人気ブログランキング | 話題のタグを見る
総裁&審議委員のちょっと目についた発言
 本日は短観が発表されたが、概ね景気動向に沿った内容。詳しくは専門家の解説がたくさん出ているので、そちらをご覧頂きたい。個人的な印象を一つ挙げるなら、DIのチャートが右肩下がりになっていくのではないか、とふと思ったぐらい。
 このエントリーでは、福井総裁と中原審議委員の本日の発言でちょっと目に付いたものを紹介したい。まずは福井総裁の国会答弁で、質問者は復活した山本幸三氏。日銀にとっては“天敵”のような存在で、あの懐かしい日銀批判が久々に聞かれた。福井総裁、総じて無難に交わしていたが、一点だけおやっという答弁があった。それは以下の通り。
  「(量的緩和という)異常な政策をいつまでも続けろ、という意見には断固組みしない」
 山本氏の質問は「いつまでも続けろ」という趣旨には近いものの、直接そうは言っておらず、総裁のこの答え方はややムキになった印象を受けた。解除条件が整ったのに解除できないのは耐え難いという気持ちが表れたのだろうか。

次に中原審議委員の講演より。テキストを読むと、これも一カ所だけオヤッというところが。
「もう一つは、長期国債の買い入れオペの問題です。これにつきましては、いずれ日本銀行としての考え方を示していく必要があると考えていますが、現時点では具体的な論点とするには時期尚早であると思っています」
 解除に伴って買いきり減額の可能性は理論的にはあるが、この問題はまだ広く浸透しているわけではないので、わざわざ持ち出すことはなかったのではないか、と思った次第だ。「問題」と言い出すと、「減額かあ」との憶測を呼びかねず、市場期待が不安定化しやすい。講演テキストを読むと、唐突な文章であり、燃料投下になるリスクあり。中原氏は減額には慎重な考えではないかと私は思っており、であるなら「考え方」が具体化するまでそっとしておいたいいような気がする。
by bank.of.japan | 2005-10-03 18:00 | 日銀 | Comments(0)
<< 読み物紹介の続き=NHK特集と... 総裁自ら「長距離砲」=焦点は解... >>


無料アクセス解析