ニアルかニアールか、それともナイオールか迷うところだが、日経新聞にならってニーアル・ファーガソン教授とこれからは表記したい。土曜日にインタビューが出ていたので、個人用のメモとして要点を幾つか。経済的観点では、ファーガソン教授vsクルーグマン教授の論争は、後者に賛同するところが大きいのだが、政治的な観点では前者の主張も気になるところ。
・チャイメリカは中国の貯蓄と米国の消費が結び付く経済の概念だ。米中の相互協力を説く向きが多いが、明らかに利害対立があり、10年、20年では食い違いの方向にいく。 ・中国の上の世代は争いを望んでいないが、若い世代は自信を持ち始めており、今後の中国は独断に走るようになる。 ・ユーロはもう少し強くなって欲しいが、機能的には弱体なので、肩を並べていけると思わない。 ・紛争を引き起こす3条件は変わらず存在する。①経済の不安定さ(より増している)②民族対立(特にイスラム世界)③覇権国家の衰退(米国の凋落) ・米財政がたどっている道筋は持続可能ではないことはクルーグマン教授も認めている。 ・金融政策の量的緩和は有効だが、FRBの国債大量購入は長期金利の上昇を招きかねず、意図とは反対の影響が出る(流動性供給を狙った日銀型の短期物オペ中心の量的緩和が有効という趣旨?) インタビューの詳細に関心ある方は直接記事をご覧頂きたい。このエントリーに関連して本日の欧米ブログ巡回で気になったのはnakedcapitalismのリンクにあったDead Cats Bouncingの「America as Argentina?」でありました。ざっとしか読んでいないので、これからゆっくり目を通したい。
by bank.of.japan
| 2009-10-04 23:15
| 経済
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Comments(4)
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PK
at 2009-10-05 12:45
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時代は戦前モードに入っているので、経済学は地政学と接近しますね。
移動となわばりとバランスが両者の共有している概念です。 行動する主体は、不確実性が高まる状況で、流動性プレミアムと共同体プレミアムを意識する。 鳩山の東アジア共同体論も共同体プレミアム意識の表れですね。まったくの幻想ですけど。 流動性プレミアムに対しては麻生首相が良く対応しました。 共同体プレミアムには、日本はまだ対応策を出していません。 東アジア共同体論は、ダメ筋ですね。 まず、恐怖を共有できる国を探すことです。(下品な韓国は無視しましょう。) それから、その共有する相手とひとつづつ市場としてルールを確立して置くことですね。 共同体プレミアムは、仲間はずれの恐れに基づきますから、それを明確にして、対応することですね。
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anego
at 2009-10-05 22:00
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Niall ってニールとかナイアルとかニャールとかニルスとか言われるNeal, Neilと同系統の綴りじゃありませんか。ファーガスンの姓からみてもスコットランド人だし。O'Niallでも「オニール」と読むようですし。
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bank.of.japan at 2009-10-07 21:28
anegoさん、どうもです。ニールでもいいのですね。
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ask
at 2009-10-27 13:45
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Niallってアイリッシュの名前だと思う。ファーガソンも。アイリッシュだったら、発音は「ナイル」です。つづりと違うんで想像つかんだろうけど、ゲール語ではよくあること。
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