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ローソン社長の本音
 経済紙にローソンの新浪社長のインタビューが出ていた。印象に残ったのは以下の部分である。
 「いやいや、(消費は)楽観できない」
 「東京で語られる景況感を、そのまま地方に当てはめられない」
 「地域ごとに所得格差が開き始めた現実と正面から向き合うことが大切だ」
 リテールの最前線に立つ企業の経営者の視点は、金融政策運営上も本当は無視できない。マクロ統計上は景気は回復しているように見えても、ミクロレベルでは一体どうなっているのか。この点、日銀も全国に散らばる地方の支店網、本店では金融機構局のミクロプルーデンスなどを通じて経済活動の現場がどうなっているのかを把握している(はず)。
 現状、イールドカーブの動きはベアフラット気味に推移しているが、この形状変化はローソン社長の言い分が正しいように思える。
 仮に日銀の方に何らかの問題があるとするなら、まずは「量的緩和を解除したい」という意向が先にありきで、日銀の目と耳に相当するミクロプルーデンスや地方支店網からのフィードバック機能に特殊なフィルターがかかり、解除を正当化する情報しか上がっていないようになっているのではないか、ということだ。
 ここで思い起こされるのは5年前の日銀の不可解な行動だ。当時、ITバブルに世間が舞い上がったころ、速水総裁が現場視察したのは①ユニクロの店頭②渋谷ビットバレー③溜池のインテリジェントビル-だった(スターバックスも入っていたような気がする)。
 私は当時、考査局の連中に「マネポは解除するようだ」と言ったが、あんまり相手にしてくれなかった。不良債権問題が深刻化していたからだ。私はマネポ側に「景気の良いところだけでなく、(経営破たんした)長崎屋の店頭はいかないのか。本石町周辺の意味不明の空き地にはいかないのか」と言ったが、取り合ってくれなかった。
 教訓とまとめ ①目と耳は得てして脳(政策委)が見たいものしか見ない
          ②またそうなっている恐れはないのか
          ③私の心配が杞憂であることを願う
by bank.of.japan | 2005-11-08 22:21 | 日銀 | Comments(2)
Commented at 2005-11-09 10:35 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2005-11-09 10:44 x
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