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ベアフラット化の意味は…=日銀“ヘッドラインリスク”を警戒?
 15日の円金利市場は、1年物のレートはやや上昇、残りの年限は遠い方に向けてレートは低下。一年以内の短期物も含めてイールドカーブの形状を見ると、ベアフラット化であった。前日はGDPのヘッドラインに大きく反応した長期・超長期の金利は冷静さを取り戻した格好である。背景としては、①GDPの中味はさほど良くない②インフレ懸念はない③従って、追加利上げしても、その次は当面ない-といった見方があるようだ。
 一方、短期物は日銀利上げの直撃ゾーンであるので、最大限のヘッジをしないといけないので、金利は強含み、ないしは上がったままとなってしまうわけだ。ベアフラット化の動きは、前日のエントリーの見出しではないが、「日銀がGDPのヘッドラインに飛びついて利上げするリスク」を警戒しているように見える。
 ベアフラット化につなが利上げの政策ロジックは、「将来の物価安定・持続的成長」のためというより、「金利正常化」すわなち「日銀が正常と思う水準まで利上げする」というものになってしまう。12月なのか、1月なのか、まあどっちでもいいが、願わくば、①短観がかなり良い②株価が上昇基調になっている③米国の年末商戦が活況④各種統計が好転してきた-という条件が揃い、金利市場が「景気拡大が続き、賃金も上がる。インフレのリスクが出てきた。利上げが必要だね」と納得する状況になって欲しい。
 現状、追加利上げに向けて走り始めたのは、金利マーケットの方々はお分かりであるようにマスコミ(一部新聞)であろうと思う。利上げ局面では、マスコミはどうしてもフロントランニングする体質なのです。こういうときに起こりがちなのは、ドラめもんさんやぐっちーさんがよく指摘されることだが、現場は冷静だけど、新聞を読んだエライ人達の反応に困ってしまう、という構図である。なお、私は引き続き日銀は冷静に政策を運営すると信じております。日銀のヘッドラインリスクはないと期待したい。甘いすか?
by bank.of.japan | 2006-11-15 21:27 | マーケット | Comments(11)
Commented by 俊彦。 at 2006-11-16 08:39 x
15日はブルフラットではないんですか?円債先物+15銭…
Commented by 名無しさん at 2006-11-16 09:47 x
>俊彦。さん
ちゃんと文章読んでからカキコミしたらどうですか?
それとも荒らしのつもりなんですか?
Commented by bank.of.japan at 2006-11-16 11:01 x
俊彦。さん、名無しさん、すいません。私の表現が舌足らずであったかもしれません。カーブはゾーンの切り方で形状が微妙に異なることが多いのですが、前日は2年以降はブルフラット、日銀の利上げ懸念で強含みになった超短期物を含めるとベアフラットといった感じでしょうか。違和感があるのであれば、私の表現のまずさによるものです。
Commented by システム5.1 at 2006-11-16 12:51 x
円金利市場とお書きになっているので、一般的には、短期金融市場を指し、債券やスワップ市場ではないと理解できます。それはさておき、利上げに対し、ベア・フラット化は正常な反応と考えますが、私の読解力不足?
Commented by bank.of.japan at 2006-11-16 17:17 x
システム5.1さん、どうもです。書き方、工夫します。円金利、円債、スワップ、総称すると何がいいでしょうかね。
Commented by 通りすがり at 2006-11-16 23:42 x
bank.of.japanさん:
私が顧客向けにレポートするときは「イールドカーブ」と言い切っちゃってます。でもって周りの文脈でどの市場か明示してやることもできますし、市場全体ならそのまま通せば読者がきちんと読みとってくれるかな(多分)
一応市場の分け方は「短期金融市場」「債券市場」「スワップ市場」「金先市場」「債券先物市場」etc.って感じで出来るだけ限定させる方向で心がけてます。面倒ですけどね。
システム5.1さん:
フラットかどうかは連続利上げをどこまで読み込むか、に依存しますね。(今回は連続利上げを読み込みにいっていないようです。この辺りは3月や7月とは違うようですね。)
それと意外に大事なのはカレンダー。短期金融市場では、末初レートをかなり意識するかと思います。
Commented by bank.of.japan at 2006-11-17 00:08 x
通りすがりさん、どうもです。ご指摘の使い方、私も応用させてもらおうと思います。アドバイス、ありがとうございました。
Commented by システム5.1 at 2006-11-17 07:21 x
解説ありがとうございます。職業柄、私自身はよく理解しているつもりです(笑)。短期金融市場に関しては、概ねおっしゃる通りだと思います。また、債券・スワップ市場については、そもそも利上げ時のベア・フラット化が教科書通りの動きですが、今回は(詳しい説明は省きます)かなり低い水準でフラット化が進行する可能性が高いと考えます。もちろん、その程度は日銀の金融政策次第ですが。
Commented by 壱万円札 at 2006-11-19 21:44 x
企業の経営幹部としては百パーセント利上げを信じてなくても、利上げを意識した手立てを打っておかなければ、自分の立場がなくなるという感じがします。また利上げを意識した手立てを打って、利上げ無くても自分のマイナスにはならないという感じもします。マスコミも本来なら「据え置き 否定せず」でも良いんだろうけど、後で利上げがあれば特落ちとなり、書いた人の責任となるので、「利上げ 否定せず」と安全策を取るのだと思います。この動きが広まれば日銀内で密かにパーティーが開かれる事態となるかも。
Commented by bank.of.japan at 2006-11-20 18:37
壱万円札さん、どうもです。金融政策報道は難しいです。今の時点であまりに方向感を鮮明にすると、空振りするリスクもあるので、タイミングは難しいですね。日銀の場合、密かにパーティをやるぐらい策士であると、むしろ心強いのですが。今のところ、日銀にも年末から年明けのどこかで利上げできるかどうかはよく分からん、という感じではないかと思われます。
Commented by 壱万円札 at 2006-11-20 20:55 x
数年前、ゼロ金利で飽き足らなくてマイナス金利が冗談なのか真剣なのか、話題になっていた時期がありましたが、現在の利率据え置き派もマイナス金利擁護論と同じく世間に甘えてると思います。
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