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カテゴリ:ユーロ( 12 )
スイスの無制限介入&G7
 スイス中銀が6日、スイスフラン高を抑制するため、対ユーロでの上限を固定化する措置を取った。自国通貨の上限突破は無制限介入で死守することになるが、その覚悟が問われるのはこれから。メルマガでは、技術的な観点から覚悟の度合いを考察してみたい。また、今回のスイスの無制限介入で、日銀やFRBの置かれた状況、今後の対応など考えてみたい。メルマガの内容は為替一色となりそう。メルマガはこちらも。

 この週末、G7が行われたが、もとよりこの会議は「集まる。そして問題意識の共有を図る」のが目的であり、各国の政策にダイレクトな影響を与える具体策などはもともとない。マーケットイベントとして注目すると、まあ空振りであり、そんなのは過去10数年続いている。マスコミ的には派手な「国際会議」だが、各国金融トップが現状に対して共通の問題意識を持ったかどうかが重要である。

以下は今週のリンク集。

Treasuries, TIPS, and Gold (Wonkish)
Swiss FAQs
More on Transatlantic Cash Flows
Golden Cyberfetters
Following the Swiss lead
Europe on the Verge of a Political Breakdown
The end of this blog. The beginning of Wonkblog
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by bank.of.japan | 2011-09-11 11:04 | ユーロ | Comments(0)
スイス中銀のフラン高抑制策=資金供給強化で量的緩和
メルマガ用のメモ&資料を兼ねて。なかなか面白い資金供給方法なので、メルマガで解説する予定。
同じく通貨高に悩む日銀にとって、スイスの動向は目が離せない。

 スイス中銀がフラン高抑制で資金供給を強化する声明を発表した。
http://www.snb.ch/
Swiss National Bank intensifies measures against strong Swiss franc
The measures taken thus far by the Swiss National Bank (SNB) against the strength of the Swiss franc are having an impact. Nevertheless, the Swiss franc remains massively overvalued. The SNB has therefore decided to expand again significantly the supply of liquidity to the Swiss franc money market. In so doing, it is increasing the downward pressure on money market interest rates with a view to further weakening the Swiss franc exchange rate. With immediate effect, it aims to expand banks’ sight deposits at the SNB further, from CHF 120 billion to CHF 200 billion. In order to achieve this new target level as quickly as possible, it will continue to repurchase outstanding SNB Bills and to employ foreign exchange swaps. Furthermore, the SNB reiterates that it will, if necessary, take further measures against the strength of the Swiss franc.

このSNBビルを対象としたレポによる資金供給はすでに手がけているようだが、日銀の調節に慣れた身としてはやや不思議なオペだ。為替介入する中銀と、介入が別会計となっている日本との違いがこの資金供給に表れているように思う。
 以下は、参考資料としてのSNBのバランスシート表
http://www.snb.ch/en/iabout/stat/statpub/balsnb/stats/balsnb
このうちの「A1 SNB balance sheet items」

外為特会と日銀を合体したようなもの。
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by bank.of.japan | 2011-08-17 22:37 | ユーロ | Comments(0)
イタリア炎上とユーロの対応
メルマガのメモ用
 
先週末から雲行きが怪しかったイタリアが炎上した。
  幾つかポイント。
 なぜ炎上したのか。
 デフォルト認定させないための水面下の圧力。
 流動性がある市場とない市場の差。
 民間に負担させる議論の台頭。
 リスクヘッジの売りが拡大。

ユーロの対応
 セーフティネットの不備。
 どの国が救われるのか、それとも救わないのか。
 大丈夫、大丈夫じゃない、の境界があいまい。

不安の連鎖に歯止めがかからない、それが何度も続くのではないか。
システミックリスクを孕みながらの危機の繰り返し?

ECB資産の劣化が進む…
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by bank.of.japan | 2011-07-13 17:09 | ユーロ | Comments(1)
外貨準備の仕組みとユーロの支援=コモフレーション下の金融政策・再考
 政府はユーロ諸国が共同発行する債券を購入する方針を示した。外貨準備の活用として、たまには気の利いたことをする、と言ってもいいだろう。外貨準備、即ち外為特会の資産は、基本的には為替安定の結果として発生したものである。日本の場合、恒常的な円高圧力を軽減する介入(ドル買い・円売り)を繰り返し、資産として外貨が積み上がり、反対側の負債としてFBが存在する。
 見た目は、借金して外貨を買っている格好だが、もとより運用を目的としたものではなく、あくまでも「為替安定」の結果でしかない。もとより、逆介入の可能性もあるので、資産は流動性の高いもの(現金や短期国債)であるべきだが、逆介入の可能性はあるとは言っても、根強いデフレ(=通貨高)に苦しむのが現状であり、円安の阻止の介入の可能性は極めて小さい。
 と言うことは、現在の資産は今のまま存在し続ける可能性が高いわけで、全部とは言わないまでも、ある程度は有効活用した方が合理的だ。その一つとして、今回のユーロ支援が位置づけられるのだが、いずれせよ、支援することはユーロ安定に貢献し、間接的であるが、円高抑止には役立つと言える。ユーロが根本的に大丈夫か、という疑問は残るのだが、それを別にすれば目先の相場安定としては良い判断であったと言える。
 メルマガでは、外為特会の仕組みを踏まえ、このユーロ支援を考察したい。

 解説は、コモフレーション(orアグフレーション)の様相が強まりつつあり世界経済において、金融政策はどうあるべきかのまとめである。前回も触れたテーマだが、ここではもう少し詳しく金融政策の波及メカニズムを整理してみたいと思う。基本的に先進国が金融を引き締め方向に舵を切ることはない、と個人的には思っている。もとより、これは条件次第であり、人々のインフレ期待が変化するかどうかにかかっているだろう。

 今年は、とりあえずは景気回復が先行しており、資源価格が上昇基調を維持するなら、マーケットでは米国の引き締め観測が台頭しやすい。「偽りの夜明け」が本物感をかもし出す場面もあるかもしれないが、どこかでピークアウトする可能性が高いように思う。

 おまけは金融というか企業社会のカーストについて。どう処するかは、それぞれが職業人生に何を見出すか、であろうか。
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by bank.of.japan | 2011-01-16 17:08 | ユーロ | Comments(0)
欧州問題の本質、有事とオペの関係=日銀支店長の話
 アイルランドの国債利回りが上昇するなど、欧州が再びきな臭くなってきた。この手の騒ぎは今後も続くだろうが、一気にユーロが分解する、といったことにはならないと思われる。なぜなら、ユーロ全体の危機に発展する荒療治独仏など主要国は回避するはずで、そのためには財政資金の投入はためらわないからだ。
 バブルが崩壊すると、いろいろと危機的なことが起きる。日本でも何度も危機が起きた。理想論としては、どんなに衝撃があっても抜本的な処理を断行すべきだが、それはあくまでもきれいごとに過ぎない。抜本処理の結果、経済が崩壊するリスクに直面するのは本末転倒であろう。当局はモラルハザードを招いても、ないし時間稼ぎでしかないにせよ、目の前の火を消そうとするものだ。
 セーフティネットがない中で、債務超過の銀行を破綻処理すれば、金融システムは決壊し、経済は奈落の底に落ちる。そういうことが起きては困るので、わが国は時間稼ぎと批判されたが、財政の逐次投入を行ってきた。ユーロも同様であり、目先投機筋の翻弄されながらも、時間稼ぎかもしれないが、目の前の火を消していくはずだ。ユーロが分解する覚悟で、どこかの国を処理する、ということは考えにくい。仮にそうなったなら、ハンドリングを間違えた、と受け止められる。
 では、その間、痛み耐えながらユーロにとどまる欧州周辺国にとっての通貨統合は何を意味するのか。マーケットで起きる危機のメカニズムはいろいろな分析があるが、メルマガでは痛み耐える通貨統合の意味を考えてみたい。民族問題が絡む面もあるので、ブログでは書きにくかったことを解説する予定。

 ポイント解説は、有事とオペの関係である。北朝鮮の砲撃事件があったとき、オペはどうすべきか。過去、イラク戦争で日銀は即日で大量の資金を供給したことがある。もとより、インタバンクが不安定化すればオペは必要だが、そうでない場合は? たかがオペだが、されどオペ。使い方次第では有効な場合もある。

 オマケは、仕事論は一回お休みで、別な話題を。数日帰省していたが、そのときに聞いた話を幾つか。ある日銀支店長の有用な「番付」や市町村合併、地域ベンチャーの話など。
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by bank.of.japan | 2010-11-28 17:47 | ユーロ | Comments(0)
ギリシャ悲劇の影でラトビアの惨劇=クルーグマン教授より
 財政悪化の深刻なギリシャの悲劇が世界的な注目を浴びている中、クルーグマン教授が「Riga Mortis」という短いエントリーをアップしていた。世界的なバブル崩壊でバルト方面の打撃も大きかったのだが、Club Medの影に隠れてこのところ忘却されていた格好だ。教授のエントリーからは、ギリシャ以上の悲劇に見舞われていることがうかがえる。

 「Latvia isn’t in the eurozone. But its determination to keep a fixed exchange rate against the euro lies behind the catastrophe」
→ラトビアはユーロ圏ではないが、ユーロに対して自国通貨のペッグを堅持している(=切り下げしない)。しかし、実体経済は悲惨な状況にある。

 悲惨な状況は、エントリーにリンクされたリポートにうかがえる。
「The Latvian recession, which is now more than two years old, has seen a world-historical drop in GDP of more than 25 percent. The IMF projects another 4 percent drop this year, and predicts that the total loss of output from peak to bottom will reach 30 percent. This would make Latvia’s loss more than that of the U.S. Great Depression downturn of 1929-1933」
→ラトビアの不況は2年以上続き、GDPは25%以上も縮小した。IMFの見通しでは、今年はさらに4%減少し、GDPはピークから30%近くも落ちると予想される。ラトビアの経済的損失は米大恐慌を上回る可能性がある。

 本来、ユーロ圏ではないラトビアは通貨切り下げという選択肢がある(これもコストは大きいが)。切り下げないで不況をしのごうとすると、通貨調整の代わりに国内経済の大調整(=大不況=経済の切り下げ?)が起きてしまう格好だ。 リポートの題名(The Cost of Adjustment With An “Internal Devaluation”)はそんな意味ではないかと思った。
 
 独仏を枢軸とするユーロ戦線。あちらこちらが泥沼化し、ユーロを囲む全戦線の維持が難しい状態にある感じだ。バトル・オブ・ブリテンの赤い新聞(FT)、日本を語っている場合ではないような…
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by bank.of.japan | 2010-02-11 15:15 | ユーロ | Comments(8)
英量的緩和をめぐるAliceとMarkの不思議な会話
 量的緩和(or信用緩和orハイブリッド型)なる金融政策は、金利の上げ下げとは違って、一般的には分かりにくいもので、議論が噛み合わないことが生じ得る。日銀の量的緩和は「量」(=当座預金残高)にターゲットを置く→これを増やす→緩和である、とまだ分かりやすかったが、現在の英米中銀のはメカニズムにファジーさがあって、余計に分かりにくい。案の定というか、欧米金融系のブログで噛み合わない事例があった。
 具体的には、有名処のブログからもリンクが張られているUK Bubbleである。これを書いているのはAlice Cookさん。最新エントリーの「In August, QE hit the economy」の内容をめぐってコメントしてきたMarkとの対話が噛み合わないのであった。Aliceの主張とMarkのやりとりは以下の感じ(超訳)。
Alice 「8月はBOEのリザーブが減ったわ。これは銀行がお金を引き出したから。BOEは何も言わないけれど、銀行がやっと(引き出したお金を不動産に)融資することに違いないわ。住宅バブルが起きるかもしれない。BOEはちゃんと対応できるのかしら。国債売ったら大変。金利が急騰してまた不況入りするかも」
Mark 「量的緩和がそんなに効果があると思わないがね。君の理論『BOEはプリントマネーしていない。国債をお金に換えているだけ』が正しいなら、ここで言っているリザーブと不動産の関係は嘘だろう。さもなければ量が増えた時期に不動産は急落して、減った時に急上昇するんじゃないか」
Alice 「Mark、BOEはお金を創出するの。でも、そのお金が(BOEの)リザーブにある限りは何も起きないの。銀行がお金をリザーブから引き出して初めて信用が創造されるのよ。で、そのお金は不動産市場に行く可能性があって、そうなれば不動産は上がるでしょ」
 量的緩和下においては、量(=リザーブ)の増大が緩和で、減少は引き締めとなる。この点、Aliceは量を増やしても意味はない、減って効果が出る、という不思議な理解をしていて、それ故にMarkと噛み合わず、その他から厳しい突っ込みを受けている。
 もっとも、量の増減の受け止め方はいろいろで、日銀が初めて量的緩和をやったときも、意外な質問を受けたりした。つまり、「銀行がお金を日銀にどんどん積んだら、世の中からお金がなくなって引き締めじゃないか」というもの。
 まあ、金融政策運営の観点から一つ言えることは、非伝統的な政策は対外コミュニケーションにおいて難がある、ということだろう。いやはや。
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by bank.of.japan | 2009-09-10 21:59 | ユーロ | Comments(9)
スウェーデンのマイナス金利考察=現時点では?
 しばらく前に日経ヴェリタスにスウェーデンのマイナス金利が取り上げられ、「ホゥ」と思った。超過準備のマイナス金利だったので、直感的にポートフォリオリバランス効果を狙った措置かなとの感想を持ったが、なかなか時間がなくてじっくりチェックする暇がなかった。マクロ的に大きな意味を持つ措置ならいつも見ている欧米ブログで大騒ぎになるので、反応待ちを決め込んだのであります。で、そういうこともなく、やっと調べてみたのだが、結論から言えば現時点では政策的にはさほどの意味がないような印象を持った。
 まずマクロ的な効果を狙っているなら、スウェーデン中銀もその旨を表明するはずで、それらしき文言を探したのだが、なかなかない。で、何とか見つけ出したのは以下の説明であった。
「On 1 July 2009, the Riksbank decided to cut the repo rate to 0.25 per cent and to retain the corridor of plus/minus 0.50 per cent. This entailed a deposit rate of minus 0.25 per cent. As the Riksbank carries out fine-tuning operations every day, only small sums remain to be transferred to the deposit facility when the payment system closes for the day. The negative deposit rate gives the banks an incentive to participate in the fine-tuning process or to lend money to each other if any of them have a deficit at the end of the day」
 簡単な訳→わが中銀は政策金利の誘導水準を0.25%に引き下げたが、政策金利の変動幅(コリドー)は誘導水準上下0.5%を維持する。これによって(民間銀行の)中銀預金の金利はマイナス0.25%になる。我が中銀は毎日金利微調整のオペを行っており、決済締めるときにはほんのちょっと預金が残る。この預金のマイナス金利は銀行がオペに参加したり、銀行のどこかが資金不足になったときに別な銀行が融通するインセンティブを与えるものだ。
 これ、ポートフォリオリバランス効果とか言うもんじゃなくて、かなりインターバンクの技術的な話になっている。おかしい、どういうことだ、としばらく悩んだ。利下げしてコリドー幅をそのまま機械的にずらしたら、預金金利がたまたまマイナスになっただけ、としか読めない。これに調節上の技術的な解説が加わった格好だ。
 中銀預金はある意味超過準備のようなもので、この規模が大きいほどリバランス効果はでかくなると考えられる。「ほんのちょっと預金が残る」とあったので、実際はどんなものかと探ってみた。バランスシート統計を見つけて、最近の残高を見たら、これがなんと超少ない。
(1クローネは12円ぐらいですか?)
7月7日  4300万クローネ
7月15日 3800万クローネ
7月23日 4400万クローネ
 ちなみにスウェーデン中銀のB/S規模は7000億クローネ前後なので、この超過準備の規模はゴミである。ということは、現時点ではマクロ的にはほとんど意味のないマイナス金利のように思える。これからスウェーデン中銀がどういう緩和策やるのか分からないが、プラス金利を維持する限りはこの超過準備はほとんど増えないような気がする。なぜなら、市場金利がプラスである限りでは銀行は余った金については市場に放出する方を選択するからだ。超過準備発のポートフォリオリバランス効果を高めるには、まずはゼロ金利にしてバンバン金を出してみることではないか、と思った。
 まあ、本当にすごいマイナス金利なら日経新聞もヴェリタスではなく本紙でドカンと書いたでしょうから。でも、ヴェリタスが書かなかったら気がつかなかったかもしれず、スウェーデン中銀情勢を調べるよいきっかけにはなりました。ありがとうございます。
 
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by bank.of.japan | 2009-07-29 21:20 | ユーロ | Comments(2)
ECBの決定を伝える各紙報道についての雑感
 朝日新聞の報道が一番素直で好感が持てた。
別な報道では「これにより日米欧は『量的緩和』で足並みを揃えた」という解釈がなされていたが…。まあ、マスレベルの報道で経済を専門的に知ろうとする人(あまりいないと思うが)にとっては量的緩和だろうが何だろうが、どうでもいいことなので、私も会社が「量的緩和にしちまえばいいじゃないか」と言ってきたら、書く記事がマスメディア向けならそうします。日銀のピュアな量的緩和時代はいろんなロジックが整理されてよかったなあ…。

 それから三菱UFJ証券のリポート(デットリサーチ部シニア債券ストラテジスト、中沢剛氏)がなかなか良かったです。一部引用させていただきます。
 「(トリシェ)総裁は、カバード・ボンドの買い取りについて『量的緩和に乗り出すわけでは全くない』と言明。特定の市場の機能回復を意図した『強化型信用サポート』の一環で、『信用緩和』と言ってもいいと述べた(注:日本のメディアは今回の措置を「量的緩和」と呼んでいるが、明らかな誤り)」
 補足説明も良いです。以下の通り。
 「『カバード・ボンド購入は不胎化するのか、マネー増発で行うのか?』との質問に対する答えとして出てきた説明。不胎化は『出口戦略』とも絡み、非常に重要な問題だと総裁は述べている。ビーニスマギECB理事は4月28日の講演で、『信用緩和』は特定資産のリスクプレミアム縮小を目指すもので、民間資産の購入はその典型、『量的緩和』は市場全般のリスクフリー金利低下を目指すもので、国債購入がその典型と、明確に定義した。ECBがやろうとしている『信用緩和』も最終的に信用創造(→マネー拡大)につながるため、『内生的信用緩和(endogenous credit easing)』とも呼べるとしている。日本のメディアは、欧州で行われているこのような議論とは無関係に今回の措置を『量的緩和』と呼んでいるが、欧州でそのような報道はない。『量的緩和』は定義の問題でもあり、かつての日銀の定義(目標を定めた中銀準備の拡大)なら現在の英・米・スイスも『量的緩和』ではない」
 まさしくその通り。

 ところでカバードボンドとは。日本では馴染みがないので、ピンとこないが、日銀筋によると「ある程度資産の裏付けがある金融債のようなもの」らしい。ABCPと金融債(or銀行社債)のハイブリッドような債券なんですかね。日銀は金融機関債務はほとんど取らない方針なので、似た買い取りは今のところ超ハードル高い。まあ、いざとなれば先祖帰りして極悪非道「いわゆるCDオペ」とか、幻に終わった「金融債(銀行社債)買いきり!」とか踏ん切ればよいのだが…。
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by bank.of.japan | 2009-05-08 21:24 | ユーロ | Comments(15)
ECBの国債買い切りを日銀に置き換えると=財政放漫の地方債買い切り
 ユーロ圏の経済苦境が深まり、ECBのゼロ金利&量的緩和を予想する向きが増えてきた。ここでECBが非伝統的手段として国債買い入れを行った場合、その難しさを日銀に例えて考えてみた。結論から言えば、国家の財政的統制を外れた地方自治体の債券を日銀が買い切るような構図であろうか。
 ユーロ圏の財政は国ごとに独立している。各国の政府債は流通市場で大幅な格差が生じている。ドイツ国債を基準にしたスプレッドはスペイン、ギリシャ、アイルランドなどは100-300bpの間のどこかにそれぞれ散っているようである(詳しいチャートとかあったらご教示を)。
 一般的に中央銀行が債券を買う場合は市場実勢に応じた掛け目がつく。高品質の債券は掛け目が高い(最高は100=値引きなしで買う)、ダメな債券は掛け目が低い。ECBが各国債券を買う場合、市場実勢に応じた掛け目を機械的に適用できれば良いが、もし各国が掛け目の差に「仲間じゃないか。ドイツと同じにしろ」と文句を言ったら、厄介なことが起きる。
 まあ、やり方次第だが、全ユーロ債の掛け目をドイツ並みにして、金額のみで買い入れをオファーしたら、流通市場で売られている国債がバンバン打ち込まれてしまう。この結果、ECB資産サイドはどんどん売られた債券が増大していく。つまり、悪債が良債を駆逐していくわけだ。
 日本の例に例えると、国家の財政規律から外れて勝手にファンディングし始めた地方自治体の債券を買い切るような構図となる。国債買い入れ対象に、国債と同じ掛け目でこうした地方債を入れたら、最も暴走した地方債が日銀オペに叩き込まれることになる。顔の悪い地方債が円の裏付け資産として君臨するわけだ。
 地方債の買い切りは日銀にとっては悪夢である。国家の統制が効いている今でも、掛け目で差を付けると大変な騒ぎになるからだ。ECBも同じではないかと想像される。不況のときは国内外みんな気が立っているので、差別的処遇は感情的反発を招きやすい。マスコミもこの手の反発は煽るので、理性的な対応はやりにくい。
 まとめ。
 ユーロを安定化させるには、①政治的統合を目指す(欧衆合衆国)②ダメな国を切り離す(独仏枢軸の原点に戻す)③ECBのやることに文句を言わない-などの条件が必要であろう。
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by bank.of.japan | 2009-02-02 22:34 | ユーロ | Comments(4)


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