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ネガティブ・インディケーター論=「world on the mend」のローチ氏は…
 とりあえず見出しだけ。実は、書いている途中、操作ミスで文章消滅。ほぼ完成間近で激しく脱力。このままだとアップしないまま終わりそうなので、そうならないように見出しを突っ込んだ次第。現在、気力の充電中です。しばしお待ちを。

ということで書きます(笑)。このエントリー、詳しくはぐっちーさんのところを見ていただくとして、私もモルガン・スタンレー証券のチーフエコノミスト(グローバルのヘッド)、スティーブン・ローチ氏の楽観論への転換は驚いた。なぜかといえば、私は彼のそれまでの弱気論が意外に気に入っていており、循環論というより構造的な問題(主としてグローバルな不均衡)に起因する彼の弱気論はそう簡単には変えようもないと思っていたわけだ。
 ここではローチ氏の主張内容には踏み込まず、ネガティブ・インディケーターかどうかをちょっと考えてみたい。マーケットに詳しくない方のために多少補足すると、「ネガティブ・インディケーター」とは、例えば、ある人or機関が方針転換する、そうすると相場がその逆に振れる、そうなるとその人or機関の言動は逆バリのサインとなってしまうことだ。株式関係では某氏がネガティブとみられているようで、その方が強気になると、相場は下がるサインのようだ。逆に、トレンドを当てるサインとなる人or機関はポジティブ・インディケーターである。
 金利の世界では、ALMシリーズに出た興銀が、スワップ市場でやたらビッドしていたころ、ネガティブと見られ、他の銀行勢はオファーを浴びせていたやに記憶する。さらに昔の話として、今は無き証券会社が債券市場のネガティブとなり、そこが国債を大量入札すると、「売りを浴びせていた」と証言する生保の古い友人もいる。この辺の話は、ドラめもんさんが詳しい。
 さて、ローチ氏の場合である。彼がネガティブだとすると、超弱気の彼が強気に転じたのは、何か悪いことが起きるのであろう。何が起きるのか。危機はいつも予期せぬ形で到来する。ありがちなのは、ローチ氏のそれまでの主張が当たることだろう。グローバルな貿易不均衡の表面化、すなわちドルの暴落であろうか。いずれにせよ、世界経済にとってろくなことはない。
 個人的にはローチ氏が好きなので、今度はポジティブ・インディケーターであって欲しい。でも、彼に強気論は似合わないのだな、これが。ちなみに日銀も短期循環の遅行指標のような金融政策を運営してきた意味においてはネガティブである。ローチ氏がポジティブなら、日銀もそうなるわけで、私としては日銀の逆張りのスタンスが崩れるわけだが、それは別にいい。私の読みが外れるのは、みんなにとってハッピーだからだ。

補足 なお、ネガティブorポジティブかどうかは、あくまでも経験則や印象論に基づく周囲の受け止め方であって、誰or機関がそうかはこれもまた人によっていろいろ受け止め方が違うと思う。もしかしたら、私もネガティブと思われているのかもしれない(笑)。ああ、不安だ…
by bank.of.japan | 2006-05-02 20:54 | マーケット | Comments(13)
Commented by Texas Longhorns at 2006-05-03 01:27 x
But you'd better be responsible for what you have
said, though. The consequence of betting is either
reward or penalty.
Commented by Texas Longhorns at 2006-05-03 01:37 x
Since you seem to be losing the bet, you better be
prepared to pay some kind of a penalty. Maybe it might
be a good idea to acknowledge the good work done by
BOJ forecasting team.
Commented by bank.of.japan at 2006-05-03 01:50
Texas Longhornsさん、ご無沙汰です。助言有難うございます。ご指摘の件、先般、ある日銀幹部に私のビュー(日銀と逆張り)を説明し、日銀が当たれば私は負けるとの趣旨を述べておきました。結果がどうなるかは、量的緩和の解除、それに続くゼロ金利解除を経て、1年ぐらい?何事もなく過ぎれば日銀の勝ちですね。そのときは当ブログ(やっているかどうか不明ですが)で敗北宣言したいと思います。調査統計局長にはシャンペン(銘柄にはうるさそう)でも進呈しようかな。
Commented by xxxmitaina at 2006-05-03 12:02
・・・みたいな。でございます。僭越ながら、激励も意味を込めてTBさせていただきました♪
Commented by bank.of.japan at 2006-05-04 00:25 x
…みたいな。さん、TB多謝です。いつもながら斬れの良い替え歌です。勝手にしやがれ、出て行くんだろ。本当に勝手に出て行っちゃいました(笑)。
Commented by 元投資銀行員現PB at 2006-05-09 10:49 x
債券市場のネガティブ指標である今は無き証券会社、私の古巣のことでしょうかね。日本国債先物スタートの際に、自己で買い煽ったトホホさは忘れられません。引受主幹事玉でも、そもそも支えざるを得ないような苦しい条件設定が多く、グレーマーケットで売り浴びせられるのが常態でしたので、狙い打たれるのがビリの宿命だと感じておりました。
亀なコメントですみません!役割としては三和ALMの方に専心すべきだったのかもしれませんが(^^)。
Commented by bank.of.japan at 2006-05-09 12:24
元投資銀行員現PBさん、どうもです。貴重な経験談、有難うございます。私の印象論として、金利市場のディーラー層は、ベテランと若手の二極化が進んでいるようで、歴史を語り継ぐ中堅層が薄い感じです。ネガティブ指標論も、もしかしたら通じないのではないかと危惧しました。ところで、今は無き証券会社が本当にネガティブだったのか、また聞きなので、本当のところは分からないです。知り合いの生保関係者だけの印象かもしれません。市場取引で全勝は困難ですから、時には負けがこむこともあるでしょう。先ほど某都銀の方とも話したのですが、「多くのディーラーは自分がネガティブではないかと疑心暗鬼になるものだ」といっておりました。私も例外ではないです(笑)。
Commented by 元投資銀行員現PB at 2006-05-09 13:51 x
私の知る外人ディーラーの多くは不成績を組織の縛りのせいに転化するばかりで、決して自分の判断のせいにはしませんから、自分がネガティブかと疑心暗鬼になるディーラー、ってのは、国産サラリーマンディーラーの特徴ではないかと思っています。同じ彼ら(国産ディーラー)が、個人として競馬予想や株式市場に向かった途端に「自分だけは胴元に負けない能力がある」と思い込む人種であるのは不思議なところですが(笑)
Commented by 昔の国産ディーラー at 2006-05-09 14:06 x
その外人さんの姿勢は処世術であって、相場に対して自分が常に正しくて負けたのは組織のせいとか本気で思ってる人は別に国産でも外人でも関係なくディーラーとして生き残れないと思いますが。
・・・・全然関係ない話でスイマセン。
Commented by bank.of.japan at 2006-05-09 15:02
元投資銀行員現PBさん、ネガティブかと疑心暗鬼になるのは国産“サラリーマン”ディーラーの悲哀な側面ですが、前向きに解釈すれば、「謙虚」なのかもしれませんね。私は個人になると多分熱くなって負けこむタイプのような気が(笑)。
昔の国産ディーラーさん、どうもです。相場に対峙するときの心構えは、なるべく邪心を持たず、思い込まず、平静を保つ、とかいろいろ考えられますが、ご指摘のように本気で自分が常に正しいと思うと市場原理で淘汰されそうですね。そういえば、本石町の組織は「我われの判断は常に正しい」といっているような気があ何sdkjf:\ago;kla!?
Commented by システム5.1 at 2006-05-09 15:26 x
中堅がいないのは、市場環境や金融機関の経営事情によるところが大きいと思います。
Commented by 元投資銀行員現PB at 2006-05-09 15:36 x
おっしゃるように、彼らは自己の業務に対して謙虚なのだろうと思ってます。先の投稿がもしも貶しているように見えたら申し訳ありません。
私は外資投資銀行員(=手柄は自分・失敗は外部要因と決め付けることがほぼ必須の処世術&表向きだけでなく本音でも他人を口汚く罵るヤツが非常に多い)という世界に生きてきたので、外国人ディーラーの本音と処世術もごっちゃにしてしまっているかもしれません(^^;>元国産ディーラーさん
Commented by bank.of.japan at 2006-05-09 20:26
システム5.1さん、どうもです。言われてみればその通りですね。一時期の不良債権問題の深刻化、銀行合併に伴う市場部門のリストラなどを考えると、当時の入行者数は絞られたわけで。当たり前のことでした。
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