売手仲間が増えた=スウェーデンやスイスも(追記 イギリスも追随)
 準備預金付利の一連のエントリーに関連して、複数の日銀幹部からスウェーデン、スイスなどが「売手(売出手形)」に相当する吸収手段を導入した、と知らされた。うかつでありました。このところ各国中銀の対応をよく見ていなかったので見逃していた。
スイス中銀は10月15日に以下のステートメントを出していた。
Swiss National Bank issuing SNB Bills to steer money market liquidity
こちらです。
「The Swiss National Bank plans to issue its own bills (SNB Bills) on a regular basis. SNB Bills will supplement the SNB’s ordinary monetary policy instruments and ensure that liquidity in the money market can be steered more flexibly. This instrument will serve to absorb liquidity, thereby neutralising the monetary policy impact of measures to inject liquidity」とのことです。
スウェーデン中銀は10月10日に「Riksbank issues Riksbank Certificates」との声明を出しておりました(こちらです)。
「The Riksbank has decided to issue Riksbank Certificates starting on Tuesday, 14 October. The certificates will have a time to maturity of seven days. Issues of the new certificate will be made every Tuesday until further notice. The interest on the certificate will be fixed and equal to the repo rate. ”This is a step in the Riksbank’s ongoing actions to assist the smooth functioning of the Swedish financial markets," says First Deputy Governor Irma Rosenberg」です。
ご興味ある方は直接ステートメントをご覧ください。
 イングランド銀行も導入するとの話を聞いたが、このステートメントでははっきり分からない。どなたかご存知あればご教示お願いします。
 まあ、箸使いが増えたことは各国の金融調節の日銀化が進行しているわけだが、これはインタバンクが危機的になった証左であるので、売手使いの中銀増殖は不幸なことである。
 ちなみに流動性危機が完全に沈静化すれば売手みたいな手段は不要となりそう。でも、日銀は止められない。なぜなら銀行券・財政要因の振れが大きく、これを均すうえで売手が必要だから。マラソンに例えると、各国中銀は普段は平地を走っていたが、いきなりクロカンに突入。日銀は普段からクロカン状態で、これが今はやや山岳走に近い状態(でもまあ平気でこなしている)。平時に戻ると、各国はまた平地マラソンに戻るが、日銀は平時がクロカンなので馬車馬調節続きます。ご苦労さんです。

追記 イングランド銀行も追随しておりました。6日発表です。ステートメントの冒頭は以下の通り。

SCREEN ANNOUNCEMENT

BANK OF ENGLAND OPEN MARKET OPERATIONS TO DRAIN RESERVES

「As part of its monetary operations, the Bank of England is today announcing that it is preparing to conduct open market operations (OMOs) to drain surplus reserves through the sale of Bank of England sterling bills.」

ホームページのかなり奥まった部分にあり、普通に探したら見つからない。SCREEN ANNOUNCEMENTとあるが、これはマーケット向けアナウンスで済ませたみたいである。ひっそりと導入された感じ。ちょっと恥ずかしいのであろうか。
場所はこちら
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by bank.of.japan | 2008-10-22 21:08 | 日銀 | Comments(11)
Commented at 2008-10-22 21:43 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by bank.of.japan at 2008-10-23 13:00
非公開さん、どうもです。各国調節部隊から見ると、日銀はかなり異常なことを平然とやっているように映るらしいです。バックオフィスも含めて特殊部隊かもしれません。一方、国庫の一元管理によって財政の振れの予測性が高まり、調節面で先手を打てるメリットがあり、その分短期金利誘導が精緻にできると思われます。財政資金の民間預託は日銀B/Sの縮小要因となりますが、日銀に財政受け払い情報が十分に集約されず、短期金利は振れやすくなり、オペ負担が減るかどうかは何とも言えないです。まあ、金利振れてもOKなら負担は減りますが…。
Commented at 2008-10-23 21:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by wbj at 2008-10-24 13:27 x
久しぶりの投稿させていただきます。当エントリーとは直接関係無い話で恐縮ですが、日銀が利下げにここまで否定的な理由は何でしょうか?
この円高・株安状態ですから、25bpずつ下げて、それでも効かなければ、また量的緩和を再開してもいいのではないかと思うのですが。
景気回復の兆候が出てくれば、量的緩和の解除と利上げをすれば良いだけの事で、どうして機動的な対応が出来ないのでしょうか?
現時点で、日銀がインフレのリスクについて本気で心配しているのだとしたら、浮世離れしているように思えるのですが・・・
Commented by PK at 2008-10-24 21:09 x
日銀が利下げをしない理由は、私の解釈では、日銀からのささやかな年寄りの保護ですね。
日本政府を信じた老人は、今、みんな恐怖で恐れおののいていますよ。
年金の記帳もできない官僚、貯蓄から投資のスローガンを信じたら財産が半減。年金も漸減。医療も崩壊。
誰も保護してくれない、守ってくれない。
私は老人じゃないが、可哀想になってきますね。
与謝野。株はいずれ落ち着くって、先物主導なんだから、落ち着くわけないですね。先物ってのは、ゼロからわざわざプラスマイナスに分かれて始まるんですよ。落ち着くってのはゼロってことです。
Commented by bank.of.japan at 2008-10-24 21:51
非公開さん、どうもです。ご案内のように加重平均死守の人達です(苦笑)。ご指摘の通りでしょう。

wbjさん、どうもです。まあ、わたしもざっくりとそんなイメージです。インフレリスクは本気ではないでしょう。


PKさん、どうもです。それもちょっと考えにくい理由です。ちなみに、この間来た私の年金履歴はちゃんとしていました。むしろ、転職暦の確認になったぐらいです。
Commented by wbj at 2008-10-24 22:32 x
>bank.of.japanさん

早速にお返事ありがとうございます。
利下げと量的緩和もそうなのですが、私は、日銀が株式の取得を再開することも真剣に検討すべきだと思っています。
金融機関や生保の多くで、保有株式が含み損に転じてきており、金融機関のB/Sの安定化→貸し渋りの緩和、という大義名分もあると思うんですね。
東証一部の時価総額が250兆円まで減ってきていますから、5兆円程度買う、というアナウンスだけでも効果は絶大だと思います。
5年も保有すれば、今の水準で買って損をするリスクは極めて限定的でしょう。これで、日銀のB/Sの悪化が仮に嫌気されるとすれば、円安要因ですから(笑)、今の事態においては、却って好都合かもしれません。
何を買うかという問題もありますが、TOPIX型のETFを買うのが一番透明性があり、実務的にも簡単だと思います。
今のまま株価の下落を放置する事に比べれば、遙かにコストの安い対策だと思うんですが、日銀エリートはこういう事には、生理的に嫌悪感を持つのでしょうかね・・・
如何思われますか?
Commented by 小野(東京都 港区) at 2008-10-26 00:23 x
次のエントリでも投稿させて頂きましたが株の(凍結だけじゃなく)買取再開(検討)と、
更に日銀にも要請(同じく検討中?)って話も入ってきました。でも、どうだろ??
(あくまで建前上はですが)「各行の(=銀行保有株)下落中の株買取→現金」、もって
「自己資本比率低下阻止 & 貸し渋り対策」、と

いうふうにも聞いてます、wbjさん御指摘の様にアナウンス効果もむろん考えられ
そうだという気もするが、
株売却時に各行いったん資産は低下しちゃうのでは??元々
既にもう株価下落してるって事もあるし。「貸し渋り対策として意味あるのか?」、て

気もしちゃったんです。だって ”今日本の金融機関は例外的に世界一安全” なんでしょ!?

それなのに更にまだ株買取必要なの?、あと「金融機能強化法改正」も勿論。中小企業対策
とか国内銀行は海外に比べ元々株保有多い、てこと ”だけ” ですか!?、と


いう事なのですが。「総裁、副総裁人事で沈黙(?)」してた民主大塚耕平氏が「農中のCDO、ABS」
についてやたら言及されてらっしゃる様なんですよね、農中+CDO等で一杯検索されます。
Commented by 小野(東京都 港区) at 2008-10-26 00:30 x
「全く単なる偶然に過ぎない」かもしれませんが、あの1994だったか1995だったかの、
旧大蔵省(のいわば密約の?)農林系ノンバンク6850億債権~、の話とアーンド
「円高」、
のことなどふと脳裏に蘇って
しまったんですね、(10数年周期というか何と言うか??、マ、ただの偶然と思います・・・)
Commented by 小野(東京都 港区) at 2008-10-26 00:51 x
ひょっとして14日開始(即実施?)のあの自社株買い規制緩和が今いち(or殆ど?)パっと
しないのも、あるいは
「(海外ばかりか)国内銀行も、それどころか上場企業までもが資金運用に2の足躊躇してる」、

って事か・・・・・??、( 農中のCDO、ABSが理由と考えるとスンナリ判りやすいって気もするが?? )


あと、関係有りませんが日銀内では「元日銀」大塚耕平氏ってど-ゆ-評価なんだろか、
あの「総裁、副総裁人事で全く沈黙し続けてた」大塚耕平氏、ですが(超汗)・・・・・
Commented by ななし at 2008-11-11 21:48 x
自社株買い解禁と言ってもあんまり期待出来ないようです。

 政府は今月半ばに、自社株買いの一部規制を緩和し、買い付け可能な範囲を、直近4週間の1日の平均売買高の25%から、100%に引き上げた。

 ところが、自社株買いには、通常のオークション市場での買い付けのほか、立会外取引や市場外買い付け(公開買い付けなど)など複数の方法があるのに、今回の規制緩和は、オークション市場にしか適用されなかった。このため、大和総研の金本悠希研究員は「実効性が弱い」と懐疑的にみる。

 また、自社株買いは、会社法で財源規制が課されており、買い付けは株主への分配可能額の範囲でしか許されない。

 業績が低迷している企業は、自社株買いを行いたくても、財源規制によって、買い付け株数が限られてしまうのが避けられない。

 このように、今回の金融商品取引法令に基づく規制緩和は、1日当たりの買い付け量の上限を引き上げただけで、自社株買いの決定権を持つトップを含めた経営判断を引き出すほどのインパクトはなく、「会社法を含めて見直さない限り、自社株買いが大幅に増えることは見込めない」(金本氏)との見方が一般的だ。
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