちゃんや北杜夫のどくとるマンボウなどでよく分かります。 かつての医者が文学の素養があったのは、旧制高校の土壌があったからです 若い日本人が、大日本帝国を本質を知るためには、旧制高校の存在と歴史と人脈についての理解が絶対に必要です。
うちのじいちゃんは医者やりながら文化人やっています。
開業医は概して自営業ですから自分で時間を作ることができます。 ですから所得とは関係ないでしょう。 森鴎外(オウは口が3つ)はたしか軍医だったと思いますが、 これまた所得とは関係ないでしょう。 PKさんの言うマルクスの影響は無関係、旧制高校の影響は大いに関係でしょう。 なぜならば、ずっとずっとマルクスはエリート層を支配していましたから。 旧制高校の雰囲気は有名ですね。 NHKの大河ドラマに向けて坂の上の雲を読んでいますが、 秋山弟と正岡子規、その他文化人の交流は専門に進む前でしたね。
私の知りあいに、開業医やりながら音楽家やってたおじいちゃんがいました。モーツァルトの魔笛を戦後初めて京都のお寺で歌ったとか、デル・モナコのレッスンを受けたとか、ちょっとしたものですよ。あるいは眼科医の物知り爺さんは毎日メーリングリストでネタを書いてらっしゃいます。中国の古典から何から博覧強記で大したもんです。ご存知かもしれませんがヨーロッパには、家族でシューベルトの室内楽を弾くとか、その手の医者一家がいるところにはいます。鹿島茂はその辺を知っているから書けたんだと思います。まあ、実態はどうなのかはおいとくとして。
個人的感覚では、日経コラムの論理展開は途中までは正しいと思います。医者はインテリジェンスがあり途中から開業医などを中心に金と暇ができるから文化的な趣味を持ちやすい。更に言えばその子供も医者になるケースが多いので、そういう文化的な薫陶を受けたひとが医者になっている確率が高くなる。
ただ、(原文に当たっていないので申し訳ないですが)その後が論理がずいぶん飛躍しているようにおもえました。文化への関心が低くなったとしてもそれは医者や医療制度だけの問題ではない全体のレベルの問題だと思います。
うそ八百のトンデモ理論ですね。世の多くの美術館のたぐいが誰によって設立されたのでしょうか。文化に親しみ、自らそれを育て、表現もした人たちは、あらゆる職業人でもあったのです。文化的表現者は、弁護士もいりゃあ、ビジネスマンもいる。後私の高校の同窓の半分は医者達ですが、彼ら見てるとどうも文化の素養はないですねえ。もちろん、文化の素養がそもそも生きるに当たり不要である、という立場もあるのですが
******(あえて)引用****** 腹黒い人というのは、卑しいのである。志が高くないのである。人を平気で騙す。 だから、そういう政治家のいうことに決して騙されないことである。 ttp://www.liberal-shirakawa.net/tsurezuregusa/index.php?itemid=910 *********** 麻生総理の「志が高くない」かどうかは別として、「医者は非常識なのが多い」という麻生発言には否定できない面があります。 勉強ができて富や権力に憧れる者は東大法学部、上級職国家試験、司法試験をめざす。 勉強ができて法律のセンスがないものは、東大医学部を頂点とする富と名誉の保証された医者や医学部教授を目指す。これは、本当は志が高いとは言えない。 こういう人たちが担う「文化」とは何なのか、という反省も必要です。 「学習院大学」や「聖心女子大学」の方が、本当は、日本の最上流階級に近い。新上流階級の都知事だって慶応だ、府知事は早稲田だ。 かつては、自民党の政治家の後援会が日本の文化の担い手であったような時代がありました。まあ、日銀マンも志を高くもってほしいものです。 都知事は一ツ橋大学でした。
今の日本のエリートは孤独です。
米国でもフランスでも英国でもエリートの共同体があり、評価が存在する。 志の高いことをしても誰も褒めてくれない。低いことをしても誰も罰しない。 こうした日本の解体は、米国と左翼のやったことです。 今、「チェ・ゲバラ」が宣伝されていますね?米国の資本ですよ。 ローザ・ルクセンブルグだの、ああいうマルクス教使徒伝に夢中にならせることが、大事なことを学ばせない、植民地主義のコツなんです。 分断統治の手法と同様に。
>世の中、おかしな方向に流れているのだろうか。
最近感じることは、国民が様々なことについて余りに「感情的」「非論理的」「思い込み的」「清算主義的」な判断を下し正しい判断ができていないのでは?ということです、、、今はともかく、このままでは「おかしな方向に流れ」かねないとの懸念を持ちます、、、こうした国民、世論の「感情的」な判断こそが先の戦争を招いた真因ではないのかと、、、先の戦争の理由を「軍部の暴走」なるものだけで解消できるのかと。 で、今考えるべき問題は、いかにすれば、国民、世論が感情的な、非論理的な判断に走らないようになるのかとのことにあるように思われるのですが、、、 ひとつの「解答」?としては、少なくとも、国民は、マスコミ等から得られた情報、「事実」なるものの真偽検証の努力をし、検証された事実にのみ基づいて、論理的、理性的にものごとを考え、判断を下す、との姿勢を常に心がけること、、、これを広く国民の認識とすべきことだとも思われるのですが、、、
鹿島茂さんですね。古書蒐集に病膏肓で破産したこともあったかと。
『子どもより古書が大事と思いたい』なんて本も書いてますね。 この人が変なのは昔からです。 私もそのエッセイは読みましたが、「また言ってら」ぐらいにしか思いませんでした。
害債さんのいうように,部分的には正しい部分もあるのでしょう。しかし,こういう微妙な問題は本来はきちんと統計データを出す必要があり,また因果関係か相関関係かの区別も厳密でないといけませんから,ちょっとしたコラム向きではありませんね。
みなさん、多くのコメントを頂きありがとうございます。お医者さんの文化度が高い可能性があるとは思いますが、まあ何と言うか、はっきりしたデータもないことですし、こういう世の中でありますので、こういう特定の職業の方々を貴族化させた方がいいかのようなコラムはどうかな、と思った次第です。暇も金もないけど文化度の高い方も当然いらっしゃるわけで、お医者さんもこういう形でクローズアップされるのも居心地が悪いのではないかとも思います。
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