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大学生の銀行人気は…=目指すは商業銀行or投資銀行
 大学生の就職したい企業番付でみずほFGがトップになるなど銀行人気が復活している。不良債権問題を解決し、経営の安定感が増したのが大きな要因と思う。気になるのは最近の学生さんがどんな銀行業務を目指しているのか。伝統的な商業銀行業務(コマーシャルバンキング)か、それとも投資銀行業務(インベストメントバンキング)か。両者はかなり違うので、投資銀行業務を強く希望しているのに商業銀行部門に回されたらがっくりくるのではないか、と思う。
 この10数年で銀行業務は随分と変わった。90年代の初め、投資銀行業務の走りであった証券現法への配属は「赤紙」と言われ、コースを外れたようなイメージが持たれていた。この間、不良債権問題が発生し、銀行人気が凋落。一方で、外資系金融機関が勢力を拡大し、それに伴って投資銀行業務もかなり認知されるようになったと思う。これから邦銀を目指す学生さんでも投資銀行業務に携わりたいという人は多いだろう。
 ただ、私が最近改めて感じるのは、変わりつつある邦銀であるけど、それでもやっぱり「貸し出し」への選好が強い、ということだ。低スプレッドの融資をやるなら、流動性のある国債を買った方がいいように思うのだが、「貸し出しが本業」という意識が引き続き強いようである。もっぱら市場部門との付き合いが長いために、貸し出し傾斜をシニカルに見てしまうので、そう思ってしまうのかもしれないが。
 なお、私自身は、新卒者は漠たるイメージで銀行業務に入っていもいいんじゃないか、と思っている。自分が何に向いているかは実際にやっていみないと分からないからだ(私自身がそうだったから)。やっていくうちに方向性を決めてもいい、と思う。こだわりが強過ぎてすぐに辞めるようなことになるよりかは、自然体で臨んだ方がいいかも。
 ところで、銀行を目指すみなさん、市場部門はいかがですか。人気があまりない、という話を聞くんですが、どうなんでしょう。
by bank.of.japan | 2007-04-13 23:17 | 金融システム | Comments(18)
Commented by 通りすがり at 2007-04-14 07:59 x
若い力を入れることで、日本の銀行が格下の商業銀行から、格上の投資銀行に発展することを期待したいと思います。できれば、今まで日本を支えてきた製造業と同様に、在日外資金融機関のように外に打って出て世界で活躍できることを。
無理かな(笑)。
Commented by 学生 at 2007-04-14 13:22 x
日本の銀行もここ十数年ほど、理数系の人材を活用するようになってきましたが、活用が投資銀行業務に偏っている印象を持っています。米国では、住宅ローン市場の分析などリテール分野にもそれなりに人材を投入しているように思います(そもそも、サンプルの大きいリテールの方が、計量分析に向く面もあると思うのですが)。
日本の銀行は、商業銀行部門にも技術革新を起こして欲しいものです。
Commented by 商業銀行員 at 2007-04-14 18:37 x
邦銀の「貸し出し」選好が依然として強い理由は、それが付加価値を生むと考えているからではないでしょうか。良質の貸し出しをすると、お客さんも喜ぶし銀行も(仕事とリスクに見合っっているかは別として)それなりのリターンを頂戴することができます。投資銀行的アプローチも良質な貸出を生み出す一手段として活用しているに過ぎないと私は考えています。経済の主体が事業を展開し付加価値を生み出すプロセスに「貸し出し」という形で参加し、関係者全員が満足感を持つとき銀行員の醍醐味を感じます。一方、市場部門の仕事はディールの勝ち負けがはっきりでるという爽快感があると思いますが、たとえば国債を大量に買っても付加価値を生んでいるという手ごたえには乏しいのではないかと思います。自分が勝利することだけにやりがいを求めざるを得ないといったら言いすぎでしょうか。銀行を目指す皆さん、(投資銀行業務もできる)商業銀行業務をお勧めします。市場部門で働く皆様、私の見方が間違っていたらすみません。
Commented by route138 at 2007-04-15 12:29 x
今は市場部門って人気ないんですか?
Commented by 害債 at 2007-04-15 19:42 x
市場部門に長いこと携わったものの立場としては、本来人気がなくても仕方ないなぁと思っています。仕事の醍醐味という点では、投資銀行的な部門や融資部門にどうしても劣ります。なにせ生身の人間との交渉の妙みたいなものが少ないわけでして、意外にストレスがたまる割には達成感のない仕事だと思っています。まさに上で商業銀行員さんがおっしゃっていることですけれど。
Commented by bank.of.japan at 2007-04-15 21:53 x
通りすがりさん、どうもです。理想論としては、邦銀が海外に飛躍して欲しい、と強く願います。ただ、邦銀特有の風土が変わるのはかなり難しいかもしれません。

学生さん、どうもです。商業銀行部門の技術革新は昔に比べると進んではいるものの、まだ十分ではないのは否めません。融資業務の最前線はかなり泥臭いので、数値的に割り切れない(それがまた醍醐味かも)面が大きいのだと思います。
Commented by bank.of.japan at 2007-04-15 22:00 x
商業銀行員さん、どうもです。実際に貸し出しを実行する際、そのお金が事業を支え、経済的な付加価値の創造につながる様子は、堪えられない満足感を覚えると思います。ただ、融資環境として、競走が厳しく、良質の借り入れ需要が乏しいと、十分なリターンが得られない面もあり、経済環境が悪化すると逆に血も涙もない回収もやらないといけない因果な商売でもありましょう。なお、国債を買うのが味気ないのはその通りかもしれません(笑)
Commented by bank.of.japan at 2007-04-15 22:02 x
route138さん、どうもです。知り合いのメガバンクのディーラーは「人気ない」と言っていました。花形は投資銀行業務ではないかと思います。
Commented by bank.of.japan at 2007-04-16 00:06 x
害債さん、どうもです。市場部門は、それに向いている人がやる業務なのかもしれません。多くの知り合いはベテラン(老兵?)が目立つ気がします。世代交代はなかなか進みにくいように思うときがあります。害債さんも頑張ってください。
Commented by linate at 2007-04-16 07:08
トラバさせていただきました。銀行の市場部門は人気がないというよりも、理系の職人の世界で、文系の平々凡々な人間には縁のない世界というイメージを銀行員の側が持ってしまっているというのもあるかもしれません。為替くらいでしょうか、文系の人間でも配属の可能性がありそうなのは。債券やデリバティブズに配属されている同期は殆どが理系出身でした。
Commented by システム5.1 at 2007-04-16 08:53 x
「赤紙」という印象はなかったですね。花形ではないですが。ただ、「(海外)現法」との枕をつけるとそういう感じになるでしょう。銀行によっての差もあるでしょうし。
Commented by bank.of.japan at 2007-04-16 14:27
linateさん、どうもです。ブログ、ときどきのぞかせてもらってます。TBありがとうございます。確かにイメージされにくい面があるのかもしれません。最初から理系を配属するという人事政策が前提だと、文系で志望するインセンティブはないですね。今後ともよろしくお願いします。

システム5.1さん、どうもです。まさに「海外」の方々からそういう話を聞きました。銀行によって差があったのは否めません。発券銀行系は重視していたと思います。
Commented by システム5.1 at 2007-04-16 15:02 x
仕事の醍醐味は人それぞれですが、80年代後半は、単なるJGBのトレーディング(バンク・ディーリング)でも十分醍醐味があったと思いますよ。それを知る人は少なくなったでしょうが(いわゆる、「円債マフィア」もほとんど残っていない)。しかし、「儲かってもあまり評価されず、損すると詰め腹」はなかなか払拭できず、今は醍醐味だけでリスクを取る人はほとんどいないのでしょうねえ。
Commented by この道20年 at 2007-04-16 15:16 x
市場部門とは、欧米流に言うと投資銀行部門の一部門ではないでしょうか。投資銀行の定義が皆さんまちまちなのは残念ですね。私にとっては事業資金が融資だろうが債券発行だろうが、事業の質によっては醍醐味があるという点は変わりませんが。。
Commented by bank.of.japan at 2007-04-16 18:57
システム5.1さん、どうもです。市場構成者の変化(メガ化など)、リスク管理の厳格化、ボラティリティの低下など、環境的な面でも確かに醍醐味は乏しくなってきたのでしょう。「儲かってもあまり評価されず、損すると詰め腹」という話はよく聞きます。
Commented by bank.of.japan at 2007-04-16 19:02
この道20年さん、どうもです。確かに市場部門はそもそも投資銀行部門に属するものですね。商業銀行に付随する市場オペレーションはALMや債券ポートなんでしょうか。捉え方はご指摘のようにまちまちで、一概には言えない面があります。
Commented by ろじゃあ at 2007-04-16 19:24 x
学生さんの意識も興味ありますが、人事部というか採用権限を持ってらっしゃる方々の意識がどうなってるのか興味あります。
学生さんは相当投資銀行部門についても御勉強した上で回るところは回っているのではないでしょうかね。
私らの世代が就職した頃の意識よりはよっぽど「就職」意識(就社ではなく)を持ってると思うんですけど、人事セクションがそれに応えてくれてるのかどうか。
例えば訳もわからずREIT関係の仕事してる若手と入ってくる段階でREITもできる状態で武装してくる若手とではやっぱり違うのかどうか・・・もっともさすがに訳もわからない人間は当該セクションには配属されないんでしょうかねえ(^^;)。
Commented by bank.of.japan at 2007-04-16 22:04
ろじゃあさん、まいどです。流石に昔に比べるとゼネラリスト至上主義は薄れているとは思いますが、一方で多岐にわたる金融業務の専門性が高まる中で、どこまでそれを人事政策に反映させているのかは興味深いですね。個人的には、少なくともメガバンクは合併の余波の影響がなお大きいように思われ、知り合いの話を聞くにつけ、色々と複雑な事情を抱えている感じがあります。人気トップのところも色々と余波があるようなイメージですね。
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