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キング総裁の質的緩和に関する言い回し
 イングランド銀行のキング総裁が20日の講演で、質的緩和について言及している。場所はこちら。質的緩和の手法について、キング総裁は「conventional unconventional measures」と「unconventional unconventional measures」の二段階に分けている。「従来考えられた非伝統的手段」と「従来は考えられなかった非伝統的手段」という分け方ですかね。分かりにくい言い回しである。
 まず、conventional unconventional measuresについては以下の説明。
「The conventional approach to such unconventional measures is to buy assets, such as government securities or gilts, which are traded in liquid markets to boost the supply of money. Provided the additional reserves are not simply hoarded by banks, as happened to some extent in Japan earlier in this decade, such asset purchases can increase the
supply of broad money and credit and the liquidity of private sector portfolios, raising spending. The effectiveness of this approach is likely to be enhanced by the clear commitment by the MPC to take the measures necessary to meet the inflation target in the medium term」
 具体的な手段は国債の買い入れ。日本の量的緩和も簡単に触れられており、文面だけでは、追加的リザーブ供給はある程度効果があった、という解釈のように思われる。
 次にunconventional unconventional measuresである。これは今回、政府から認められた社債とかの購入を指している。
 「In addition to these conventional unconventional measures there are also unconventional unconventional measures. When credit markets are dysfunctional, as some are at present, targeted purchases by the Bank of England of assets may improve liquidity in markets for those credit instruments. The objective of such purchases would be not only to boost the supply of broad money but also to increase liquidity and trading activity in the markets for those assets. A reduction in the illiquidity premium for a particular credit instrument might help to stimulate issuance by corporate borrowers and the resumption of capital
market flows, thus reducing reliance on bank lending. It could also raise the values of assets that are currently under-priced because of high illiquidity premia, helping to strengthen the balance sheets of banks and other financial institutions」
 バーナンキ議長が説明していたことと概ね重なる。市場流動性の改善、取引の活性化など市場機能の復活に役立つほか、売られ過ぎた資産価格の上昇や貸し出しなどマネーサプライに増加につながる、といったことなどである。
 英国は現在、ポンド安が進行しているが、通貨の下落が比較的穏やかな限りは、まだ利下げするのでしょう。ゼロまでやるかどうかは不明。ただ、トリプル安になると、英国は相当に苦しくなると思われる。金融財政の舵取り、これから厳しくなるだろう。
 
by bank.of.japan | 2009-01-28 23:28 | ユーロ | Comments(8)
Commented by ノン日銀 at 2009-01-29 10:41 x

要するに、企業にマネー・マーケットを活用させる。リーマン・ブラザーズのように再びハイテク金融を使いなさい。そうすれば、金融立国イギリスのシティはまた活況を呈しますよ、というのが狙いではないでしょうか。

日本はまだそういうレベルではなかったから、conventional unconventional measuresしかとれなかったという皮肉もあるかも知れません。

Commented by ノン日銀 at 2009-01-29 10:58 x

特に「Provided the additional reserves are not simply hoarded by banks, as happened to some extent in Japan earlier in this decade, ...」では、

日本はconventional unconventional measuresでも、銀行に資金が積まれただけだ、という皮肉が感じられます。
(原文の書き間違いか、解釈のミスでしょうか?)

Commented by Teddy at 2009-01-29 11:17 x
FT.comでは、あるバミューダのファンドが出資証券を「金建て」で恐らく初めて提供すると。
同ファンドのCEO談:「投資家は、主要な不換紙幣を取り巻くファンダメンタルズが悪化しているときに、それら紙幣に過度なエクスポージャーがあることを懸念」。

Commented by PK at 2009-01-29 12:05 x
デリバティブとか、エクスポージャーとか、和訳する努力をしたらどうか?
金融派生商品なんて馬鹿な和訳は困るが。
あれは金融関係保険だ
リスクは資産価格変動だ
Commented by Teddy at 2009-01-29 15:18 x
exposure:「さらされている」(こと)?
金融業界では、bank.of.japanさんのように英語と日本語を自由に行き来できる人が多いから。
昔ならさしずめ漢籍でしょうが、今は英語です。
水村美苗さんの最近の本はあれど。
Commented by bank.of.japan at 2009-01-29 22:01
ノン日銀さん、どうもです。そこまでの意味はなく、FRBもそうですが、金融機関が体力低下でリスクを取れず、クレジット市場が麻痺しているので、中銀が直接介入してマネーをパイパスさせようとしているのだと思います。日銀に触れたところは、最初はある程度ブタ積みされただけだ、という意味かと思ったのですが、違う意味のようにも取れました。

Teddyさん、どうもです。欧米ブログなど見ても、富裕層のマネーが金にシフトしているとの指摘は多いです。その延長で出てきた仕組みかもしれません。これはちょっと困ったものです。

PKさん、どうもです。適切な和訳は難しいです。
Commented by EURO SELLER at 2009-01-30 16:32 x
また,金が900ドルを越しましたね。前回と異なり原油とのタンデムではなく金の一人旅です。これだけ各国通貨・経済にダメージがあると変わらないものに人気が集まりますぁ。
Commented by bank.of.japan at 2009-01-31 23:12
EURO SELLERさん、どうもです。金買いが正解になってしまう経済情勢は空恐ろしいです。金上昇は不安です。
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