このブログは金融政策を中心とした話題を主に専門家向けに取り上げてきたが、実は前々からマスコミも論じたいと思っていた。マスコミといっても経済(特に金融が中心)方面であり、もちろん私は通信社の人間なので、文字系の媒体に関してである。とは言っても、どう論じていけばいいのか、なかなか整理がつかない。切り口も多く、手がつけられない状況であった。
そうこうするうちにブログを開設して一年が過ぎ、金融政策運営がにわかに騒々しくなり、このままではマスコミのテーマをスルーしそうな雲行きである。そこで、とりあえず思いつくままにエントリーを上げていくことにした。脈絡のないシリーズになろうが、そこはご容赦を。 まず最初は、私がブログを始めるに至った軌跡を簡単に紹介しようと思う。恥をしのんで(笑)紆余曲折の道のりを披露すれば、これからマスコミを目指す学生または社会人の方々には効率的な方法が見出せるかもしれないからだ。ちょっと特殊な事例なので参考にはならずとも、何かヒントを得られる方がいらっしゃれば幸いである。読み物とみなしてもいいです(笑)。 私は、ブログ界でいけば、ぐっちーさんとほぼ同年代にあたる。遥か昔の大学時代。私は一応マスコミ関係の学科にいた。にも関わらず、報道という職業にはさほど興味がなかった(この学科を選んだのは学問的でなかったから)。しかも、政治・経済などというものは関心の超埒外、つまり私から見て最も遠い世界の話であり、銀行・証券など金融系の仕事は考えただけで頭痛がするような気がしたものだ。 卒業時、何をしていいのか分からない私は、今にして思えば若気の至りなのだが、フリーター的な気分で知り合いの会社を手伝い、何かの弾みのような感じで渡米。ある製品の「セールス」をやってもらうと聞いて行ったのが、実はガテン系だった仕事を2年こなし、諸事情のために帰国。食いつなぐための就職をし、20代半ばを過ぎたころ、「そういえば俺はマスコミ関係の学科にいたなあ」と思い出し、小さい雑誌社を経て今の会社に入った。 その雑誌社で私はスポーツ関係の取材をしていた。当然、面接の感触などから「運動部」に配属されると信じ込んでいたのだが、会社案内のパンフレットを見て最も行きたくないと思っていた「外国経済部」(嫌いな経済を英語でやる!!)に放り込まれたわけだ。「オイ、約束が違うじゃねえか」と内心思ったが、既に結婚もしており、しばらくは我慢してやろうと覚悟した。 これは不思議だったのだが、最初は苦行だったものの、少しずつ意味が分かり始めるにつれて、面白さを感じてきたのだ。私なりに理由を考えると、①「経済」が嫌いというのは単なる食わず嫌いであり、実際に食ったら意外と口に合った②学問的に入っていくより、OJTで経済を知るのが肌に合っていた③自分でも気づかなかったオタク的気質が金融のマニアな側面に惹かれた-ということであろうか。 以上、まとめると、 ・金融政策をマニアックに取り上げている私は偶然の産物である ・もう一度やり直せるなら普通に就職していただろう(行き当たりばったりは進めない・苦労します) ・興味を持って取り組めば、文学部でも金融政策の論点は分かる ・同様にリフレ派と日銀が対立する構図も把握できる ・同様にフューチャー、オプション、スワップの基本部分は理解が可能 ・味気ないと思った金融には面白い側面がいっぱいある 第一回はこれまで。今後考えているテーマは以下の通り。 「経済記者もいろいろ」 「経済報道もいろいろ」 「日本のマスコミにおける金融メディア」 「ロイター、ブルームバーグとは=私見外資系メディア観」 「“記者としての意見が参考になるのだ”=シティーで私は言われた」 「エコノミスト誌、そしてユーロマネー誌は日本で育たない?」 「大学で金融記者の実践的な教育は可能なのか」 「媒体としてのブログの可能性」 思いつつままに上げたので順不同。考えがまとまらずパスするテーマもあるかもしれない。その際はご容赦を。
by bank.of.japan
| 2005-11-26 17:53
| マスコミ
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Comments(6)
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th4844 at 2005-11-27 06:10
大変楽しく拝読させて頂きました。今後の展開も大いに期待しております!
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今後のエントリーも読ませていただきます。小生の父は某新聞社(一般紙)勤務でした。
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ななし
at 2005-11-27 11:44
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bank.of.japan
at 2005-11-27 12:45
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th4844さん、ご無沙汰です。このシリーズ、あまり自信ないですが、何とか形にしたいです。ところで子育て大変でしょうが、頑張ってください。
星の王子様さん、いつも有難うございます。お父上は新聞社にいらっしゃったのですね。意外なところで若干のご縁を感じます。今後ともよろしくお願いします。 ななしさん、学生さんとのこと。履歴を語るのは恥ずかしいものですが、多少でも参考になれば幸いです。学生時代にやりたいことが明確なのは大変恵まれていると思います。普通は迷うものであり、私の場合は漂流の末に今の状況に至りました。あの時こうすればよかった、と今でも後悔することがあります。
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H251YYY
at 2005-11-28 17:44
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大変参考になりました。今後の展開、一市場参加者として楽しみにしております。本音を聞き出す取材方法なども披露してみては如何でしょうか。
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bank.of.japan
at 2005-11-28 18:16
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H251YYYさん、どうもです。本音を聞き出すのは方法論もなく、難しいです。もっとも、最近の総裁や審議委員は(解除に前向きな)本音を吐露するので、それでむしろ慌ててしまうという変な状況であります(笑)。
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