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「銀行券・流動性預金の高止まりについて」の日銀レビュー=やっぱり輪番増額でしょう
 まずはオリンピックの雑感。
・柔道 男子が不振だったが、これは日本の武道の一「柔道」がグローバル化に成功した証であり、ある意味歓迎すべきことなのだろう。競技人口が増えると、それにつれて試合スタイルも徐々に変わり、柔道がjudo化するのは仕方がない。石井選手(結構一本勝ちしていた)の取り組みはいいんじゃないだろうか。
・女子ソフト 金メダルは感動。宇津木・元監督の解説、絶叫が多くて解説の呈をなしていなかったが、最後のシーンまで来ると感動を盛り上げる効果があった。
・金メダルの数 案の定、マスコミ報道は前回に比べて大きく減ったことをクローズアップしておりましたが…。この点、やっぱり日刊イトイ新聞での刈屋さんの読みは素晴らしい、と改めて思った。

 で、表題の日銀レビューである。詳しくはこちら。結論から言えば、これはやはり国債買い切り(輪番)オペは増額した方がいい、ということではないか。タンス預金が30兆円と推計され、これが「金利変動が小幅に止まる限り、高齢者の保有行動は大きく影響を受けず、高止まりが続く」とするなら、今後金利が上がる状況は当分来ない(むしろ下がるかもしれない)ので、高止まる公算は大きい。
 30兆円は日銀の「コア負債」みたいなもので、銀行ALMのコア預金概念に照らせば、30兆円の銀行券(負債)は長期調達とみなして資産側に長期債を新発で持ってもよいわけだ。輪番を増額するか、保有国債の乗り換えルールを昔に戻す(新発乗り換え=この場合は市場からの買い入れは減る)しかないのでは…。
 現在、銀行券残高と保有国債のギャップは30兆円ぐらいで、これは短期オペでぐるぐる回されている。短期市場が安定化を強め、イールドカーブがフラット化していくと、短期オペで回し続けるのはきつい感じである。輪番増やさないと、結果的に短国アウトライトを増やさざるを得ないように思うが、どうでしょう。素直に輪番増額ではないでしょうかね。
 
by bank.of.japan | 2008-08-27 20:16 | 日銀 | Comments(8)
Commented by walrus at 2008-08-27 22:26 x
金利を連続的に上げられる状況がきて、券の金利感応度が漸く高まることで券が減ってルールに抵触してしまうリスクが仮にあるのならば、現段階での輪番増額は将来における減額実施リスク(いたずらな市場ボラティリティー)を高めてしまう要素となり、好ましいとは判断されないはず。今回のレビューは、確かにこのリスク意識(未練)を捨てたかのように読めます。実施する場合は、あくまでも技術的な対応であり、利下げの代替措置といったニュアンスを与えないのが筋ですが、果たして?
Commented by walrus at 2008-08-27 22:54 x
同レビューの最後に「ただし、先行きを考える上では、高齢者の金利感応度が変化することによって、こうした資産選択行動が再び大きく変わる可能性にも十分注意する必要がある。 」と書いてあるのを認識してませんでした。まだ、踏ん切りが付いたとはいえないようですが、ただ、こうしたレビューが出ること自体、思わせぶりな感じもします。
Commented by かるパース at 2008-08-27 23:29 x
おしゃるように輪番オペなどの成長通貨、タブンこの場合をそれを超える流動性供給による、物価上昇期待の醸成(たんす持ってても実質価値は目減りするよという幻想)ってやつをやるしかないでしょうね。本件の政策的な有効性およびその経路については政策的論拠および実行性については議論すべきでしょうが、そんなことしてる暇ないので、金融当局としては、一番やなかたちですが、やらざるえないでしょうね。
Commented by bank.of.japan at 2008-08-28 00:15 x
walrusさん、どうもです。二番目のコメントですが、日銀としては、高齢者の世代交代、すなわち今の高齢者よりも金利感応度が高い団塊世代が年を取れば、この世代はタンス預金を金融システムに戻すか、投資をするだろう、という読みです。これも気の長い話ですね。白川総裁は愚直なので、輪番増やすときは技術論をしぶとく説くと思います。

かるパースさん、どうもです。リフレ政策的にはご指摘の通りかと。その方向には日銀は簡単には動きそうもないですが…。
Commented by K at 2008-08-28 09:05 x
金メダルの数は選手強化費から見ると妥当な線でしょう。費用対効果は良いように見えます。
日本より多い国は多額の資金を投入しています。

韓国でも日本の二倍以上。好成績で支持率が上昇したので、正しい政策とは言える。
Commented by osome at 2008-08-28 17:31 x
大した話しではないですが、次に開催する英国の金メダルの数が、ほとんど印象に残っていないのに多いですよね。
そこでちょっと調べてみたら、自転車とかヨットで大量に獲得しています。単なる数では価値は量れませんね。印象度からしたら、陸上短距離のジャマイカが強烈だったように思います。オリンピックは、運動会の大掛かりなものという私の観念的な印象でしょうか…。
Commented by 飛車 at 2008-08-28 22:03 x
オリンピックは国家がスポンサーとなるプロ競技じゃないかと思ったりして。

日銀のレポートは・・・。弱インフレを維持していれば、こんな事は無かったものをという印象。また、金利感応度って実質金利の事でしょうか?
最近、白川総裁の発言なんかも、結局やっぱり日銀の中の人だなぁと言う印象のものが多く、なんかがっかり中です。
Commented by bank.of.japan at 2008-08-28 22:17
Kさん、どうもです。強化費用の増額はもっとも分かりやすい手ですね。精神論だけでは難しい面もありますので。

osomeさん、どうもです。各国が放映する競技はそれぞれ嗜好があるようです。知り合いの英国人に聞いたら、英国ではボートや自転車など人気みたいです。

飛車さん、どうもです。プロ級の取り組みを余儀なくされるので、メダル増大にはやっぱり強化費用の増額が手なのでしょう。白川総裁は、まあ日銀のど真ん中の人だと思います。
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