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メモ=QE2の正体、QE2に懐疑的な学者、米連銀法の逆改正論
備忘録的なメモを幾つか

QEII and the Yield Curve
 米FRBの国債買い入れは量的緩和(QEⅡ)と称されるが、実際はイールドカーブのフラット化を促すものだ。これを表題のようにEconomist's Viewのマーク・トーマ教授が解説している。国債買い入れは「ドルを刷っている」とか言われるが、「刷る」のは別に金をくれてやっているわけではなく、国債を現金に換えて、金融機関にリザーブとして持たせているに過ぎない。
 このわずかに金利が付いたリザーブを金融機関が貸出や外貨投資に回せば、マネーストックは増えて、ドル安になるのだが、実体経済の資金需要が乏しい中、結果的には金融システムの内側がじゃぶじゃぶになるだけだ。外貨に回すのはリスクキャピタルを食うことにもなり、米銀も慎重だろう。
 問題は、QE2がカーブのフラット化を促すものだとしても、米債券投資家を意のままに動かせるわけでもなく、現実には買い過ぎの反動から投げ売りが出て、長期金利がむしろ上がっていること。中央銀行が債券市場に介入して実体経済に緩和効果を波及させるのは容易ではないことを示唆している。

多くの経済学者はQE2の効果に懐疑的
 ウォールストリートジャーナルのコラムである。壮々たる学者が居並ぶが、中でもスタンフォード大学のロバート・ホール教授のコメントはツボである。
 「バーナンキ議長は実質、神にインフレ上昇を祈っているようなものだ。だが、それは無理だろう」

・米連銀法の逆改正案
 日本では、日銀法を改正して雇用最大化も目的にせよ、との議論があるが、米国は逆の提案が出ている。先の中間選挙で勢力を増した共和党のペンス議員が「FRBは雇用を目的から外せ」と主張している。同議員は大統領選の有力候補で、既にFRBのQE2に反対する見解を表明している。政治に翻弄されるFRB。バーナンキ議長も大変である。
by bank.of.japan | 2010-11-16 20:53 | マーケット | Comments(0)
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