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日銀の「禁じられた火遊び」と米雇用統計=赤字決算の解釈
 日銀のオペがやっと緩めになった。この間、タイトな感じが続き、レポレートが上がったり、結果的に2年債の利回りが跳ねたりした。何やっているのか、といった批判はドラめもんさんが詳しくお書きなっていたが、まあインタバンクのテクニカルな話ではあるのだが、金融政策運営とは不整合な面もあり、あまり市場機能論にこだわったオペは危ない。せっかく緩和しているのに、オペがタイトになっては、金融政策そのものの緩和姿勢が疑われることになりかねない。禁じられた火遊びで、金融政策が炎上するリスクがあると思う。メルマガでは第11号でも触れたことだが、改めて日銀オペの火遊びリスクを解説してみたい。
 関連として米雇用統計について。市場の予想より悪い内容となり、ドル安が進んだ。振れやすい統計なので、今後上方修正される可能性はあるのだが、気まぐれなマーケットは一つの統計で地合いが悪化することもあり、日銀の金融政策にとっても要注意な状況である。特に上記の火遊びオペが不用意に再開されると、マーケットの地合いの悪さは、それ自体がガソリンが撒かれたことを意味する。雇用統計は今の米国にはホットな材料なので、FRBの金融政策にも影響を与える可能性は高い。そうした観点からマーケットの反応、日銀のオペへの影響を考察する予定だ。

 ポイント解説は、日銀の赤字決算について。読者から質問を頂いたので、それにお答えするもの。保有外貨がドル安で大幅な損失を計上したためだが、赤字決算は一見すると、信認低下につながる面があるものの、この決算の場合は心配は不要であろう。円が強くなった裏返しでもあるので。それと、中央銀行の決算は政策運営の結果なので、結果を心配して政策が制約されるのは本末転倒なことでもある。決算をどう解釈するかを解説します。

仕事論は再開となります。さて、帰国後はどうなったのか。紆余曲折が続く。
by bank.of.japan | 2010-12-05 15:04 | マーケット | Comments(1)
Commented by かる at 2010-12-10 23:31 x
お久しぶりです。ここにコメントがないのは、皆さんツイッターとかに移動されたものと察しますが。あえてここでコメントです。
2-3年ものは果たして何者か。短期でもなければ、当然長期でもない、中期はやっぱ5年ものです。でここが跳ね上がる要因は、外的には何もないということは、為替要因(国際というか陰謀というか)かありえないわけです。まー何かしかけを作っているのでしょうか。
政界経済は魑魅魍魎の世界です。
さて久方振りの金余り化の金利上昇。上昇度合いはジャブジャブの度合いと反比例になるのはやはり財政要因とのトレードオフで面白いが。気になるのはまた商品相場の上昇です。しかし中国の完璧な経済政策(この場合国内の矛盾は抜きですが)はやはり金融政策の有効性は、完璧は情報統制との間でしかなりたたないのではとおもう今日この頃です。
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