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山野井語録=「食うための仕事」のしのぎ方
 日経新聞(夕刊)が良いシリーズをやっている。『人間発見』に山野井泰史氏を登場させている。これは読み応えある。申し訳ないが、金融経済面よりもはるかに面白い。備忘録として印象に残った山野井語録を簡単にメモ。
・中学の時、山登りに猛反対した父と猛烈な喧嘩。僕は包丁を腹に当て「やめさせるならここで死んでやる」と泣き叫んだ。
・高校卒業後、ヨセミテへ。金がなくなると帰国してバイト。つまらない仕事でも夢のためなので、凄く充実していた。
・死にそうなことが面白いのかというとちょっと違う。苛酷な状況で一人闘っているんだと想像するとまた行きたくなる。
・挑戦意欲をかきたてる山に引かれる。名前や社会的評価で(山は)選ばない。
・(清貧の生活について)物欲はないので支出も少ない。別に節約している気はないので、つらくもわびしくもない。
・スポンサーはつけない。自分だけの判断ができないかもしれないから。お金使わない方が質の高いクライミングができる、というのが持論だ。

 死ぬのもいとわないほど山登りに熱中しているのが良く分かる。こういう人生は最高であろうと思う。食うための仕事で書き忘れたのだが、つまらぬ仕事でも別な夢があれば人生は充実する。つまり、食うための仕事をしのぐには、熱中できる趣味とかがあればいい。問題は、仕事を忘れるほどの趣味がない場合である。私もそうだった。この場合は右往左往を余儀なくされる。熱中できる仕事に出会えるかどうかは、私の経験上では運しかない。

日経夕刊では『広角鋭角』の「森林を守る」シリーズも良い。経済専門の新聞なのだが、なぜか文化・社会・生活の面は一般紙よりも質が高いのではないか、という印象を持つ。金融経済に妙に力が入っている分、その他の面はいい感じで力が抜けている、ということだろうか。
by bank.of.japan | 2008-11-06 21:43 | その他 | Comments(14)
Commented by EURO SELLER at 2008-11-07 03:12 x
熊に襲われて大変でしたが,インタビューが出来るまでになってよかったです。

本石町さん,
>問題は、仕事を忘れるほどの趣味がない場合である。私もそうだった。
中銀ウォッチでは,仕事兼趣味のようになって仕事を忘れられないでしょうね。コンビニめぐりはどうですか。
Commented by 初心者 at 2008-11-07 06:52 x
私も常日頃から、日経の文化・生活関連の記事は、他紙と比べて読んでて面白いものが多いと思ってました。朝刊の最終面や、食べもの関連もの、木曜夕刊の小泉教授のエッセイなどなど。スポーツ欄もコンパクトですが、よくまとまっていて好きです。
Commented by 一個人投資家 at 2008-11-07 08:20 x
日経の文化面が他紙より充実している面は同感です。まず読むのはトップや見開きではなく、朝刊の最後のページです。経済紙なのに(笑)。
Commented by システム5.1 at 2008-11-07 08:30 x
日経の文化面は充実している、面白い...は、10数年前からの定説でもあります。知っている人は知っている事実と言うことでしょうか。
Commented by sarusaru at 2008-11-07 08:39 x
朝刊の裏の経済でなく道を究めた人の紹介や書評の選者選択もなかなかあなどれないものがあります。朝刊の裏側から私も読みます、愛ルケが載ってなくても(笑え)
Commented by パットメセニー at 2008-11-07 11:59 x
そういえば、日本中の温泉を片っ端から入って回る記事もありましたねえ・・・
(ばばんば ばんばんばん♪)
Commented by biaslook at 2008-11-07 19:59 x
日曜版の見開きページ美術面は非常に有用であり、海外の美術館巡りでも役に立ちます。3年前から新聞をとらなくなってしまいましたが、美術面は数年分を保管しています。
あれをまとめて本にしてくれないかと思うのですけど。ないですよね?
Commented by bank.of.japan at 2008-11-07 21:27
EURO SELLERさん、どうもです。かなり深くウォッチしておりますけど、山野井氏ほどの熱中度はないです(苦笑)。周囲にあまり同業の姿が見えないソロ登攀に近いですが、空気は十分吸える高度です。コンビニは生活防衛です(苦笑)。

初心者さん、どうもです。運動面もいいです。抑え気味の記事づくりが好感持てます。一般紙は鼻につくところがあり、紙面見るだけで疲れます。

一個人投資家さん、どうもです。私も似たようなものです。

システム5.1さん、どうもです。古参としてのご意見、重みがあります。

sarusaruさん、どうもです。愛ルケは困りました(笑)。北方謙三は良かったですが、今の連載はどうなんでしょう。ちょっと趣味ではないのですが…。

パットメセニーさん、どうもです。ああ、あの温泉の記事、結構読んでました。行きたくなるんですよね。

biaslookさん、どうもです。なるほど。そういう使い方もあったのですね。参考になります。まとまった本があるのは、ちょっと分からないです。すいません。

Commented by 小野(東京都 港区) at 2008-11-08 23:14 x
日経といえば...06年暮れ12月だったと思うが、「風邪で(笑)」、しきりと通院していた頃
(汐留クリニックてとこ)待ち時間中読もうと日経と日経金融(現ヴェリタス?)両方、
もっていってました。で、例の「穀物相場」について、その当時からとりざたされることも
かなり多かったと思うんですが日経=おさまるであろう、に対し
日経金融=油断は出来ない、みたいに
ある種正反対(、と僕には思えたんですが...)みたぃに両紙に載ってたのが今でもかなり印象に
残り続けてる・・・06年12月の確か08日、かな??
今も記念の様に?手元に置いてる(、しまいこんでてチョットわかりませんでしたが(汗))の
ですが・・・結果は・・・ご承知の様に、07年はあーゆー感じで・・・
Commented by bank.of.japan at 2008-11-08 23:17
小野さん、どうもです。確かに論調が異なる場合はあります。個々の筆者の論調に委ねている面もあるかもしれません。
Commented by 小野(東京都 港区) at 2008-11-08 23:22 x
もっとも
そのあと現在08年は、~なにも穀物相場ばかりにかぎらないかもしれませんが~、これまた
逆に?ああなっちゃったわけで。
こちらのすこしまえのエントリーでお書きになられてた「コモディティ下落予想」の記載、本当に
ズバリ的中かな!?と今でも感心する事しきりです。と同時に
現在無くなった(?)が、
さすがに金融とついてたぶん??、日経金融の方が

少なくともこの件では

あたってたかな、なんて事も。ぁ、日経について書かなきゃならなかったかナ?・・・ちなみに

この近辺では(当時の)日経金融新聞は、JRの売店くらいでしか販売されていなかった様なの
ですが、ボクはちかくの新聞販売所でしばしばこの日経金融買ってました、たまに前日のなんか
がなんか?、残ってたりして「もらえること」、あったりなんかもしてた(笑)
Commented by toroika at 2008-11-09 06:02 x
ほお 日経の経済以外の面が評価されてること初めて知りました。
 個人的に書評をコレクションしているので過去の記事はすべて集めてますね。日経金融新聞はあまり読んだことがないのでわかりませんが
金融以外の特集も組まれているのでしょうか?
Commented by himawari at 2008-11-21 10:14 x
本石町さん、初めまして。

私には一時期、人生も趣味も要らないくらいに打ち込んだ仕事がありました。それなりにハードでストレスも多い仕事でしたが、そこそこ下っ端でしたのでマネジメントの思想(あるいはその変遷)に振り回されることもなく、ひたすら好きで仕事しました。

多発テロなどで物騒だったロンドンを通勤しながら、ここでなにかあって死んでしまってもいい、と思っていました。

その仕事を辞めなければならなくなり、友人からは「仕事なんて食べるためのものでしょ」と言われるのですが、精神的な辛さは生半可ではありません。本石町さんがおっしゃるように、熱中できる仕事に就けたということがどんなに幸運なことであったのか、今さらのように痛感しています・・・。
Commented by bank.of.japan at 2008-11-21 22:56
toroikaさん、レス遅れてすいません。日経金融は週間ヴェリタスに衣替えしましたが、金融以外の記事はあまりなかったように思います。

himawariさん、どうもです。打ち込める仕事に出会うのは、なかなか難しいのですが、出会えたなら、それだけで十分に恵まれていると思います。お仕事を離れる無念さはよく分かります。今後、熱中できる仕事に出会えることをお祈りしております。頑張ってください。
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