人気ブログランキング | 話題のタグを見る
郵貯は大人用プールに入れるけど、子供用レーンを設けて隔離処理でしょう
 郵貯が来月から普通銀行になる。私はもとより民営化に反対で、基本的には「国営のまま縮小・廃止」論者だったが、今さら引き返すわけにもいかないので、無事生き延びて欲しい(ただし、民業圧迫を最小限にとどめて。無理?)。一方で、郵貯の普銀化はテクニカルな要因ながらも、郵貯保有の日銀当座預金が準備預金になってしまうことがインタバンク市場の波乱要因となる公算が大きい。
 これは量的緩和解除のころの「岩盤問題」と通じるのだが、準備預金は各金融機関がそれぞれ所要額を概ね安定的に推移させているが、郵貯はまだ安定的に推移させる体制にはないとみられる。この結果、何が起きるかと言えば、総じて安定的だった準備預金残高が郵貯要因で大きく変動し、金が余っているのか、足りないのか分かりにくくなってしまうわけだ。
 この解決策は、一つしかない。準備預金に入れるが、そのうち郵貯分がどれぐらいあるかが分かるような工夫をするしかない。準備預金残高はいくらで、うち郵貯分がいくら、と内訳を公表するか、郵貯を除いた分の積み進ちょくを示してあげるか、まあ何でもいいけど、「郵貯要因」の変動がわかる仕組み(数字上の分別)にするしかない。
 これは何に例えたらいいのだろう。プールの入り方かな。法律上、郵貯は大人になった。従って、大人用のプールに入れる。でも、みんなと同じように泳げない。しかも、図体がメチャでかいのだ。つまり、何が起きるかと言えば、みんなが秩序だって泳いでいる中に半座礁状態のクジラ(寝返りぐらいはできる)が出現するようなもの。邪魔で邪魔でしょうがなく、極めて狭いプールをうまく泳いでいた大人達は泳ぎが狂って水飲んだり、溺れかけたりする被害を受けかねない。これを回避するためには、監視員(日銀)がプールを区切って、子供用の専用レーンを設け、そこに隔離する仕組みを作るしかないであろう。
 郵貯はそういう隔離処理を受けても別に気にしないと思う。そもそも好きで大人になったわけでもなし。それに準備預金の扱い以前に組織作りでいろいろと大変なことが多いであろう。民営化が構造改革の象徴みたいな扱いされて気の毒であります。
by bank.of.japan | 2007-09-13 20:52 | マーケット | Comments(3)
Commented by うさこ at 2007-09-13 21:53 x
例えが面白く、ものすごーくやっかいもののようですね。
そのうちオフバラ市場でもあばれかねない??と思っているのですが。

海外に持っていかれないよう、国内金融機関は頑張らないといけないですね。
Commented by 害債 at 2007-09-13 23:33 x
とてもわかりやすい例えだと思います。早く大人の仲間入りをして安定させてほしいものですね。
Commented by bank.of.japan at 2007-09-14 20:04
うさこさん、どうもです。オフバラで暴れたら、あの図体ですから、当該市場は崩壊しかねません(笑)。金利リスクの塊りなので、イールドカーブでバンジージャンプみたいな感じでしょうか。困ったものです。

害債さん、どうもです。余計なことせず、リストラしながらナローバンク(決済専門銀行)になるのが、もっとも大人として好ましい姿でしょうか。でも、思い切ったリストラはできないのですよね。変な大人になるんでしょうか。
<< 「特報首都圏」が伝えた現場の姿... 首相辞任ですかあ(絶句)=日銀... >>


無料アクセス解析