本日の株価は急騰でありました。GDPが予想以上に強かったことを好感したと解説されている。ただ、GDPが強かったのは、部分的には特殊要因も指摘されており、それに過去の数字であるので、株高が景気の先行きを楽観したものとは思いにくい。荒天が続く中で、たまたま晴れ間がのぞいた、という感じでありましょうか。
日銀ではしばらく前から「GDPは意外に強いのではないか」との見方が出ていた。ミクロのヒアリングで何か感じがつかめたのだろうか。エコノミストの分析などを参考にすると、GPD押し上げに大きく寄与した「設備投資」の構成項目のうち、「建設投資が上振れの原因であった可能性がある」のかもしれない。いずれにせよ、設備投資は最近は下方修正される傾向があるので、株高の一因としても「一過性のポジティブサプライズ」のように思える。 興味深いのは、建設投資の上振れが事実であったとした場合の理由。何でしょうね。観測ベースの話としては、シャープの大阪(堺)工場とか、街づくり三法要因の駆け込み建設とか、いろいろ言われているが、あまり持続性のある動きではないような気がする(詳しい方はご指摘を)。 今後に目を向けると、今回のGDP押し上げのもう一つの要因であった外需(これも輸入が弱い=内需が弱い)も、これからは低迷しそうであるし、消費は引き続き冴えない(腰折れのリスクあり)ので、また天候は悪くなりそうであります。 なお、ユニットレーバーコストはマイナス継続でした。貧乏暇なし感が強まっているのは、体感に沿った動きです(苦笑)。 でも、株が上がると、ホッとしますね。
by bank.of.japan
| 2008-02-14 22:34
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Comments(33)
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dell
at 2008-02-14 22:45
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GDPデフレータはマイナス幅を拡大してましたね。
つまり、去秋の日銀はデフレが加速する中で利上げを検討していたということになるわけですが、これってスゴくないですか?
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>dell
at 2008-02-14 23:43
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GDPギャップの動きからすれば、利上げは当然検討たり得るでしょう。
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bank.of.japan
at 2008-02-15 01:00
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dellさん、どうもです。利上げを画策していたフシはないと受け止めてましたが、確かに景気はよろしくないですね。検討すべきは「利下げ」でよろしいでしょうか。一応、念のためです。
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飛車
at 2008-02-15 01:45
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10~12月の年率換算って、2007年の合計ではなく、単に10~12月を季節調整して12ヶ月分に換算したものです。2007年通年で見ると若干成長率が鈍化しています。また、季節調整マジック(10~12月はいつも高め)を排除するために前年同期比で見ても成長率は鈍化しています。
この程度の数字に市場が好感するというのは、市場が「よっぽど酷い状況」を想定していたと言う事では?
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dell
at 2008-02-15 08:25
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>GDPギャップの動きからすれば、利上げは当然検討たり得るでしょう。
デフレが加速していることから見て、1%半ばという日銀の潜在成長率推計が過小推計であるか、現在のGDP水準が潜在GDP水準からかけ離れて小さいか、あるいはその両方であるかのいずれかでしょう。 デフレが加速している状況での利上げは、血圧が下がってショックを起こしている患者に降圧剤を投与するようなものですねw
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dell
at 2008-02-15 08:28
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>bank.of.japanさん
当然利下げすべきだし、効果が不十分なら、量的緩和の再開も躊躇すべきではないでしょう。日本は他国に教訓をたれる前に、まず自らがやるべきことをやるべきだし、それが世界経済の安定にも寄与すると思います。
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luke
at 2008-02-15 09:35
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飛車さんが書かれているとおり、10-12月期のGDPは毎年高めに出る(去年なんか、年率+4.8%、その次の四半期は悲惨でした)のは有名なのですから、予想がそんなに低かった方が不思議です。
GDPギャップから需給を判断して物価上昇を予測するより、物価そのものを見た方が簡単: http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/harada.cfm?i=20070409c3000c3
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bank.of.japan
at 2008-02-15 21:44
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飛車さん、どうもです。株高の主因がGDPだったかどうかは何とも。後付けの理由として都合が良かったのかもしれません。下方修正される可能性高いと思います。
dellさん、どうもです。ショック死するかどうかはともかくこの局面での利上げは論外でしょう。方向は利下げと思います。 lukeさん、どうもです。コアコアCPIを見たほうが早いですね。需給ギャップで見るのはどうも違和感あります。
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dell
at 2008-02-15 22:19
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そもそもGDPギャップというのは推計方法によってかなり値が違ってきます。だから、そのような信頼度の低い指標に依拠して考えるより、物価指標そのもので考えたほうがベターでしょうね。
そしてデフレの加速がデフレータで確認された以上、日銀は速やかに緊急利下げするべきでしょうね。
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一国民
at 2008-02-15 22:28
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昨年11月のまちづくり3法改正のことに触れられておりますが、これは意外に大きな影響が出ています。
一般には大規模スーパー建設だけが影響を受けるかのように思われていますが、病院や社会福祉施設なども建設が事実上困難になっており、建設を断念するケースが増えています。なので建設投資は更にマイナスに振れると思います。(建築基準法に加えて都市計画法の開発許可基準に適合させなければならない=立地基準が厳しい→建設困難・断念ということです)
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bank.of.japan at 2008-02-15 22:29
dellさん、どうもです。前段部分は同意です。後段は、日銀へのメッセージですね。彼&彼女らは読んでいるので、伝わるでしょう(実行するかどうか不明ですが)。
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bank.of.japan at 2008-02-15 22:33
一国民さん、どうもです。駆け込みでプラス方向かと思ったのですが、逆方向への作用ですか。参考になりました。ありがとうございます。ご指摘の通りだと、建設投資が年功以降に前年比プラス化するとの政府・日銀の見方は外れそうですね。
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一エコノミスト
at 2008-02-16 08:53
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>デフレの加速がデフレータで確認された以上、日銀は速やかに緊急利下げするべきでしょうね。
??? デフレの加速(利下げ材料) -0.6 → -1.3 0.7% 下振れ 成長の加速(利上げ材料) 1.3 → 3.7 2.4% 上振れ 結論は利上げ
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dell
at 2008-02-16 12:29
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>一エコノミさん
成長が加速すると利上げしなければならない理由は何ですか? 成長が加速していようが(現実には前年比ベースでは減速していますが)、インフレが加速していない以上、利上げの理由は全くないはずですが。
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一エコノミスト
at 2008-02-16 19:32
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>成長が加速すると利上げしなければならない理由は何ですか?
10-12の数字は、デフレが加速する中で成長が加速しているでしょ。だから、利上げしてデフレがさらに加速すれば、成長も加速して万々歳じゃないですか。 な、訳ないですよね(^^)。要するにこういう異常な統計数値が出たときはそれを前提に政策を考えるのは無茶だということです。ちなみにデフレーターのマイナスが加速しているのは、デフレが加速しているのでなく、輸入がGDPの控除項目で原油の上昇がマイナス要因にカウントされるという技術的な問題でしょう。
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luke
at 2008-02-16 20:49
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一エコノミストさん:
>異常な統計数値 四半期の、しかも一次速報はあてになりませんが、前年同期比をみればトレンドはかなりわかりますよ。 実質成長率2.0%, GDPデフレータ-1.3%、ここ数年のデフレ(ややましになっていた)が、また逆戻りしただけですね。 >デフレーターのマイナスが加速しているのは、デフレが加速しているのでなく、輸入がGDPの控除項目で原油の上昇がマイナス要因にカウントされるという技術的な問題 これは「技術的な問題」などではなく、マネーサプライが伸びないまま輸入原材料の物価が上昇すれば、国内の付加価値価格には下落圧力となりますから、GDPデフレータが下がるのは当然で、それがまさに「国内で生産された付加価値の価格」を正しくあらわしているわけです。
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dell
at 2008-02-16 20:58
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>輸入がGDPの控除項目で原油の上昇がマイナス要因にカウントされるという技術的な問題
つまり、原油価格の上昇により非輸入財の需要低下が起こり価格が下がっているという事ですよね? しかも、今回のGDPは速報値で、堅調だった設備投資の統計には中小企業ぶんが反映されていません。中小企業ぶんを含む確報値では設備投資が下方修正される可能性が大です(これまでもそういう例多かったですよね?)。 だとしたら、やはり検討すべきは利上げではなく利下げではないでしょうか?
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一エコノミスト
at 2008-02-17 21:14
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>つまり、原油価格の上昇により非輸入財の需要低下が起こり価格が下がっているという事ですよね?
いえいえ単純に輸入デフレーターのマイナスが全体のデフレーターを押し下げてるということです。実際国内需要デフレーターはむしろ改善しています。要するにポイントは純粋なサプライショックによる輸入価格上昇がインフレとデフレの両面の影響をもたらすということです。だからCPIの上昇とデフレーターの下落という現象が同時に起きているのです。それは産油国への所得移転に伴う必然的な結果ですから経済政策で打ち消すことは不可能です。従ってCPIが上昇したことを以って利上げを正当化するのも、デフレーターが下落したことを以って利下げを云々するのも早計というべきでしょう。
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luke
at 2008-02-17 23:53
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はてさて...「エコノミスト」を名乗る方で、こういう理解の仕方をしている人がいるとは。
まあ、閣僚にも以前に「原油の輸入を考慮しないで考えれば、デフレータは限りなくゼロ」とかとんちんかんな事を言っていた人はいましたが。 生産のうちの一部だけを切り出して上がった下がったと喜んでみても、国内生産物の価格水準全体が下がっている現実には変わりないわけです。 で、CPIは速報性があるから使われていますが、経済学的な「物価」としてはさして意味のないものですから…(経済政策でどうしようもない原油高とかの影響がもろに入ってしまう)。 経済政策を語る上でのインフレ・デフレの定義には本来GDPデフレータを使うべきであり、CPIは速報性のために仕方なく使う(それでも、せめて原油とかの影響を除くためコアコアCPIを使い、上方バイアスを考慮する)というのは、あまりに初歩的な話と思っていましたが。
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若手経済学徒
at 2008-02-18 00:39
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マクロは全然専門ではないのですが、標準的な経済学のテキストに載っているようなことを知らない、エコノミスト、官僚・日銀関係者(特に世代が上の人)が多いのですが、どういうバックグラウンドの人が、こうした職業に就いているのでしょうかね。
とりあえず、学部レベルの試験で資格審査をした方がよいのでは(笑)
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学と
at 2008-02-18 01:34
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若手経済学徒さん
このブログでセンター試験のエントリがありますが、学部レベル試験の前に、大学入学レベルの試験が必要でしょう。 一エコノミスト さん >それは産油国への所得移転に伴う必然的な結果ですから経済政策で打ち消すことは不可能です。 マンキューのブログでも出ていますが、国内需要喚起のために金融緩和でしょう。
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通行人
at 2008-02-18 01:43
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スタグフレーション(輸入財の価格上昇による相対価格の調整によって生じる不況)に対しては、金融緩和でインフレを起こして、輸入財の価格上昇以上に所得を増やしちゃって、輸入財値上げの影響を薄めちゃう事です。世界各国でこれをやるから、インフレーションは世界的に伝播するのですね。金本位制の時代は、これができなかったので、世界中で恐慌がおきました。
まあ、相対価格が元に戻る過程で金融引き締めが必要となり、そこで痛みが生じてしまうという、景気循環加速の問題はありますが。
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luke
at 2008-02-18 02:28
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> 経済学的な「物価」としてはさして意味のないもの
これはちょっち言いすぎでしたね。購買力とか、資産価格とかを考えるにはCPIが重要かも。金融商品のリターンを「インフレ率」と比べる、というときとか。 「マクロ経済政策と関連する物価としては」と言い直します。
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ゆーき
at 2008-02-18 13:53
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通行人
at 2008-02-18 15:20
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まあ、「判断は時期尚早」と言っているだけで、利上げしろとは言っていないみたいだし。
ただ、逆にFRBの利下げはどう評価しているのか聞いてみたい気が。インフレ率が下がっていない段階での利下げは時期尚早とか言うんなら整合性とれてますが、それはそれで問題かなと。
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一エコノミスト
at 2008-02-18 23:44
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Lukeさん
色々雑音が入っているようですが、問題は極めて単純です。原油価格の上昇は、CPIでは上昇要因、デフレーターでは下落要因ですが、どちらも国内の需給とは無関係なものです。だからCPIの上昇に引締めで対抗するのも、デフレーターの下落に緩和で対抗するのも「早計」と言ったのです。「早計」であって「誤り」とは限りません。それは他の要因と経済の反応に応じて最終的にホームメイドのインフレないしはデフレに移行する可能性があるからで、それを勘案して利下げもしくは利上げという判断はあり得るでしょう。 >経済学的な物価」としてはさして意味のないもの これは、一つの見方でしかありません。経済活動の最終的な成果は家計に行き着くので消費者物価が最も基本的な物価指標と言うのも一つの見方です。主要国の中央銀行でGDPデフレーターを政策上の重要な指標としているところは一つもない筈です。唯一デフレーターを使用しているFRBでも消費デフレーターですし、CPI の動きを事後的にGDPデフレーターで検証しているという話も私の知る限りありません。これはCPIが単なる「速報性」などだけで選ばれているのでないということだと私は理解しています。
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一エコノミスト
at 2008-02-18 23:58
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学とさん
>マンキューのブログでも出ていますが、国内需要喚起のために金融緩和でしょう。 マンキューのブログを読んでいませんが、私の理解とは別に矛盾していません。要するに「原油価格の上昇に基づくインフレに国内需給を引き締めるような政策をとるのは早計」ということです。日銀やFRBがインフレ率の上昇に利上げで対抗せずFRBに至っては大幅な利下げまでしているのはまさにそうした対応でしょう。日銀は利下げはしていませんが、コアインフレが1%近くまで上昇している中での金利据え置きは実質的な緩和と考えるべきでしょう。それともマンキューは国内インフレなど恐れず金融をじゃぶじゃぶにすべきとでも言っているのでしょうか?
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luke
at 2008-02-19 00:59
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えーと、えーと、どこまで戻ってご説明すればよいのやら(笑
マクロ経済学で使われるY(生産)を測ろうとする指標がGDPだ、というのはよろしいでしょうか? 国内の経済活動によって生み出された付加価値の総計です。 で、貨幣流通量と投資を操作することによって生産を操作し、失業率を適切な水準に保つのがマクロ経済政策だ、というのはよろしいでしょうか? このときの判断に重要な「物価」とは、付加価値の価格に他なりません。 したがって、インフレやデフレの定義もまた、付加価値価格の上昇・下降と定義されます。 デフレになると(賃金の下方硬直性から)失業が生じますから、経済政策でこれを防がねばなりません。 ここで、GDPで計測するのは付加価値ですから、最終製品価格から輸入原材料費は控除されるのが当然です。
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luke
at 2008-02-19 01:00
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続きです。
このように、マクロ経済学的な意味がはっきりしているGDPですが、しばしばみられる誤謬に「国内の需給をあらわすのは国内需要デフレータ」というものがあります。 国内需要は「生産+輸入―輸出」で計算されます。この名目値を実質値で割ったものが内需デフレータです。 つまり、本当に知りたい「国内生産物の価格」でなく、せっかく控除した輸入の影響を加えてしまったものになります。 輸入物価が大きく上昇すれば、生産物の価格が変わらずとも(=国内の生産物の価格が変わらずとも)国内需要デフレータは上昇してしまいます。もちろん、CPIの動きとは近くなりますが、所得や投資や失業との関係がはっきりしているGDPから、はっきりしないCPIに近づけて、マクロ経済政策に資する点が何かありますか?
Commented
by
luke
at 2008-02-19 01:01
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続き。
GDPは残念ながらデータ数が少なく、確報が出るまで3~4四半期もかかりますから、経済運営には使えません。だからこそCPIに類する指数が使われるわけですが、それでも(特に日本では)エネルギーと食糧を除く指数を用いる方が総合指数よりずっとよいのは上の議論からも明らかです。 > マンキューは国内インフレなど恐れず金融をじゃぶじゃぶにすべきとでも言っているのでしょうか? 「国内インフレ」などという要素は(マクロ経済の観点からは)どこをみても見当たらない、という点がご理解いただけたと思いますが、それでも > 原油価格の上昇に基づくインフレ などとおっしゃるようであれば、あなたの「インフレ」という言葉の定義と、マクロ経済政策との関係を教えていただきたいと思います。
Commented
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一エコノミスト
at 2008-02-19 20:05
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lukeさん
私はGDPデフレーターが国内の物価動向を現す指標として不適切などと一度も言っておりませんよ。ただ、統計としては余り信頼が置けないと思っているだけです。 >GDPは残念ながらデータ数が少なく、確報が出るまで3~4四半期もかかりますから、経済運営には使えません。 そういうことです。だから、四半期の速報に過剰反応するのはいかがかと言ったのですよ。まあ、最初のレスが若干からかい気味だったのでお気を悪くされたかもしれませんが。 そしてその四半期の数字はあなたの言われるように国内生産物の価格が前年比で1.3%下落する一方、国内の実質生産は瞬間風速で3.7%、前年比でも2%も増加したというものです。つまりデフレの中で高成長が実現したということです。ですから少なくとも私はどちらかの或いは両方の数字に問題があると考えています。 貴方が「デフレ下の高成長」という数字を正しいと信じ、そのデフレの部分だけを取り上げて利下げを主張するのであれば別に構いません。私の判断とは異なるというだけです。他人のブログのコメント欄を占領し続けるのはそろそろ終わりにしましょうね(笑)。
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dell
at 2008-02-19 21:33
x
前年比2%というのが(おそらく下方修正されるでしょうが)高成長なのかどうかはともかく、デフレによる経済成長の抑制がなければ、実質成長率はより高まっていたはずではないでしょうか?
それとも、一エコノミストさんはデフレは経済成長を全く阻害しないと考えているのですか?
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luke
at 2008-02-19 23:34
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四半期をそのまま年率に換算した3.7%という数字は(特に10-12月期が季節調整してもなお毎年高めに出ることを考慮すると)まったく信用のおけないものですが、前年同期比2.0%という数字は本当の一年分のデータを反映している分かなりましでしょう。
しかし、それが「高成長」とは?? いったいどういう基準なのでしょうか。 デフレに陥る前の日本や、他の先進国の平均からすると、どうみても高いとはいえない値ですが。 ともあれ、経済政策と無関係に動く原油価格などの入ったCPIや内需デフレータから今の日本はインフレなどと言えないことは理解いただけたようで、なによりです。 これからも「エコノミスト」として研鑚を積まれることを期待します。
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