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資金ディーラーの市場価値は…
「ジェネレーションY世代」の記事(日経金融)に、「資金ディーラーとして市場で自分の価値を試したい」との抱負を持つ若手行員が紹介されていた。大手銀行のB/Sがオーバーローンで、依然として日々兆円単位の無担保資金を取らないといけない状態なら、それなりに資金ディーリングの技を磨く余地はあると思うが、ゼロ金利で圧倒的量的緩和が行われ、実質的に大手も含めてローン行に転じた状態では取引技術は磨きようがない。インタバンクのフロンティアは短期ALMと中長期ALMの空白地帯であった2年債を、ある大手行がつぶしにいった段階でなくなった、と言われる。若手が「個」を生かせる時代がくればいいとは思うが、少なくとも伝統的金利市場においては当面は技を磨くチャンスはきそうにない。
 もっとも、「商業銀行」とはそもそも個を生かす組織ではないと思われる。リテールに特化すればするほど効率性が求められ、業務はマニュアル化していく公算が大きい。逆説的だが、日本で最も先端的で面白い金融業務に携われ、しかも雇用が安定している「銀行」とは、日本政策投資銀行だと思う。もちろん、本質的な存在意義は別としてだが。
by bank.of.japan | 2005-01-11 16:32 | Comments(2)
Commented by ダダちゃ芋 at 2005-01-12 16:28 x
自分の価値を試すなら、自宅でネットディールするしかないでしょうね。資金ディーラーは絶滅、短期金融市場は廃墟、債券市場も量的緩和の下では着実に地盤沈下。一瞬の打ち合いで腕を磨くには、ネット経由の株式ディールしかないと思います、雇用は安定しませんが。
Commented by bagehot at 2005-01-12 17:56 x
知り合いのディーラーが数年前にリストラ。転職先が見つからないまま時が過ぎ、そのうちネットディールに踏み出す。しかし、負け越したもようで、今では行方がつかめず。会社に所属せず、まさに体一つで市場価値を試すのは、無謀。カウンターの雑巾がけ、ATMのメンテ、自転車での集金。最初の1-2年ぐらいは我慢しなきゃ、という助言はなかったのか、それとも聞く耳を持たなかったのか。どんな業界でも最初は奴隷状態で始まる気がするのだが。個性を生かすことと、青い鳥症候群の区別は必要。それにしても、三井住友から振興銀行にいくことはないだろうに。
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