LIBOR問題、これもデジャブーですね=ところでTIBORの意義だが…
 かなり旬の過ぎた話題で恐縮でありますが、一部で話題となったLIBOR問題(実勢よりも低いのはおかしいだろ)について。この件に関するBBA(British Bankers' Association=英銀行協会=日本の全銀協に相当)の問題意識は大いなる正論なので分らないでもないが、まあそんなにガチガチ言わんでもいいんじゃないか、という思いも多少はあるわけです。不良債権問題を経験した邦銀関係者にはデジャブーみたいなものですし…。
 LIBORとほとんど位置づけが似ているTIBORのベンチマークとしての存在意義も厳密に詰めると結構難しいものがあって、そういう原資産をベースにした先物(ユーロ円金利先物)を「金融政策の行方を占うんじゃー」とか言ってトレードされる意味は何か、とか、それを見て市場が織り込む金融政策の経路とか言う中央銀行(日銀です)もいたりして、架空の架空の架空みたいな積み重ねもあるような印象を受けたりもする(気のせいかもしれませんが・笑)。
 話を元に戻せば、LIBORは各種金融取引の世界的な基準となる指標金利であり、それであるがゆえに膨大な規模(派生商品の想定元本を含めると天文学的な金額)の金融取引の基礎となっている。LIBORという地面の上にいろんな高層ビルが立ち並んでいる感じであろうか。
 基本的な概念(多くの関係者の了解事項)として、メジャーバンクの出すレートを平均したLIBORは概ねファンダメンタルズの変化(景気循環&それに伴う政策金利の変動)に沿って変動する。クレジットリスクに関してはかなりフリーに近いレートであると言えよう。
 つまり、金融システム全体が不良債権問題を食らって主要な金融機関のクレジットリスクが増大してレートがジャンプすることは基本的には想定していない。立ち並んだ高層ビルはファンダメンタルズ要因の穏やかな変動(振動)はこなすが、クレジットリスク増大による急変(激震)はほとんど想定はしてない。安定岩盤と思っていた地面がいきなり脆弱化する感じだろうか。
 BBAは、理由はともかく地面が揺れたんだから、地面の揺れをそのままレートに出せ、という要求であろうか。まあ、これはこれで正論なのだけど、安定岩盤を想定してビル(ポジション)を作った人々(金融機関のクレジットとは無縁な主体)にとってははた迷惑な話でもあり、金融システムの動揺はいずれ落ち着く(クレジットリスク発生は一時的)と達観し、しばらく静観するというのもアリかなとは思った。
 ちなみにTIBORの決定要因は①市場実勢②あうんの呼吸③プライド-とか言われてもいた(今はどうかは良く分からない)。
 関係者はこれを機にリスクフリーの基準金利というものを考えても良いかもしれない。レポ金利ですかね。

昔話 都銀がもっとたくさんあった時代、住友銀行や三和銀行など関西系のTIBORはちょっと高めだった。そこで「OIBOR」(Osaka Interbak Offered Rate)とか言われたりした。

まあ、TIBORについてはいろいろあるので、また機会があれば書きたい。
[PR]
by bank.of.japan | 2008-04-22 21:19 | マーケット | Comments(16)
Commented by ただの銀行員 at 2008-04-22 22:25 x
アメリカの標準的な金融の教科書の定義では
金利=実質リスクフリー金利+インフレ率(=名目金利.米国TB90日)
    +デフォルトリスクプレミアム
    +流動性プレミアム
    +期間プレミアム
ということで、米国債金利をリスクフリーであることを前提として、
LIBORは金融機関の諸リスクプレミアムを反映したものになるのでは
ないでしょうか。
Commented by ただの銀行員 at 2008-04-22 22:49 x
上記はもちろん米国債が無リスクであることが前提にあります。
また、銀行の流動性もソルベンシーも何ら懸念なければ、限りなく、
銀行間金利も無リスク金利に近づくことになるのでしょうが。
Commented by TI0003M at 2008-04-22 23:09 x
たしかに「あうん」はありますね。笑
足切りにはなりたくないーーって言う。
あと、TIBORは内部の仕切りレートになってたりしてなかなか動かないですね。
たまに期越えになってレートが跳ねるときにレート変え忘れて、
前日と同じレート出してるとこがいたり、、、
ユーロ円TIBORと日本円TIBORでずいぶん違ったりと。。。
いろいろTIBORは不思議なとこありますね。
まぁ不透明性が日本的と言えば日本的ですが。。。
Commented by 必殺LIBOR崩し at 2008-04-23 00:25 x
くまででも仮定の話ですが、平均Rをつぶす為に色々作戦が-----.
Commented by でLIBORは築地と一緒 at 2008-04-23 00:32 x
ということで、別にLIBOR決める金融機関は、なか卸なわけで別に自分bのところで、いい肴が手に入れればいいわけで、そのためにはかけ引きあるわけですよ、それを汚いといわれてはね。
Commented by 日本人って at 2008-04-23 00:54 x
なんか公的にある人は、みんなやっぱり、水戸黄門とかトウヤマの金さんと、暴れん坊将軍だとか思ってるんだろーね。
Commented by bank.of.japan at 2008-04-23 01:00 x
ただの銀行員さん、どうもです。ご指摘の通りですね。現状は、証券化商品の不良化によってデフォルトや流動性の面でリスクが増大した状況でしょうか。平時であればリスクフリーにプラスアルファのプレミアムが若干付き、このプレミアムはあまり変動しないというイメージです。

TI0003Mさん、どうもです。なるほど、「あうん」はなお健在ですか(笑)。ちなみに内部の仕切りレートは、決める側(資金部とか)は高めにしたい、というインセンティブがあるものでしょうか。まあ、あまり無茶はできないでしょうけど。バンキングが金先でがんがんやり、自分でTIBOR出すのはちょっとグレーかなと思ったりもしますが…。考えすぎですかね。
Commented by bank.of.japan at 2008-04-23 01:05 x
必殺LIBOR崩しさん、どうもです。色々作戦はあるかもしれません、よく分かりませんが。ちなみに、LIBOR&LIBIDを義務化(そのレートでの取引に必ず応じる)すれば実勢になるのではないかと。もっとも、変動性が強まるかもしれませんが。
Commented by JY0003M at 2008-04-23 21:06 x
LIBID。確かに。LIBORしか目にしないので、これがオファーレートというのをついつい忘れてしまいます。LIBORファンディング前提でオファーを使って値洗いするのは至極もっともなのですが、ついついミッドのように扱ってしまいます。

さて、真正の円リスクフリー・レートとは何か、というのは実に鋭いご質問です。無担保O/Nはたぶん明日までのリスク・フリーと考えてよいのですよね?OISを利用すれば、2-3年までの無担を使ったリスク・フリーレートはなんとなくカーブが引けそうですが、どれだけクォートに信頼性があるのかよくわからないです。その先はJGBから引くのでしょうか。最近はゆがみが激しいし、長いところなどはLIBORより高いので、とてもリスク・フリーとは言いがたいですね。真の円リスク・フリー・レートとは何なのか。考えさせられるエントリーでした。

もひとつ、ユーロ円TIBORには、オフショアのカウンターパーティ・リスクが入っているのでしょうか?日本円TIBORに比べて1ベーシス程度高めに出ている感じですが…。LIBOR中心ですので、TIBORの世界はよく分からないことが多いです。
Commented by Beru at 2008-04-24 00:39 x
日本円Tiborは、たしかa/365でクぉーとするはずですから、パッと見のレートはZTIBORより高いのではないでしょか。

地面。。。なるほどです。この辺の基礎的な考察をもっと聞きたいですね。みなさん。
Commented by JY0003M at 2008-04-24 01:32 x
Beruさん、すみません、きちんと書かずに曖昧になってしまいましたが、ZTIBOR×365/360でa/365にひきなおしてDTIBORと比べた場合、Z(ユーロ円)の方が1bp程度D(日本円)よりも高くなっている、という意味です。同じ銀行さんの内部で、ZとD、どのように決めておられるのか、興味あります。
Commented by 経済ニュースゼミ at 2008-04-24 18:29 x
ライボーって何だったけと、何度も聞いた幹部が大蔵省にいました。
これ、本当か、どうか?
Commented by TI0003M at 2008-04-24 20:46 x
普通は日数の違いだけなんですが、ZとDではリファレンスバンク(外銀)が異なっています。
平均レートの差異はその辺からでてきます。
Commented by JY0003M at 2008-04-24 21:22 x
TI0003Mさん、ご教示ありがとうございました。なるほど、個別行でのZとDの差というより、リファレンスバンク間での差が主となっていたのですね。勉強になりました。
Commented by bank.of.japan at 2008-04-24 22:50
JY0003Mさん、どうもです。ご指摘のようにリスクフリーレートをイールドカーブできれいに描き出すのは、現物債も歪みがあって難しいです。引き続きよろしくお願いします。

Beruさん、どうもです。地面の話はまた機会があれば取り上げます。貸出金利の地面(基準)とも絡んで論点は多いと思います。

経済ニュースゼミさん、どうもです。まあ、どちらかといえば、金融の細かい話ですので、知らない幹部がいても不思議ではないと思います。
Commented by PK at 2008-04-25 18:00 x
東京市場は世界経済を支えた
SWFなんかより凄い貢献をしている
外貨準備をSWF化するより、年金資金で13500円あたりまで買い支えに廻った方が良い
<< (一部の)農林業再生のチャンス... スーパーな人材の流出で思ったこ... >>


無料アクセス解析