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0.3は泣ける数字でした=チームQ、転んだ谷口?
 既に下のエントリーで本日の利下げについてのコメント頂いており、重複するところあるかもしれませんが、とりあえず雑感を。コメントには余裕ができた後に対応します。

・これは各方面から批判される結果。下げ幅足りないとか、市場機能的には付利おかしいとか、遅いとか、政府の圧力に屈したとか。
・4対4の票決 最初は利下げ反対4人と思ったが、下げ幅の分裂ですね。マーケットは混乱したようです。発表方法にはもう少し工夫が必要だったかも。
・付利逃げ、一人いましたね(教科書的正攻法・玄人受けした)。
・0.05%の幅は果たして票が割れるほどの争点なのだろうか…
・緩和効果と市場機能のバランス論がどうもかみ合わない→0.25%にして付利やめる、が素直かも。
・インタバンク的には金利うんぬんより担保拡充をやって欲しいでしょうね。
・付利を金融緩和だと思っているメディアが意外にいたりして驚いた。
・政策金利を0.3という今までにない数字にしてのかわし方(意表の突き方)があるのはちょっぴり新鮮。そしてちょっと泣ける。
・金融政策は「恥のかき捨て」とか、「策士、策に溺れる」とかの見出しを考えついた。
・久々に怒涛のエンタメを味わった。これだからBOJウォッチは…。

総評 チームQ、本格始動したら…、靴の脱げた谷口選手っぽい。

個人的な思い→今後の政策運営、相当に腹をくくった方が良いと思う。どこまで追い込まれ、その追い込みに耐えられるのか。本当に耐え切れるのか。耐え切れない場合もあるだろう。そのときにどこまでやるのか。これは想像力の問題。人間誰しも自分が負ける姿は想像しにくい。しかし、想像はした方がいいかもしれない。表面上はどう言おうと、心の中での覚悟は必要かも。戦闘序列を崩さずにどこまで後退するのか。前線突破され、壊走的な敗北を重ねるのは避けなければならないと思う。
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by bank.of.japan | 2008-10-31 23:01 | 日銀 | Comments(38)
付利ふりふりふり、のいろいろな論点
付利(ふり)でいろいろなことを思った。
・付利して何もしなければ…
 付利して何かやったフリをする。既に一部で言われておりますが「フリ逃げ」。
・利下げして付利すれば…
 意味が分からない。付利を言い出したとき、利下げするつもりはなかった。ところが利下げの圧力が高まった。利下げしたいけど、付利がじゃまでしようがない。これは将棋に例えると、歩を打ったら、この歩が邪魔でしようがない、という状況であろうか。私は将棋をやらないので、この例えが正しいかどうか分からない。ご教示を。
 またはスーパーナローコリドーでの曲芸調節の実演?
・利下げして付利は見送る…
 かっこ悪い。
・付利を軍事作戦に例えると…
 戦闘部隊(調節部署)が前線(誘導目標)を維持できないことを見越して、作戦本部(企画部署)が前線背後に城壁を構築しようとしているかのようだ。世界屈指の戦闘部隊が全滅するほどの金融危機を予見している?→この場合は素直に前線の後退(利下げ)ではないのだろうか。ゼロは究極の防衛ラインです。絶対国防圏。

 山口副総裁の誕生で日銀版「チームQ」が完成。本格始動したら心臓破りの坂に直面した感じですかね。日銀教科書的には「フリ逃げ」が正攻法になると解釈したが…。作戦参謀殿、いかがでしょうか。
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by bank.of.japan | 2008-10-29 21:07 | 日銀 | Comments(33)
雑感を幾つか
 山口広秀理事が副総裁に就任。白川総裁の右腕的な人物であったので、日銀的には理想のコンビネーションでありましょう。内部管理担当を担う副総裁がいなかったので、機能的には格好の人材が昇格した。まあ、白川・山口のコンビで正副総裁になる可能性は、競馬連勝単式の百万馬券に匹敵します。驚きました。数奇な運命でしたね。物語にしたいぐらいだ。

 マーケットはとりあえず反転。トリガーの法則が当たった感じである。この法則、まだ下があれば嫌なのだが。当たらないで欲しい。株はもう大底に近い気もするが、どうなんでしょう。甘過ぎるのだろうか。

 もうすぐ決定会合。とりあえず準備預金に付利はするとして、何が出てくるのか。まあ、結果をみてみましょう。

 理事ポストが一つ空いた。いろいろシナリオは考えられますが、どうなるのでしょう。どのシナリオになるのか楽しみである。

 いろいろ立て込み、雑感的なものしかアップできない状況です。あしからず。
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by bank.of.japan | 2008-10-28 23:42 | マーケット | Comments(8)
これは総理に座布団でありましょう…
 この頃はあまりウォッチしていないが、麻生氏の突っ込みは好きである。突っ込まれる立場としては居たたまれないが、でも第三者としては痛快です。ブログ巡回していたら、高級店がどうしかこうしたで話題になっていた。話題になった突っ込みの詳細は産経ニュースの以下が一番詳しいようだ。
【麻生首相ぶらさがり詳報】「ホテルのバーは安全で安い」(22日昼)
一部、かいつまんで紹介します。
ーーーーーー
記者 夜の会合に連日行っていて、一晩で何万もするような高級店に行っているが、それは庶民の感覚とはかけ離れていると思う。首相はどのように考えるか
総理「庶民っていう定義を使うのが北海道新聞よく使われるのですか。僕は少なくともこれまでホテルというものが一番多いと思いますけども。あなたは今、高級料亭、毎晩みたいな話で作り替えてますけど、それは違うだろうが」
記者 あの高級…
総理 「そういう言い方を引っかけるような言い方やめろって。もうちょっと事実だけ言え。事実だけ。ずーっと、日程だけでも言えるから」

記者 首相は批判があることについてはどう考えるか
総理 「僕はこれまでもずーっと、あの少なくともホテルというところは安いとこだと思ってますね。正直言って、たくさんの人と会うときにホテルのバーっていうのは、安全で安いとこだという意識がぼくにはあります。正直なところです。事実その、どれが安いかどれが高いかと言われると別ですよ。だけどちょっと聞きますけど。例えば安いとこ行ったとしますよ。周りに30人の新聞記者いるのよ。あなた含めて。警察官もいるのよ。営業妨害って言われたら、なんと答える?あなたのおかげで営業妨害ですって言われたら、新聞社として私たちの権利ですっていって、それずーっと立って店の妨害をして平気ですか?今、聞いてんだよ。答えろ。フ、フ、フ、フ、フ」
記者 私が伺いたいのは…
「いや、俺の質問に答えてくれ。俺、それ答えてんだから。今、今度俺が質問してる。平気ですか?」
記者 われわれは営業妨害はしないように取材している
総理 「してるって。現実にはしてるって言われているから、俺。だからうちはこねーでくれって。ホテルが一番言われないんですよ」
記者 なるほど
ーーーーーー
全部ご覧になることをお奨めします。

麻生さんの突っ込み、きついけれども座布団上げたい。
多くの人がどう思うのか良く分からないが、私は首相がどこでだれと、本物の超高級店をはしごしようと何とも思わない。首相がコンビニの前で、例えばうんこ座りして偉い人達と会談でもすればよいのだろうか。本日の日経春秋もそうだが、根底には格差問題があるのだろうが、この問題をねたみそねみを煽る形でネタにするのは、むしろ読者離れを招くように思う。

まあ、こんなネタが取り上げられる間に、世界市場は第何波目かのメルトダウンを演じており、ユーロバブルは砕け散りつつある。ということで金融の世界に戻ります。
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by bank.of.japan | 2008-10-24 21:40 | マスコミ | Comments(26)
売手仲間が増えた=スウェーデンやスイスも(追記 イギリスも追随)
 準備預金付利の一連のエントリーに関連して、複数の日銀幹部からスウェーデン、スイスなどが「売手(売出手形)」に相当する吸収手段を導入した、と知らされた。うかつでありました。このところ各国中銀の対応をよく見ていなかったので見逃していた。
スイス中銀は10月15日に以下のステートメントを出していた。
Swiss National Bank issuing SNB Bills to steer money market liquidity
こちらです。
「The Swiss National Bank plans to issue its own bills (SNB Bills) on a regular basis. SNB Bills will supplement the SNB’s ordinary monetary policy instruments and ensure that liquidity in the money market can be steered more flexibly. This instrument will serve to absorb liquidity, thereby neutralising the monetary policy impact of measures to inject liquidity」とのことです。
スウェーデン中銀は10月10日に「Riksbank issues Riksbank Certificates」との声明を出しておりました(こちらです)。
「The Riksbank has decided to issue Riksbank Certificates starting on Tuesday, 14 October. The certificates will have a time to maturity of seven days. Issues of the new certificate will be made every Tuesday until further notice. The interest on the certificate will be fixed and equal to the repo rate. ”This is a step in the Riksbank’s ongoing actions to assist the smooth functioning of the Swedish financial markets," says First Deputy Governor Irma Rosenberg」です。
ご興味ある方は直接ステートメントをご覧ください。
 イングランド銀行も導入するとの話を聞いたが、このステートメントでははっきり分からない。どなたかご存知あればご教示お願いします。
 まあ、箸使いが増えたことは各国の金融調節の日銀化が進行しているわけだが、これはインタバンクが危機的になった証左であるので、売手使いの中銀増殖は不幸なことである。
 ちなみに流動性危機が完全に沈静化すれば売手みたいな手段は不要となりそう。でも、日銀は止められない。なぜなら銀行券・財政要因の振れが大きく、これを均すうえで売手が必要だから。マラソンに例えると、各国中銀は普段は平地を走っていたが、いきなりクロカンに突入。日銀は普段からクロカン状態で、これが今はやや山岳走に近い状態(でもまあ平気でこなしている)。平時に戻ると、各国はまた平地マラソンに戻るが、日銀は平時がクロカンなので馬車馬調節続きます。ご苦労さんです。

追記 イングランド銀行も追随しておりました。6日発表です。ステートメントの冒頭は以下の通り。

SCREEN ANNOUNCEMENT

BANK OF ENGLAND OPEN MARKET OPERATIONS TO DRAIN RESERVES

「As part of its monetary operations, the Bank of England is today announcing that it is preparing to conduct open market operations (OMOs) to drain surplus reserves through the sale of Bank of England sterling bills.」

ホームページのかなり奥まった部分にあり、普通に探したら見つからない。SCREEN ANNOUNCEMENTとあるが、これはマーケット向けアナウンスで済ませたみたいである。ひっそりと導入された感じ。ちょっと恥ずかしいのであろうか。
場所はこちら
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by bank.of.japan | 2008-10-22 21:08 | 日銀 | Comments(11)
下のエントリーの続き=若干の技術的解説
 下のエントリーでkamakuraさんなどから以下の質問を頂いた。若干の技術的解説を行います。
「政策金利を変えないままの量的緩和ってどの程度の意味があるものなのでしょうか」
→金融政策的には意味はないです。ただ、準備預金に付利して資金吸収の機能を担わせ、これで潤沢に資金を供給すると、売手で吸収しきれない余剰資金は付利された準備預金に流れ込み、「銀行券」と「当座預金(準備預金が大半)」の合計であるマネタリーベースは増大する。潤沢供給するとマネタリーベースが増大するので、(金利はプラスなのに)量的緩和をやっているように見える、というだけの話。付利部分の準備預金はマネタリーベースの定義から外す、というのが正しい統計処理かもしれない。
 本物の量的緩和はゼロ金利下で付利のない準備預金が増えること。ちなみに当座預金は「準備預金」と「その他」の合計。ちょっと分かりにくいが、これは日銀に当座預金を持つ金融機関が幅広いため。本当は、準備預金制度の対象となる金融機関(=銀行)だけが当座預金を持てば、準備預金残高=当座預金残高となるのだが、実際には同制度対象外の証券会社や短資会社などが当座預金を持っている。日銀が量的緩和で準備預金でなく当座預金の残高をターゲットにしたのは、短資会社要因など特殊な事情もあって準備預金のみの残高を操作するのが難しかったため。

route138さんからは以下の質問があった。
「準備預金に付利することで当座預金にお金が集まり、それを元手に資金の不足している外銀などへの資金供給がしやすくなるーーといった説は正しいのか」
 結論から言えば、正しくはないです。正確には、金が不足する外銀にも十分に行き渡るようにバンバン資金を供給したい。でも、あんまりバンバンやると、売手でも吸収しきれずに金利が過度に下がる可能性がある。そこで準備預金に付利して吸収機能を持たせ、付利した金利水準が自動的に下限金利になるようにした。これによって金利が過度に下がることを気にせずに、資金が不足する外銀にも十分に金が回るようにバンバン資金を出せるようになった、というのが実際のところであろうと思います。新聞向けにはこの説明、難しいですね。まあ、金融に興味ない何百万人の読者には知らなくても済む話ではあります。
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by bank.of.japan | 2008-10-20 21:43 | 日銀 | Comments(16)
準備預金付利の論点整理=個人的なメモとして
・付利の仕方
 所要準備への付利はしてもしなくてもよい。準備預金制度対象行は金利が付こうが付くまいが一定の準備預金(所要)を積む必要がある。所要準備への付利は、市場金利の下限にはならない(はずですよね、違ったらご指摘を)。従って所要準備の付利は対象行の負担軽減、即ち金利操作に協力する銀行への御礼みたいなものか。
 市場金利の下限を形成するには、超過準備に付利する必要がある。インタバンクで余ったお金は市中金利と超過準備の金利の高い方を選好。この結果、超過準備の付利がインタバンク金利の下限を形成する。
・政策的インプリケーション
 基本的にはない。あくまでも調節上のテクニカルな対応。金利の過度な低下を気にせず、バンバン金を打ち込めるための措置。売手の負担が軽くなる。見かけ上、マネタリーベースが増大するので金利付き量的緩和をやっているイメージもあるが、この点は日銀は強調しないだろう(今はゼミ的ですので)。
 一方、うがった見方だが、極めて低い金利水準なのに下限金利を設けてコリドー体系を構築するのは、当面の間は一段の利下げはやりたくない、という印象を受ける。付利水準が0.25%だとした場合、政策金利(現在0.5%)を0.25%下げると、下限金利はゼロ近傍。付利してすぐに付利止める、みたいなことはしたくないのだろうと思った。
・その他雑感
 売手で勝負を続けるのも美学であろうと思う。吸収が安易になると、調節職人としての腕が落ちるのではないか。オペが一流でなかったら、取り得がなくなる気もする(苦笑)。
どうして今、コリドーなのか。
FRBが導入し、取り残されたような気がしたから?
中央銀行のファッションとして追いつきたかったから?
供給と売手の両方を使って裁定されるのが嫌だったから?
この状況だったら納付金が減って付利を嫌がる財務省主計の抵抗を突破できるから?
まあ、いろいろ考えてしまいますね。

個人的には、和服が似合うんだから、無理に洋服着ることはない、という気もする。いっそのこと売手止めますかね。機械的吸収スキームがあるのに売手があると、ちょんまげで洋服という違和感あり。
 売手って、先進国では非常に珍しい吸収手段で、日銀はちょっと気恥ずかしいのかしら。アジアの中銀とか、なんで先進国日本の中銀が途上国っぽい吸収やるのか不思議に思うようでもある。ナイフ&フォークの食事会で、一人だけ箸使ってる気分かなあ。これも味があっていいと思うが。スープ、音立てて飲んでもいい。
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by bank.of.japan | 2008-10-17 22:48 | 日銀 | Comments(21)
臨時会合、副総裁人事、スワップ協定など=まとめて雑感
市場安定化策の臨時会合結果について
・国債現先の担保に物国など加えた件→既に資金関係者から効果が疑問視されているが、まあ私もこの意味は良く分からない。もともと物国などは共通担保に入っており、国債現先に入れる必要があったのかどうか。輪番対象にしたくなかったので、国債現先の方でお茶を濁した感あり。
・銀行バックアップライン付きABCPを適格担保にした件→これが一番踏み込んだ策のように思われる。金融機関債務は担保にしないという方針をやや超えた感あり。
・CPオペ積極化の件→これはお約束ですね。私にも分かるぐらいのイージー策でありました。山口理事の記者レクで、やるんでしょ、と思わず聞いてしまったぐらいです。すいませんね。でも、CPオペ止めなくて本当に良かったね。金融危機を予見してこのオペ温存したなら本当に凄い。実際は怠慢の功名?
・全般、枯れ木も山の賑わい、ですかね。まあ、日銀のお家芸ですが…。問題は枯れ木もあまりストックがないことでしょうか。
 ところで変国は「変な国債」という印象が強いのだが、どうでしょうか。

副総裁人事
 人事案が出るというのを聞いたとき、直感的に山口理事ではないかと思った。笑われるのを承知で日銀の何人かに直感を告げた。その通りになったので少し気分が良い。感想はまた正式になったときにでも。

スワップ協定が日銀B/Sに与える変化
 下のエントリーのコメントでも頂いたスワップ協定がFRBの円預金として負債になる件だが、これは営業毎旬報告でも確認される。ドル供給は資産側では外国為替が増える。一方、負債側では「その他預金」が増大する。これは外国中央銀行による円預金の増大、すなわちドルを借りる担保として出した円資金がFRBの預金として負債計上される構図であります。世界各国中銀がドル供給で協調すると、それぞれ両建てでバランスシートが一斉&絶賛拡大中と相成る状況。無制限供給すると無制限拡大です。壮観です。
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by bank.of.japan | 2008-10-15 23:19 | 日銀 | Comments(21)
この世界的大調整の捉え方=人それぞれであろうが…
 G7が終わった。金融危機を払しょくするには力不足との印象もあるが、各国とも足並みが揃うかは別にして、金融システムの崩壊を防ぐ手立てはそれなりに講じる構えにはあるので、マーケットの悲観暴走も徐々に終息していくと期待したい。もっとも言わずもがなだが、マクロ経済の悪化はこれからで、その深さと期間は見通し難い。また、通常の不況が深くなるだけなのか、最終的にドルを機軸とする管理通貨制度の見直しまで突き進むのか、これまた不透明である。
 これから起きることをいろいろ考えるのだが、人間はベクトルの中で生きているので、経済下向きに関する様々な思考は心を暗くさせるものである(苦笑)。まあ、厭債害債さんの「ひとつのたとえ話」にもあるように、物質的に豊かになった段階から貧乏化するのは精神的には辛い。ふと、若い頃を思った。転職を重ねていた20台の頃である。当時は政治・経済に全く関心がなく、食うための仕事に従事し、基本的には展望を考えない人生を過ごしていたので、世界経済がどうなろうが知ったことではなかった。第二次石油ショックとか、バブルとかあったが、詳細は今の仕事に就いてから分かったことであり、その当時は何の実感もなかった(無知なる強さ&若さの無謀)。
 金融・経済をウォッチする職に就いて20年余り。私事であるが、最近50の大台を通過した。職業上、金融・経済の危機的状況には何度が遭遇したが、今回の危機は最大である。記者冥利に尽きるとは言え、住宅ローンを背負って家計バランスシートが肥大化している状態で、この世界的な危機に直面するのは、下手すると家計バランスがチャラになるリスクもあり、人生終盤戦の身としては勘弁してくれ、という思いもある。
 私自身は今さら20台のあの頃には戻れないのだが、経済の大調整をどう捉えるかは人それぞれであるにせよ、若い方々にはチャンスであるかもしれない。既存勢力はかなり一新される可能性があり、復興期には精神的にも体力的にも若い方が圧倒的に有利であるからだ。世界で失われる富が帳簿上でどの程度になるのか分からないが、天文学的であるにせよ、所詮は帳簿上の喪失に過ぎない。これほどの喪失は大戦に匹敵する打撃かもしれないが、現実の大戦とは違って産業インフラが物理的に破壊されたわけではない。
 バブルで無駄に膨れ上がった経済が調整しても、世界人口60数億人の実需は残る。人々の金銭欲(投資欲)が健在であるなら、それを満たすために金融はまた栄えるだろう。願わくば、もう少し賢明になっての復活が望ましい。総悲観の中に強気が生まれることを信じたい。
 ところで、ご覧になった方も多いと思うが、切り込み隊長のこのエントリーはお勧めです。ご一読を。
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by bank.of.japan | 2008-10-13 22:18 | 経済 | Comments(17)
金融市場は硝煙にむせぶ…=“トリガーの法則”再び
 随分と昔であるが「EB債もどき投信と“トリガーの法則”」というエントリーを書いたことがある。急降下した株、為替(ドル)などを見てこのエントリーを思い出した。
 “トリガーの法則”についてはそのエントリーをご覧頂くとして、日経リンク債(or投信)など中心に随分と多くのトリガーが引かれたのだろうと思う。スワップカーブも超長期ゾーンが大きく下がってきて、こちらも引かれたケースが別の商品・調達でもあるかもしれない。
 トリガーの付いた金融商品を買った人達のうち、どの程度がトリガーの存在を知っていたのか不明だが、知っていたにしてもそのトリガーは随分と遠くに見えたに違いない。でも、やっぱり引かれたのである。たくさんの銃弾が発射されたのであろう。特約条項、すなわち特別に約束された損失条項が発動されたわけである。硝煙にむせぶ思いである。
 まあ、トリガーの存在をよく分からずに買っていた人たち(多分、わが親も含む)は、銃弾打ち込まれたことは知らない方が幸せなのかもしれん。

 株がどこまで下がるのか。“トリガーの法則”に従うと、最低のトリガーが底値となる。どの辺なのだろう。日経平均で8000円とかあるんですかね。そんなに下が底値なら、この法則、あてはまらない方がいい。でも、トリガー系仕組み調達をしたところは「2-20年の金利差が0.75%以下になるなんてあり得ない」と思ったのだろうが、スワップではそうなった。トリガーは怖い。
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by bank.of.japan | 2008-10-09 22:00 | マーケット | Comments(37)


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