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JGB、政府けん制を“好感”=日銀の信認は…
 一般的に買いを誘う動きを“好感”、その逆を“嫌気”と言う。昨日、今日の債券市場は株価の伸び悩みもあったが、政府側の量的緩和解除をけん制する動きを“好感”し、買い戻しが先行。長期金利は低下基調を強めた。“好感”との表現を単純に政府けん制に結びつけただけではないか、と言われる向きもあるかもしれないが、政府が中央銀行の政策運営に口を出し、それによって金利が低下するのは実はおかしい面がある。
 例えばFRBが政府から強いけん制を受けてメジャードペースの引き締めが難しくなったとの見方が広がればどうなるか。恐らくはトレジャリーは売られ、米長期金利は上昇しただろうと思われる。そして我らが日銀である。最終的に経済・物価情勢に見合った水準に調整(利上げ)される量的緩和の解除は、「物価安定(インフレリスクの抑制)のため」である。政府がけん制し、解除が困難になるとの見方が広がるならば、インフレリスクが台頭する恐れから債券は売られても不思議ではない。
 なぜ、そうならないのか。以下の理由が考えられる。
①市場と対話して景況感の刷り合わをせず、いきなり解除の地均しをやった→政府のけん制によって地均しで上がった金利が元に戻りつつある。
②解除は物価安定のために必要なのだが、市場はそこまで考えが及ばず、単純に解除が遠のいたことだけを材料視した。
 日銀は②を支持せざるを得ないだろうが、私は①だと思う。もちろん、解除する局面を迎えたときに景気回復がさらに鮮明になり、インフレリスクが意識される状況になっているかもしれないが、現時点においてはそうなるような感じはしない。
 個人的には、「法改正」という言葉まで飛び出したのだから、中央銀行の軽視→通貨の信認低下→債券売り、という風になって欲しかった…。政府けん制で金利が下がるのは、ちと哀しい。そう思うのは甘いですか?
by bank.of.japan | 2005-11-15 21:09 | 日銀 | Comments(6)
Commented by 星の王子様 at 2005-11-15 23:20 x
甘いでしょうね。今日のTBの乱高下を見ても材料に敏感な市場と思えます。需給で金利低下の可能性を見る人は少なくないです。
Commented by bank.of.japan at 2005-11-15 23:49 x
やっぱり。。。。。
Commented by また横レス at 2005-11-16 08:18 x
いやあのbank.of.japanさんは相場見通しの話をしているのではないのですけれども・・・・>星の王子様さん
政府牽制で金利が下がるのは日銀の信認はどこに行ったの?って感を強くしますね。bank.of.japanさんに同感です。
Commented by 上のレスを書いたもの at 2005-11-16 08:20 x
あ、わかりました。私は「そう思うのは甘いですか?」の一節を「ちと哀しい」に掛けて読んでいたんですけれども、星の王子様さんは「なって欲しかった」に掛けて読んだんですね。失礼しました。
Commented by システム5.1 at 2005-11-16 11:15 x
bank.of.japanさんが①を正しいとするなら、「中央銀行の軽視→通貨の信認低下→債券売り」は起こらないのではないでしょうか。それは市場が日銀の金融政策に対する姿勢を信頼していないことになるのですから。そこにFRBとの決定的違いがあるのでは。あっ、もちろん私が日銀の金融政策の姿勢が間違っているというわけではありません。念のため。
Commented by bank.of.japan at 2005-11-16 13:17 x
システム5.1さん、ご指摘の通りで。債券売り、起こり得ないです。それ故、余計に物哀しいものがあります。
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