1円玉が流通しなくなる可能性が高いのだろう、とふと思った。アルミ価格は現在1kg400円弱程度のようで、まだまだ額面突破には余裕はあるが、仮に突破しちゃったら財務省(造幣局)・日銀はどう対応するのだろう。ニーズはあるだろうから発行停止するわけにはいかないし、かと言って製造したとしても、1円玉が1円以上で売れるなら、アルミ鋼材に化けていくだろう。
ところで、私はうかつにも知らなかったのだが、1円玉の製造コストは大分前から1円以上になっていたのですね。逆ザヤで1円玉を作っていたとは…。ということは、財務省としてはシニョリッジ確保の上ではあまり1円玉を作りたくない、というインセンティブが働く。財務省が日銀に貨幣を売却する際(貨幣の通貨発行益はまさに額面から製造コスト引いたもの)には、1円玉のロスを埋めるために高額貨幣を抱き合わせている構図に見えるなあ。 スイカとパスモの連結は貨幣(小銭)流通を減少させる可能性が指摘されているが、財務省・日銀にとって最も好ましいのは1円玉のニーズが激減することであろう。そうなるのだろうか。みなさん、どう思われるであろう。聞いた話だが、意外にも今だに一円玉のニーズは根強い、という。それと、1円玉の製造ではかなりリサイクルが利用されているようで、原材料価格の打撃は直接的には受けにくいとも聞く。 ps アルミ価格の騰勢が強まり、1g=1円に接近すると、1円玉の買い占めが起きてキャピタルゲインをねらう動きが強まるのかもしれない。または、1円玉のタンス預金化が急激に進む? 1円玉、大事にしないといけないかもね。
by bank.of.japan
| 2007-05-15 22:24
| 日銀
|
Comments(19)
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うさこ
at 2007-05-15 23:23
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一円玉預金しなくっちゃ(笑)とりあえずお金を改造した時の罪が思いたい事を考えればなんとか、、、。 個人的には、買い物はカード派であるも、ゴールデンウィークの日銀券の戻りを見るとまだまだ現金派がおおそうですね。 スーパーは税込の価格表示をするよになって久しくたつのに、○9円のセール商品を出している内は、需要はへらなそうですね。ここがカード主体になれば、かなり小銭流通量を減らせるのでは。パスモ(回数券やバスカード機能あればいいのですが、(個人的不満))で、振りかわったたいていの人はメトロカード派と思われるので効果は限られているとかってに思ってます。
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ゴム3号
at 2007-05-15 23:31
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フィリピンでは銅の含有量が75%、ニッケルの含有量が25%という旧1ペソ硬貨の密輸が急増しているらしいですね。ニッケルに関しては今年も需要超過の見通しなので、まだ上がりそうです。
ご存知かもしれませんが、1円硬貨のブランク(刻印前の円盤)はアカオアルミというところで製造しています。 http://www.akao.co.jp/akaoalumi/circle.html
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EURO SELLER
at 2007-05-16 01:00
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1.錬金術的にはもっと安い金属との合金にする。
2.大きさは変えずにもっと薄くして1gを切る重さにデザインを変更する。 それよりロンドンのメタル市場では1t2800ドル(1kg336円程度)ですので,さすがに3倍程度に値上がりするには更なる円安とアルミの高騰が必要ですね。
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元IB現PB
at 2007-05-16 09:36
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亜鉛銅メッキであるペニー(米1セント硬貨)が地金原材料費のみでコスト割れだと新聞記事で読みました。ペニーのほうが倍程度重くて、亜鉛の方がアルミより数割高いので、わずかに超えそうですね。
硬貨損傷に関しては、マジックコインにさえ無粋な有罪判決が出た日本と違って、アメリカではペニーを潰して記念メダルを作る自動販売機をよく見かけたので、そういう罰則はないのでしょうねぇ。
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思考実験
at 2007-05-16 10:43
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2100年にはすべてが電子マネーでやりとりされて・・・いますかね?
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SSS
at 2007-05-16 12:30
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別に儲ける必要ないんだからいいんじゃないですか。公共事業の予算みたいなもんかな。
日銀の中の人はPLじゃなくっていかに日本経済を安定させたかで評価されるんだから、そんなことで硬貨の生産量を決めたりしないでしょ。
ウィキペディアにありますが、「硬貨には金属確保の目的もあり、万が一金属が不足した場合のストックの代わりとも見做されている」ようです。実際、太平洋戦争末期には、日本で陶貨も準備されましたからね。
http://www.mint.go.jp/qa/museum/jikou05.html
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bank.of.japan at 2007-05-16 20:56
うさこさん、どうもです。電子マネーが貨幣需要を吸収すればいいでしょうが、まだ当面1円玉のニーズは根強いでしょう。アルミ価格は額面まで相当余裕があります、1円もお金なので粗末にはしない方がよいですね。
ゴム3号さん、どうもです。フィリピンではそういう事態があるのですね。1円玉の製造業者は探していたところで、助かりました。 EURO SELLERさん、どうもです。どうしても1円玉が必要な場合はご指摘の手法を取るしかないかもしれません。まあ、そうなるまでまだまだ余裕ありますが。あっ、そうだ、アルミ高騰したら、利上げして円高にする方法とか(笑)。
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bank.of.japan at 2007-05-16 21:05
元IB現PBさん、どうもです。もっと原価が上がると、ペニー流通は減るのでしょうかね。ところで、ペニーを潰せる自販機があるのは罰則はなさそう。1円玉でも潰すと法律違反であると、日銀マンから指摘ありました。
思考実験さん、どうもです。さすがにキャッシュラバーである日本もそのころには電子マネーになっているように思いますが…、どうでしょう。 SSSさん、どうもです。財務省と日銀の間では、貨幣製造量では微妙な関係にあるやに聞きます。財務省はなるべくたくさん日銀に売りたいインセンティブがあるでしょうし。財務省的には1円玉が激減し、高額貨幣の需要が伸びるのが理想です。 通りすがりさん、どうもです。なるほど、非鉄金属の戦略備蓄の観点ですかあ。気がつきませんでした。貨幣が電子マネーに急激にシフトするのも有事を思うと得策ではないのかも。
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飛車
at 2007-05-17 01:57
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昭和13年に臨時通貨法ですね。ニッケルの戦略備蓄として硬貨になり、日中戦争開始でニッケル不足になるとアルミになり、太平洋戦争で航空機が完全に戦力化されると今度はアルミも足りなくなってどんどん軽量化して、最後の最後に陶器を検討中に終戦。終戦直後は薬莢を潰して硬貨にしていたそうです。非鉄金属の戦略備蓄は今の戦争ではあんまり意味は無いでしょうね。第二次世界大戦の頃のような生産能力の戦いはできなくなっていますから。
1円玉はスーパーマーケットの価格設定が1円単位なうちはなくならないかも知れませんね。主婦は現金主義ですし。ところでアカオアルミさんは若干商売がありまして、てっきり鍋屋さんだと思っていましたw。サイトみたら出てましたね。 http://www.akao.co.jp/akaoalumi/circle.html 造幣局のサイトで発行枚数見たところ、1円玉は製造しても年間高々数億円分で、500円玉の年間1000億円オーバーから見たらごく小額ですので、下世話な話としては面白いですが、重要性の原則からは無視してよいのではないかと思います。 http://www.mint.go.jp/data/nenmeibetu02.html http://www.mint.go.jp/data/nenmeibetu04.html
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von_yosukeyan
at 2007-05-17 05:17
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非鉄金属の戦略備蓄の必要性はない、というのは誤りでしょう。現に、レアメタルの戦略備蓄は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構による国家備蓄と、特殊金属備蓄協会が競輪補助事業の指定を受けて民間備蓄しています
レアメタルの場合は、産出国が特定国に遍在しているので、戦略備蓄の必要性があります。一方で、ボーキサイトは資源量としては無限に近く、価格高騰要因は生産施設と電力価格に左右される傾向にあります(例えば日系の企業も電力コストの安いインドネシアなどに進出しています)。ですから、硬貨を使って備蓄をしているというのは、ちょっとマユツバですね。(銅や亜鉛、錫は資源量も供給国も限定されてるので成り立つかもしれませんが)
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at 2007-05-17 17:47
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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bank.of.japan at 2007-05-17 19:30
飛車さん、どうもです。スーパーなどのからの1円玉ニーズは根強いようです。それから1円玉作るところは一時期より減っているみたいです。この辺は詳細が掴みにくいです。
von_yosukeyanさん、どうもです。確かにアルミについては中国も輸出しているようで、それほど高騰を心配する必要はなさそうですね。製造面にボトルネックがあるのですね。 ドラめもんさん、どうもです。是川氏にそういうエピソードがあったのは知らなかったです。貨幣で裁定取引してたとは。さすが相場師ですね。
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at 2007-05-18 02:23
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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bank.of.japan at 2007-05-18 11:28
ドラめもんさんより、誤って非公開にしたコメントを公開にして欲しいとの依頼ありました。コメントは以下の通りです。
通貨を潰してインゴットにすると言えば是川銀蔵氏の自伝にあった青島での一厘銭商売の話を思い出します。第一次大戦中に非鉄金属が暴騰し、日本円1円銀貨と中国1厘銭の交換レートが1円=1000厘の時にインゴットにすると2円~2円50銭で売れ、弱冠18歳の是川氏大儲け(もちろんその間色々問題が発生したのですが)。 硬貨で備蓄というのは潰されてインゴットにされるリスクを考えると難しいように思えます。そうならないように通貨改鋳は重罪(是川氏のケースも中国の法律上は極刑だが日本人なので治外法権があって・・・という話)扱いなんでしょうけれども。
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at 2007-05-18 20:46
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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bank.of.japan at 2007-05-19 00:58
非公開さん、どうもです。興味深いご指摘ですね。単に使い勝手の問題ではないのかもしれません。この件は、別の機会に取り上げたいと思います。
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しょうこ
at 2007-07-14 13:02
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はじめまして。1円玉のコストで検索して見つけました。
そして同時に見つけたのがこのサイト http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/america/38198 アメリカの1セント銅貨が亜鉛の銅メッキになっていたとはまったく知りませんでした。
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bank.of.japan at 2007-07-14 23:52
しょうこさん、いらっしゃいませ。アルミ価格が高騰すると、1円玉も別な安いもの作らないといけないかもしれませんね。
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