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カテゴリ:欧州便り( 8 )
『人間を幸福にしない日本というシステム』
デンマークの生活より
「有給消化の2週間がようやく過ぎました。2週間の有給なぞあろうものなら、普通の日本人はあれも、これもやろうと思うはずです。欧州に大分慣れてきた私は、おそらくそれをするとあれもできなかった、これもできなかったという精神的に不満の残る2週間になってしまうことが、あらかじめ予想できたため、先週言った『人間を幸福にしない日本というシステム』という本をじっくり読んで。その読後感想文を書くことだけに専念しました。
 先週述べた様に、私は日本人の民主主義にはかなり懐疑的で、この本の結論とは逆の方向ですが、日本に本当の民主主義が根付くのはかなり難しいと思っています。そして、人前で何かをするという民主主義の根幹の習慣がそぎ取られていることの例として、思い出したことがあります。
 こちらで、ある電気メーカーの人と知り合いましたが、その同僚が、顧客の前でプレゼンテーションをすることになっていたそうです。ところが、先方の都合でその人の持ち時間が20分から15分に短縮になりました。すると、もう
『できない』
と悲鳴があがったそうです。仕方なく、私の知り合いがピンチヒッターでそのプレゼンをこなしたそうです。
 やはり思い出したのは、別の電気メーカーで英語があまりにもできないので、ロンドンに約2ヶ月の語学研修に送り出される人が出てきた話です。この人は、その目的からして、在ロンドンの自社の子会社に頼ってはいけないということで、取引銀行であるうちのところに泣きついてきました。私は、明け方ヒースロー空港まで車を飛ばして迎えに行きました。
 電気メーカーばかりが悪いのではないでしょうが、もうひとつ、最初の電気メーカーのところの取締役が日本から来るのだが、まるでドメで、しかも経済も音痴。ところが銀行のお偉いさんと飯を食うことになったとのこと。そこで下の人間が、経済レポートを先に作って、その取締役に暗記させることになり、私のところに原稿の材料集めをお願いします、という話もありました。
 どこから変えれば良いのでしょう」
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by bank.of.japan | 2005-05-02 15:13 | 欧州便り | Comments(0)
欧州便り
デンマークの生活より
 「この時期の日本はもう春の雰囲気がいっぱいでしょう。デンマークは、イースターを過ぎ晴れの日が続き、天気だけを見ると春になったかなというところですが、朝の気温は1度から3度と、日本なら完全に冬です。
 つい2週間前は、まだまだ寒く、子供がサッカークラブの練習から震えて帰ってきました。
 私はその直後に帰宅し、かばんを床に下ろした途端、地下室より爆発音がしました。地下にはガスボイラーがあるので、これは危ない、と思い、家族を階上に残しひとり降りて行きました。死ぬのは一人だけで良い、と。
しかし、どこにも異常は見当たりません。とにかく家主に報告しておきました。次の日、会社に家から電話が入りました。一瞬ヒヤッとしましたが、子供が
『おとうさん、爆発の原因分かったよ。サッカーボールだった』
というのを聞いて、わかりました。外があまりに寒いため、暖房の効いている室内にいれたボールが膨張し、破裂したのでした。
寒いわけだよな。
 しかし、寒い国であるだけに、室内の暖房は完備されています。寒い国なのに、あるいは寒い国なので、室内は暖かく、うちなどはシャワーしかありません。
 税金は高い、仕事は適度にいい加減。しかし、個人の生活はエンジョイしている。この日本との大きなアンバランスはなんとかならないものでしょうか」
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by bank.of.japan | 2005-04-04 13:45 | 欧州便り | Comments(1)
欧州便り=計算力
デンマークの生活より
「デンマークの学校の冬休みを利用し、サッカーの盛んなバルセロナへ行ってきました。全くラッキーにオールスターの揃った、フレンドリーマッチが見れました。
1枚15ユーロのチケットを2枚買ったのですが、窓口の女の子は
『45ユーロです』
何か私の知らない税金でもあるのではと思いました。この話をしたら、殆どの人がそういう反応をしました。
一応聞いてみました。
『どうして?』
向こうは電卓を取り出して、15たす15。
『あれ?』
その行動に、こちらも
『あれ?』
彼女は、自分のインプットを見て、
『あ、3枚で入力していたわ』
基礎計算の能力が軽視されているとは欧州でよく言われていますが、ここまでとは。
私の同僚の中島は、性善説なので、
『それは例外です』
という立場を崩しません。私には例外というには余りにも多く、この手のことが起きているのですが。そしてかれの周りにも起きています。
人間は様々だ」

支店勘定は一円まで合わす日本人。しかし、不良債権の山を構築。計算力と経営力のミスマッチかなあ。事務ミスと経営ミス。被害が大きいのは後者。
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by bank.of.japan | 2005-02-24 20:07 | 欧州便り | Comments(0)
欧州便り
デンマークの生活より
「普段も仕事を余りしないヨーロッパ人が金曜日の午後になるとさらに仕事をしません。
 金曜日には大体の会社でフライデーバーなる社内のバーが解禁になり、ビールとワインが飲み放題です。たまにはと思い、私も降りていき(うちは階下にあるので)、ジョインしました。そこでデンマーク女性と結婚したアルジェリア辺りの出身と思われる多少色の黒いフランス人男性と話をしました。
『どうやってデンマークに来たの』から大抵話が始まります。
パリで、その彼女と知り合い、まだボーイフレンド・ガールフレンドの関係の時に、92年のクリスマスをデンマークの彼女の家で過ごすために、車でパリからコペンハーゲンまでやってきて、チボリ公園の前で車がエンコし、警察に車が持っていかれ、書類がなかなか進まず、そして4日間いる予定のデンマークに3週間いて、気に入り、最終的に、デンマークに住みついているそうです。
『どうしてそういうことができるんだ』
というのが我々日本人の素直な感想です。パリの大学でそれなりのことを勉強すると、欧州では通用するわけで、日本の学歴とは一体何なのだとも考えさせられました。
 我々、農耕民族にはやはりこの様な幅広い移動の観念は天から与えられていないのでしょうか」

カジュアルフライデーごときでは甘いわけか。だが、金曜日の午後にディーラーの方々が酔ってしまうと、われわれの取材が困ってしまう…。
労働力のモビリティは人口減少を機に移民を受け入れ、ある程度多民族国家になっていけば解決するのだろうか。北京、上海、台北、ソウル、香港、マニラ、シンガポールを転戦していく。ちょっと想像がしにくい。いずれにせよ語学が問われ、私の出番はなさそう。
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by bank.of.japan | 2005-02-07 11:00 | 欧州便り | Comments(0)
「アイ・アム・ビジー」の風土
デンマークの生活より
「私は『セールスマンのトーク術』などといった実用書を読むことはありませんが、ある時非常に尊敬する先輩から、何かの実用書に『“忙しい”と連発する奴は実は仕事のできない奴だ』と書いてあるという話を聞きました。
私も忙しいという言葉をなるべく言わないように心がけています。多分、日本やアジアではそういう文化が染み付いていると思います。
一方、ヨーロッパにはそういう文化は無いようで、『アイ・アム・ビジー』をよく耳にします。先日も、私の隣に座っていた学生のパートタイマーがエクセルシートと一所懸命格闘しながら『アイ・アム・エクストリームリー・ビジー』と言っていました。学生のバイトに“極端に忙しい”などと言われると、私は一体どういう仕事をしているのか、と不思議な気持ちになりました。
 先週金曜も、中国へ出張する中国人女性が、
『私が今日中に仕上げなくてはならない仕事をしている時に、彼らは『忙しい』を連発しているけれど、それでも5時には帰ってしまうでしょう。そして、私達アジア人は残業して、うちに帰っても仕事をしているなんて、何かおかしいわ』と文句を言っていました。
全くその通りなのですが、それがどうにもならないことも私は知っています。
 一体どうして、欧米人は一日8時間以上働くのはおかしいと思い、アジア人は仕事を人生の使命の様に感じるのでしょう。この両者の溝は未来永劫続くのでしょうか」

教訓、アリ(アジア)とキリギリス(欧米)は未来永劫であるかも…
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by bank.of.japan | 2005-01-24 12:37 | 欧州便り | Comments(1)
欧州便り
久々に欧州便り=デンマークの生活より
「またまたクソッたれの話です。
 デンマークに初めて来たとき、『知らない国に来たのだから、何が起きるか分からないから、少し余計に保険に入っておいた方が良いよ』と言われ、いくつか保険に入りました。少し余計かなと思いましたが、保険などというのは、払い始めれば、なんとなく払い続けてしまうものです。しかし、毎回請求書べースで払うので、うちの女房がちょっと多すぎるのではないか、と再三言い続けました。
特に11月に来た自動車関係は多すぎたので、うちのデンマーク人と日本人のハーフの女の子に、電話で問い合わせてもらいました。すると、先方が間違ったものを送っているので、送り直すとのこと。随分待って12月の終わりにそれが来ました。見ると、請求書の作り直しの代金までが乗っかっています。
 その女の子がもう一度電話して、デンマーク語で盛んに何かを言っています。内容はわかりませんが、怒っていることは容易に想像がつきます。
『前に話をした人の記録が無いから駄目だと言っています』
『やっぱりね』
そんなことだろうと思いました。ロンドンでも同じ様な経験をしたので、私はびっくりしませんでしたが、その女の子が『私は絶対保険に入らない』と言っていました。
この請求書を待っている間にも、その同じ保険会社で、うちの子がボールを蹴って近所の学校のランプを割ったという件を処理してもらっていました。10月20日に書類を送ってあったので、とっくに済んでいるのだろうと思いました。突然、その学校から、まだ修理代を受け取っていない旨の手紙が来ました。保険会社に聞いてみると、こちらが送ったファックスは届いていないというのです。その前に保険会社から電話があり、手続きのやり方を説明してきたので、そういう案件があることを知りながら、ファックスを受け取っていないということで、何も処理をせず、2ヶ月過ごすのです。
 欧州というのはサービスの観念がありません。皆が迷惑しているのに、誰も直そうとはしません。この状況はこれから何百年も続くのでしょう。だからこそ文化の違いがあり、それが面白くて、皆海外旅行をするのでしょう」

日本はサービス過剰ながらもULCは下がる。やっぱり、貧乏暇なしが極まるしかないなあ。
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by bank.of.japan | 2005-01-12 11:00 | 欧州便り | Comments(0)
欧州便り
知り合いのディーラー(石川さん)の欧州便り

デンマークの生活より
 いつもデンマークの悪いところばかり言っていますが、どうもこれはデンマークというより欧州の問題かな、という気がしてきました。
 木曜日に息子2人が通う学校の教科担任との個人面談があるというので、予約を取っておりました。当然、仕事がある日なので夕方6時以降を希望しました。しかし、
『数学 16:30-16:40, 社会 16:40-16:50, 英語 16:50-19:00』
と書いてあり、最後の所が書き間違いで、結局外人の先生に夕方の遅い時間をお願いしても無理なのだろうと解釈しました。
 そして、学校へ行って見ると最初の先生がいません。いつもの欧州だな、と思っていると、通りかかった先生が、
「あ、これは僕の字だ。あ、18と書くところを16と書いちゃった」
ザーけんじゃねー。という気力も起きませんが、しかし、あの“自分が専門としないことは、とにかく物事を適当にやってしまう姿勢”には、驚きを越えて興味を覚えます。2時間後にもう一度学校に行きました。
 何が原因でそうなるのか。私はやはり学校教育が問題で、一定レベルの読み書きの能力をつけるなど、日本などアジアで重要視されることが、欧州では軽視されているのだな、と感じます。あるいは、後進国であったアジアは社会の発展のために識字率を上げるなどの努力をしなければならなかったので今だにそのくせが抜けず、欧州は先進国であったために、その余裕を楽しんでいる、という解釈も可能かもしれません。
 いずれは亀がウサギを追い越す時がくるでしょう
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by bank.of.japan | 2004-11-29 11:35 | 欧州便り | Comments(0)
欧州便りの紹介
知り合いの為替ディーラーで石川さんという方がいる。今は欧大陸(デンマーク)で仕事をしており、日本の顧客向けに市況メールを送っている。グローバルな情報共有は容易にはなっているが、メディアを通じたものはどうも予定調和的で、やはり現場の視点は貴重だ。その意味でメールは重宝しているのだが、それにも増して彼がときたま書くコラム「デンマークの生活より」が面白い。もったいないので、ここでも適宜紹介したい。石川さん、掲載許可ありがとうございます。
 通貨統合の進展・ユーロ圏の拡張など欧州経済も変革が激しいとのイメージを抱くが、実際に生活してどうなのだろうか。まずは過去に頂いたものから。

今年3月のメールより。

「肩こりが激しくて、中国人が経営している鍼に行ってきました。
 その先生は日本に長く住んでいたらしく日本語が恐ろしく上手です。先生曰く、
『コンピューターの使いすぎのストレスです。アジア人はストレスに強いので、自分で意識しないのですが、デンマーク人なんて、ストレスに弱いから、自分の70歳以上にもなる親が死んだら一週間も動けないんですよ』
 デンマークは家族の結びつきが強いところですので、それ自体は悪いことだとも思いませんが、確かに一週間も動けないとなると、それを認めなければならないかも知れません。
 しかし、ストレスというものに無縁であると思っていた私自身がそう言う言葉を突きつけられると、確かにアジア人は体を酷使しているだろうな、と思います。とか言いながら、やはり心のどこかで、ストレスが原因とは思っていませんが。
 皆さんも、お体に気をつけて、又、今週も60時間位は働きましょう。
 デンマークでは、労働組合との合意により週37時間が限度と決まっているそうですが」

週37時間労働で、ストレスに弱いデンマーク人。東欧に広がるユーロ圏の衝撃に耐えられるのかなあ…。
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by bank.of.japan | 2004-11-22 11:33 | 欧州便り | Comments(0)


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