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「出口政策」とか言われるが実態は二段階で考えた方がいい
 「出口政策」とかよく言われるが、これは使う人によって微妙に定義が違うように思う。または定義を漠然したまま使っている、というのが実情かも知れない。一般的にイメージされる出口政策は、CP・社債買い入れ&特別オペなど異例の企業金融支援措置を止めて低金利政策を少し修正する(引き上げる)ことまでを含めたプロセスではないかと思う。量的緩和解除のプロセス(出口政策)も金利をプラスにして終わったのと同じである。
 では、今の金融政策に照らすとどうなるのか。日銀は賢明なことに自ら出口政策を定義することはしていない。出口に向けて一歩踏み出す必要がないから定義しない、ということだろう。これは市場期待を安定化させる上ではプラスである。では、企業金融の厳しさが払拭されて異例措置の修正という一歩を踏み出す際には出口政策をどうすればよいのか。ポイントは以下であろう。
①0.10%という政策金利自体も異例の措置である。
②であるならば、異例でない金利水準(0.25%?)を目標にした「出口政策」のプロセスを示す必要がある。
③0.10%は異例措置ではない。
④であるならば、出口政策は利上げを目標とせず、単に企業金融支援の異例措置を止めるだけ。
⑤この場合、利上げするかどうかは需給ギャップなどマクロ判断に委ねられる(別な出口政策)。
 現状、企業金融の厳しさが払拭されても、需給ギャップは解消されない状態が続く公算が大きい。従って、企業金融支援措置を止める場合は、止めることが出口であり、次の出口である利上げとは切り離されている、という二段階の出口政策を示すことが必要ではないか、と思った。まあ、今のところ、こんな感じで個人的には出口を整理しております。

追記 勉強会の方はお陰様で満席となり、申し込みは締め切りとなりました。みなさん、ありがとうございます。正直なところ、満席はないのではないか、と思っており、驚いております。ご参加できない方もいらっしゃるかもしれませんので、改めて何らかの形で機会を設けたいと考えております。
by bank.of.japan | 2009-07-16 22:26 | 日銀 | Comments(4)
Commented by EURO SELLER at 2009-07-17 01:38 x
利上げ好き様も量的緩和解除と利上げは別々にしましたから,個人的にはまあ0.25%への利上げは別物と考えております。出口も一つ目,二つ目とカウントが要りますね。
Commented by かる at 2009-07-20 22:07 x
ででっ出口てここからが、景気政策の正念場入り口でしょ。危機的対応からの移行と、本科的な国内景気対策一緒にしちゃいけんでしょ。頼むよ金融政策。
Commented by PK at 2009-07-21 08:24 x
不良債権の清算過程を一時に集中させるのではなく、時間的猶予を与えて全体がショックを吸収できる程度に分散させることが非伝統的金融政策の目的。実際、米国もGMを破綻させたし。
本来は、米国のように政府が業界ごとに整理しなくてはいけないが、日本は駄目だから。駄目だから。もう駄目だから。どうにもならない。

大阪のようになって、国民が日本に信頼を失って、ホームバイアスが消えて、大量の国債を抱えた日本国B/Sが瓦解するの

今の日本にとって、愛国心というのは良く効く薬だと思う。
愛国心については安部のような表現もあるし、麻生のような表現もある。
私は、麻生の形は害が無くて望ましいものだと考えていた。
多くの点で日本を良い方向に向かわせるだろうと思いました。
Commented by bank.of.japan at 2009-07-21 21:23
EURO SELLERさん、どうもです。まあ、当分出口はないように思います。まさに「余裕をもって」というとこでしょう。

かるさん、どうもです。本当に世界経済が立ち直るのか。今の持ち直しも本物かどうか疑わしい気もします。
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