日銀通りの怪しい商法
数年前、日銀通りを帰る途中、「すいませえん」と呼び止められた。バンに乗った男だった。道でも迷ったのか、と思って近づくと、「売れ残りの商品ですけど、もらってくれませんか」と何やら小箱を差し出す。その差し出し方が余りにも絶妙だったため、思わず小箱を手に取りそうになったが、絶妙さに何か引っかかるものがあり、バン内部から発せられるある種の負のオーラのようなものを瞬間的に感じ取り、「いらない」と言って立ち去った。
 話は終わらない。今年の前半(去年のような気もするが)、また日銀通りで遭遇したのである。もちろん、数年前のことをすぐ思い出し、今度は無視した。今でも気になるのは、「もらってくれ」と言われた物を手にした後、どのような口上が続くのか、ということだ。中味が何なのかも興味がある。時計といった宝飾品だろうか。「売れ残り一杯あるんですけど、これ全部をいくらいくらで引き取ってもらえないか」といった方向に話は展開すると推測されるのだが…。何商法なのか、ご存知の方、ご教授を。
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# by bank.of.japan | 2004-11-22 21:14 | Comments(3)
前FSAのデービスの指摘でちょっと考察
日経金融で英FSAの前理事長、ハワード・デービスがメガバンク復活が本物かどうかに疑問を投げかけている。同調するところは大きいが、コスト削減が甘い、との指摘は考察が必要だ。もちろん、コスト削減余地が大きいのは確かで、それはきっちりやらないといけない。問題は、コストを減らしたからと言って銀行の収益性が劇的に改善するわけではない、ことだ。ざっくり計算で恐縮だが、全銀全体の業務純益が10兆円として、人件費をゼロにしても業務純益は2-3兆円しか増えないだろう。欧米並みの預貸利鞘を確保するには業純を倍以上にしないといけない。収益性向上の面ではコスト削減の効果は知れているわけだ。貸し出し金利が低い意味を本質的に考えていかないと、やたらコスト削減方向にバイアスがかかり、銀行員は「ボランティア」になっていく。別に銀行員の味方をするわけではないが、銀行が儲けられない責任は現場にあるのではなく、経営、行政、マクロ構造に起因すると思われる。
 ときどき銀行の支店にいくが、誰もサボっていない、視界に入る行員の多くは忙しそうだ。しかし、待ち時間は長い。これに対し、欧米商業銀行の窓口(私が海外にいたとき)。待ち時間は長いが、空いている窓口は少なく、しかもテラーはちんたら(札勘が遅い)し、ときどき手を止めておしゃべりに興じるやつもいる。少なくとも前線において、邦銀はまともだと思う。
 どこぞの銀行では、行員に立って仕事をやらせ、お辞儀の仕方を学ばせていた。そういう報道がしばらく前にあった。行員が座って仕事していたから経営が悪化したのか、お辞儀の角度が足りんかったから、経営が悪化したのか。と、問い詰めたくなった私はおかしいのだろうか。再度言うが、銀行員の味方をする気はさらさらないが、金融改革を進めるなら、もう少し現状分析と実務の積み上げをきっちりやった方がいい。
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# by bank.of.japan | 2004-11-22 14:15 | Comments(0)
欧州便りの紹介
知り合いの為替ディーラーで石川さんという方がいる。今は欧大陸(デンマーク)で仕事をしており、日本の顧客向けに市況メールを送っている。グローバルな情報共有は容易にはなっているが、メディアを通じたものはどうも予定調和的で、やはり現場の視点は貴重だ。その意味でメールは重宝しているのだが、それにも増して彼がときたま書くコラム「デンマークの生活より」が面白い。もったいないので、ここでも適宜紹介したい。石川さん、掲載許可ありがとうございます。
 通貨統合の進展・ユーロ圏の拡張など欧州経済も変革が激しいとのイメージを抱くが、実際に生活してどうなのだろうか。まずは過去に頂いたものから。

今年3月のメールより。

「肩こりが激しくて、中国人が経営している鍼に行ってきました。
 その先生は日本に長く住んでいたらしく日本語が恐ろしく上手です。先生曰く、
『コンピューターの使いすぎのストレスです。アジア人はストレスに強いので、自分で意識しないのですが、デンマーク人なんて、ストレスに弱いから、自分の70歳以上にもなる親が死んだら一週間も動けないんですよ』
 デンマークは家族の結びつきが強いところですので、それ自体は悪いことだとも思いませんが、確かに一週間も動けないとなると、それを認めなければならないかも知れません。
 しかし、ストレスというものに無縁であると思っていた私自身がそう言う言葉を突きつけられると、確かにアジア人は体を酷使しているだろうな、と思います。とか言いながら、やはり心のどこかで、ストレスが原因とは思っていませんが。
 皆さんも、お体に気をつけて、又、今週も60時間位は働きましょう。
 デンマークでは、労働組合との合意により週37時間が限度と決まっているそうですが」

週37時間労働で、ストレスに弱いデンマーク人。東欧に広がるユーロ圏の衝撃に耐えられるのかなあ…。
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# by bank.of.japan | 2004-11-22 11:33 | 欧州便り | Comments(0)
おっ、102円台だ
100円割れても介入しなかったら立派、ドルの自律反発を待てばなお立派。調節課は残念がるだろうが、外国為替平衡操作担当総括(だったっけ?)の腕の見せ所。まあ、財務省次第なんだが。
 私の大先輩記者いわく、「今の財務官は誰だっけ、渡辺君かあ。あいつはまともだぞー」と。そう、バカな介入はもうないですよ。みなさん、安心しましょー。先輩を信じて。
 WBSの解説者、昔は「日銀、何でもやれ」っていうスタンスだったのに、円高では妙に普通のコメント。「これは非不胎化介入が必要ですね」とマジ顔で言って欲しかった。笑ってやったのに、惜しい…。
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# by bank.of.japan | 2004-11-20 00:06 | Comments(0)
日銀と中央公論のパート化論
パート化に関するちょっとまじめな考察。中央公論(12月号)に「階層社会は目前か」との特集が掲載された。パートなど非正規雇用の拡大は、所得格差が開き、正社員から外れた身にはつらい。庶民感覚とすれば、パート化の進展はネガティブだ。この点、日銀は7月の論文「雇用形態の多様化とその影響」で、 厳しい側面を認める一方、「新たな雇用促進」、「労働市場の機能向上」などのメリットを挙げている。この見方は甘いのではないか。
中央公論誌の「希望格差社会の到来」(山田昌弘)は、努力しても希望が見えない質的格差の問題を指摘するが、説得力はある。また、富士通の能力主義がもたらした弊害を指摘する「平等、安定を捨てた日本型企業の迷走」(城繁幸)も、若年層に向かって過酷さを増す労働環境の実情を鋭く突く。90年代を通じた景気循環において、回復局面の体感が薄れつつある背景は、統計が示す回復の裏側で、回復を享受する組、しない組のアンバランスが急拡大することを示しているように思う。
10年以上前、私はたまたま海外駐在し、現地の邦人ディーラーの親睦会に参加していた。当時のメンバーはちりぎりになり、数十人のうち、取材先に残るのは2-3人で、邦銀・邦証を辞めた多くの人生は厳しいものであった。強運に恵まれるか、傑出した技能がない限り、生き残りは難しい。今後、若年層ではチャンスがないから起業する、という例が増えよう。ただ、起業は多産多死。その意味では同誌での山本一郎氏が寄稿文で、敢えてバブル多発的環境を逆手に取り、改革を進めながらそれをうまく利用すべしとの主張は一考に価する。
日銀はユニットレーバーコスト(ULC)の上昇を本格的なデフレ脱却の鍵と位置付けるが、中央公論の特集に同調する私としては、ULC上昇はちょっと絶望的なんじゃない、と思うわけだ。こんな真面目モードの話も書きますんで、今後ともよろしく。
 
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# by bank.of.japan | 2004-11-19 20:12 | Comments(3)
玄人のサイト
このサイトはかなり玄人。銀行・日銀関係者必見かも。
銀行事情にかなり詳しい方のようだ。全体観もしっくりくる。

http://slashdot.jp/~von_yosukeyan/journal/

ブログが今は停止のようで、最近は上記ホームページに活動がシフト。
なおブログアドレスは以下の通り。
http://d.hatena.ne.jp/von_yosukeyan/
「反資本主義活動等非常取締委員会」というタイトルはいい。
金融社会主義化抵抗運動→反チェーカー委員会と受け止める。
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# by bank.of.japan | 2004-11-19 14:39 | Comments(0)
替え歌の新作
替え歌の新作到着。ある金融機関のエコミストである作者さん、ありがとうございます。さっそく紹介させていただきます。
下はガッチャマン、上は… 歌は知ってるが、題名ド忘れ。 青春時代だった!


日銀政策委員会審議委員のみなさま。
さん、はい
♪景気回復の、半年で、答えをだせと、言うけれどぉ、
インフレまでの歳月を、なんではかれば、いいのだろう、
景気回復が、夢なんて、あとから、ほのぼの思うもの、
デフレ時代の、真ん中は、道に迷って、いるばかり♪


政府・日銀・銀行のみなさま。
さん、はい
♪誰だ、誰だ、誰だぁ、不良債権、隠すやつ、黒い腹した、銀行経営者、
命をかけて先送れば、科学忍法、デット・エクイティ・スワップ、
飛べ、飛べ飛べ、不良債権、行け、行け行け株価、
金融はひとつ、財政とひとつ、おぉ、ニッポン、ニッポン♪
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# by bank.of.japan | 2004-11-18 18:55 | 替え歌 | Comments(0)
日銀月報=ダム論が消滅した
「前向き循環の明確化」が削除される。ダム論、またしても消滅。2000年の軌跡と重なるなら半年後は…。
ある市場関係者が考えた記事タイトル、「ダム論は二度死ぬ」、「二度あることは三度ある、ダム論の消滅」、「三度目の正直でダム論成就」。みなさんはいかがでしょうか。
ダム論消滅はいいとして、このままいくと、私は現役の間にまともな「利上げ」を経験しないことになる。それはある意味では悲しいことだ。

あっ!さっそくコメントきた。これは傑作、もったいないのでここに紹介

胸突き八丁さんより
=「ダム論」ではなく、「ムダ論」かもしれませんね
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# by bank.of.japan | 2004-11-18 17:31 | Comments(3)
決定会合は
現状維持でしょう?

現状維持でした。
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# by bank.of.japan | 2004-11-18 11:30 | Comments(3)
ドリームチーム
日銀にはときに「ドリームチーム」と呼ばれる集団が発足する。過去の典型例は、日銀法改正を手掛けたチームだ。超優秀な人材が集まるからだが、それに近いチームが現在、存在する。政策委員会室の組織改革を担うラインだ。ヘッドは米国から帰ってきたばかりのA氏で、その下の人材は各年次のエース。そして、このラインナップは2-3年前の企画一課とほぼ等しい。さて、ここから何を思うか。記者は多かれ少なかれ常に他社のスクープに怯え、不安にさいなまれて猜疑的になりやすい、と仮定したうえで、このラインナップを眺めると、「影の企画ではないのか」と妄想してしまうわけだ。量的緩和の解除を担当する総裁直属チーム? まさか、考えすぎだよ、と自問自答する私は頭が変ですか。ハイ、やっぱり、変ですか。ここで空想は止めます…。 あっ、電話だ。15分経過。電話終わり。空想再開、なぜか。電話してきたエコノミストいわく、「そのAさん、量的緩和を導入したときのAさんじゃない?解除条件書き換える可能性があると思っているけど、書き換えするなら条件決めた人が適役だよなあ」。 もしかして二人揃って頭が変?
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# by bank.of.japan | 2004-11-17 20:46 | Comments(6)


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