製造業のULC下げ止まりの根拠は
「工場の爆発事故が起きていることだ」と、ある日銀幹部は言った。
確かにこれは一理あるかもしれない。人件費を削ると、メンテナンスがおろそかになりやすいし、労働者のインセンティブも落ちる。結果的に安全対策への目配りが十分ではなく、工場の爆発事故が目立つことになる。生産性の上昇とは言っても、技術革新によるものではなく、人をより働かせることの影響が大きいなら、製造業の生産インフラは弱体化しているのかもしれない。
なお、非製造業のULCは「まだまだ下げ余地が大きいだろう」という。この点、工場の爆発ではないが、流通関係で運送業者にコストカットのしわ寄せがいけば、トラック事故が増えるような気がする。経済的にはULC低下は生産性の上昇となるわけだが、実生活においては身の危険が増すことになる。経済上の変化がどうのように家計に降りかかってくるか、所得ルート以外にも想像力をたくましくして考えなくてはならない。
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# by bank.of.japan | 2004-12-07 16:52 | Comments(11)
晩飯を買いに行くと日銀マンに良く逢うわけだが…
私は出不精というか習性というか何と言うか、飯は昼も夜もあまり食いには行かない。コンビニあたりで何か買ってきて席で食う(飲み会は除く)。特に晩飯を買いに出ると、日銀の人に良く会う。帰宅途中の人、連れ立って飯に行く人など、出会う状況はそれぞれだ。今日は二人に会った。一人は考査の人。声をかけたらそそくさと行ってしまった。私が嫌い?とふと思い、ちょっぴり気になる。そうしたらもう一人とばったり。政策委の人だった。彼にしては帰宅がやや早い。立ち話して別れたが、飲みに行きましょうか、と誘えばよかったかな、とやや後悔する。そしたら、前にも同じようなことがあり、そのときは飲みに行ったことを思い出しだ。結果は…、神田駅近くの居酒屋でべろべろになりました。帰宅は午前の2時か3時。私はめったにべろべろにならない。限界が来ると、飲むペースががくんと落ちるためだ。そのときは家に帰ってから吐きました(数年に一回しかない)。これを書いているのは、彼と飲みに行けば良かったとかなり激しく後悔していることに気がつくと同時に、吐く事態にならなくて少し安心した、という心の動揺があるからだ。直感的には、彼はだいぶ溜まっているものがあると思った。単に道で出会っただけでいろいろ思うのは変かもしれないが、それだけ日銀という組織はいろいろな事情が詰まっているところなのだと、勝手に解釈して、この文章を終わらせたい。
一体何を言いたいのか、とりとめがなくなった。すまん。
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# by bank.of.japan | 2004-12-07 00:36 | Comments(0)
日経金融=手探り改革の(下)が出た…
しょぼい。
これを読む限り、考査は間抜けに見える。頑張っているとの印象付けに失敗。
そして、記事上下を通じて発見したこと⇒
上の企画局問題では肝心の担当理事が見当たらない、
下では担当理事の顔写真があった。
これって役員クラスの微妙なパワーバランスの変化を感じさせるのだが…。
それが記事の狙いだったとすれば、かなり巧妙な人事抗争の道具になっている(または道具に利用されている)印象を受けるわけだが、まあそれは考え過ぎだろう。
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# by bank.of.japan | 2004-12-06 11:45 | Comments(0)
水野委員、デビュー=実務的量的緩和弊害論者
就任会見は無難。就任直前まで言っていた解除時期(来年春にも)は会見では触れなかったが、何かサジェストがあったのかもしれない。クレジットスプレッドのタイト化、不動産価格の上昇、仕組み債が良く売れる、など量的緩和の弊害をさすがに実務的な観点で指摘したが、これって低金利の弊害のような気が…。それにクレジットカーブのフラット化は、貸出のリスクリターンが正常化していないことも大きい。意味がないから量を減らす、ということは否定していた。低インフレ下の資産バブルを警戒する姿勢は山口前副総裁と同じ発想だが、金融政策で対処しないといけないバブルになるのか、ちょっと疑問。一応タカ派ということになるのだろうが、もう少し様子を見たい。
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# by bank.of.japan | 2004-12-03 22:55 | Comments(0)
本日の日経金融(日銀、手探りの内部改革)は…
問題の本質が分かっていない。
全般は「企画局」偏重の弊害論で、情報経路の変化を示す図表付き。
・まず、図表がおかしい。そもそも新日銀法の施行によって政策委員会方式が確立した時点で、企画局(当時企画室)は地盤沈下し、特に調査統計局の地位が向上した。従って、図表は6年前に起きたことを示している。
・前提として押さえるべきは、意思決定構造が速水体制から福井体制になって変わったこと。速水氏は信念の人として立派であったが、政策ロジックが弱く、事実上、山口副総裁以下の企画ラインが政策の主導権を発揮。ただし、量的緩和の導入に際しては、一部企画幹部が総裁をかつぎ、ロジック重視の山口派をねじ伏せるなど、変則的な企画主導となった。
・福井体制下はこれが一変。総裁トップダウンの政策運営となった。企画局は基本的には抵抗姿勢を押し切られる形となり、記事文中にある“「総裁-企画局」の政策方針”という表現は、「企画局が総裁に渋々従っている政策方針」が正しい。
・審議委員が企画局に不満めいた発言をみせているが、これは政策的には総裁の意向を受けて動かざるを得ない企画局への不満だと推測される。つまり、総裁への不満を企画にぶつけている側面があるように思える。
・マーケット情勢や経済実体について、企画ではなく、現局に聞くのはどうか。これは審議委員としてむしろ当たり前だろう。企画は各局から情報を吸い上げるが、これだけに満足する審議委員がおかしい。
・また、ある委員は「現場に近い担当者を呼んだ方が実態をつかめる」と言っているが、今の日銀の問題は現場に聞いても実態が掴みにくい、ということだ。なぜなら、圧倒的量的緩和でインタバンクは死んでおり、掴むべき実態がない。また、情報収集において、両ウイングとも全般にアナリスト的ないしリサーチ的なアプローチを取る傾向が強く、個別情報の収集力が弱体化している。昨年のVARショック時には、現場からの情報では何が起きているのかつかめないため、企画関係者が自ら情報収集に動いた形跡すらある。
・展望リポートの「余裕を持って」の下りは企画局の勇み足か。それはあり得ない。政策委の意向を無視し、企画局が勝手に意味不明の表現を挿入するのは想像を絶する。これは政策委または政策委の誰かから「時間的観念を示さずに解除がすぐではないことを表現しろ」などいった指示を受けて、企画局が考え出した表現ではないのか。従って、表現方法がいまいち、という点では企画局にバツが付くが、根本的には指示が愚かであったと見なすべき。
・企画への配属を断わった調統の若手は何を意味するのか。一般的に企画局は腐っても鯛であり、現にエリートが多い。現実には行けと言われれば喜ぶ人間が多いはずだ。研究・分析が大好き、いずれは外に出てもいい、という人間は興味を示さないかもしれないし、こんな滅茶苦茶な政策の企画などやりたくないという骨のある奴も居るかもしれないが、いずれも稀な例であろう。

<まとめ>
さまざまな俗人的不満が組織論にすりかわったような印象

なお、日銀組織論は今後もちょこちょこ取り上げたい。
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# by bank.of.japan | 2004-12-03 12:15 | Comments(2)
財務省のスワップ取引、どーする日銀?
ついに来年度下期からスワップ取引が始まる。私は当初、かなり酷評したたため、怒りを買ってしまいました(笑)。それでもめげずに本業でもネタにし続けております。
問題は、誰が取引事務を執行するのか。財務省自前、または日銀の可能性も高い。
日銀関係各局の表面的な反応。「分からない」、「知らない」、「さあー」。
本音は「こんなバカなこと、やりたくない」に集約される。
依頼がきたとき、突っぱねられるか。
頑張れ、日銀。
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# by bank.of.japan | 2004-12-02 17:32 | Comments(2)
日銀の微妙な対話姿勢の変化を歓迎したい件
 この姿勢変化は非常に微妙なものであり、私の勘違いかもしれないが、日銀関係者の付き合い方が柔らかくなった感触がある。具体的なシチュエーションとして何がどうなったのかを書くのは難しいが、一般的な言い方をすると、まあ人付き合いが多少良くなった、ということだ。職務規定の運用を柔軟化させる組織的な決定を行ったのかどうかは分からないが、かつてのような極端に厳格な運用は後退した印象を受ける。というか、やっと普通になってきた、ということなのだが。
 規定運用を過度に厳しくすると、学生時代の同期や古い友人らと飲み会をやろうと思っても、その中に取引先が一人でも居ると、参加できないという漫画みたいなことになり、それに近い例を実際聞いたこともある。もちろん、職務規定の運用は部局によって濃淡はあり、個人によっても温度差はあるかもしれないが、全般的な柔軟化は最近の日銀にしては珍しく評価したい出来事だと思っている。
 政策判断は確かに重要だが、付き合いを普通に持っていくという判断の方がはるかに価値があると思う。その効果はすぐには表れないかもしれないが、中長期的には市場との対話に生かされるのではないかと期待している。特にプルーデンス系の「俺が教えてやる」、「お勉強しました」路線は見ていられないものがあり、早い正常化が望まれる。
 滅多に誉めないので、照れるものがあるなあ、この文章は。私の勘違いなら笑い飛ばしてください。
 
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# by bank.of.japan | 2004-12-01 12:45 | Comments(4)
「量」から「質」の介入に転換とは
日経5面の囲み記事
要は、前財務官の介入が異常であり、
普通の介入姿勢に戻っただけではないのか。
歴代財務官の系譜は二派あるとみられ、
現在はまとな(と私は思う)方になったと見ている。
ただ、介入の多寡は米国およびマーケット次第。
悲しいかな、財務官の資質の違いは介入の受動的側面を考えると
誤差の範囲内かもしれない。
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# by bank.of.japan | 2004-12-01 11:39 | Comments(0)
ムーディーズの格付けで
メガバンクはJGBを上回った。
そこで金融機関の方々にお願い、

金融庁検査や日銀考査がやってきたら
「格下から検査・考査される理由はない」
「むしろ債権者としてわれわれが審査するのが筋だ」
「格上げするまできていただく必要はない」
と言って欲しい

資金ディーラーの方々へ
日銀の売手が入ったら
「ラインフルで~す♪」
と言って欲しい

気分爽快となるはず、無理だろうが。
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# by bank.of.japan | 2004-11-30 11:04 | Comments(2)
欧州便り
知り合いのディーラー(石川さん)の欧州便り

デンマークの生活より
 いつもデンマークの悪いところばかり言っていますが、どうもこれはデンマークというより欧州の問題かな、という気がしてきました。
 木曜日に息子2人が通う学校の教科担任との個人面談があるというので、予約を取っておりました。当然、仕事がある日なので夕方6時以降を希望しました。しかし、
『数学 16:30-16:40, 社会 16:40-16:50, 英語 16:50-19:00』
と書いてあり、最後の所が書き間違いで、結局外人の先生に夕方の遅い時間をお願いしても無理なのだろうと解釈しました。
 そして、学校へ行って見ると最初の先生がいません。いつもの欧州だな、と思っていると、通りかかった先生が、
「あ、これは僕の字だ。あ、18と書くところを16と書いちゃった」
ザーけんじゃねー。という気力も起きませんが、しかし、あの“自分が専門としないことは、とにかく物事を適当にやってしまう姿勢”には、驚きを越えて興味を覚えます。2時間後にもう一度学校に行きました。
 何が原因でそうなるのか。私はやはり学校教育が問題で、一定レベルの読み書きの能力をつけるなど、日本などアジアで重要視されることが、欧州では軽視されているのだな、と感じます。あるいは、後進国であったアジアは社会の発展のために識字率を上げるなどの努力をしなければならなかったので今だにそのくせが抜けず、欧州は先進国であったために、その余裕を楽しんでいる、という解釈も可能かもしれません。
 いずれは亀がウサギを追い越す時がくるでしょう
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# by bank.of.japan | 2004-11-29 11:35 | 欧州便り | Comments(0)


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