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デフレvsハイパーインフレ、インタゲ論考察の続き=対照的な入札ゼロ
 日銀CP買い入れの入札がゼロとなった。ニーズがない、すなわちマーケットが安定している良い証拠。対照的なのがちょっと前のラトビア国債入札で、こちらもゼロとなった。つまり、リスクあり過ぎで誰も買わない、という悪い事態。こちらとか案の定取り上げている。欧州東部戦線、バルト沿岸を中心にきな臭い感じだが、「小国であるうえに前から危ないとみられていた」ようで、このまま戦線崩壊とはなりそうもない(多分)。まあ、火薬庫はあちこちにありますので、予断は許さないが…。

 しばらく前のインタゲ論を考察したエントリーの続き。米国では、デフレ警戒派とハイパーインフレ懸念派の対立があちこちでみられるようだ。Economics, Technology & Mediaさんによると、バロンズ誌上ではマーク・ファーバーとビル・グロースが対立。また、Economist's Viewのこちらのエントリーでは、クルーグマン=マーティン・ウルフvsファーガソン=メルケル=ジョン・テーラーといった対立が紹介されている。
 現状、経済情勢はデフレが懸念されている。これに焦点を当てるとクルーグマン教授らの問題意識が正しい。恐らくハイパーインフレ派も現状認識はできているはずで、足下でデフレ懸念があるのは分かっているはずだ。では、ハイパーインフレ派の懸念はどういったものか。詳しく言えば、現状の危機に財政拡張&超金融緩和で対処するのは目先的には正しいが、そんなことをやっていたらハイパーインフレになるだろ、というものだろう。「そんなことをやっていたら」というのは時間的には先の話で、将来的なハイパーインフレが怖いのだ。デフレ派は現在の危機を恐れ、ハイパーインフレ派は将来の危機を恐れる構図である。
 ハイパーインフレ派の懸念は、つまりは財政・金融の膨張が正常化できない、すなわち出口政策の失敗を見込んでいることを意味する。出口政策が実際にうまくいくかどうかは別にして、FRBがインフレターゲットを導入すれば、足下のデフレ回避の決意にもなるし、将来的な出口政策の失敗を回避する意思表明にも使えるのではないか、と思った。
 問題は、前回も指摘したように、インタゲを採用すると、デフレ対応が足りないとの批判を浴びて金融・財政の一層の膨張を余儀なくされること。また、ハイパーインフレ派からは、インタゲなんか何の担保もなく、ただのおまじないだ、結局は出口は失敗するんじゃないか、などと無視されること。
 FRBがインタゲを入れたとき、両派が静かにしてくれるのがいいんだが…。望み薄ですかね。
by bank.of.japan | 2009-06-05 21:09 | FRB&others | Comments(5)
Commented by 小 野(東京都港区) at 2009-06-05 23:19 x
日本の株式市場はここ数日「ゴールデンクロス突破♪」とうかれまくってます(笑)。
それと、価値低下したドルが代表的なドル建コモディティの石油穀物金(きん)などに
むかうのはハイパーインフレやその兆候というより買うもの価値あるものみあたらないから
ゆきばをうしないそれらへむかってるというようにもなんとなく思われてまりません。
私のような「ど素人目」には。それら代表的コモディテイだけやたら価格上昇しほかは
デフレというのもその証拠というか?先日から同じ事言ってるだけという感じもし恐縮ですが(汗)。
Commented by grasppmacro2008 at 2009-06-05 23:23 x
はじめまして。

私も、入口政策 + 出口政策に非常に興味があります。

また、本当にデフレスパイラルになった場合の政策にも興味があります。

いろいろと見解を述べて頂けると、大変勉強になります。

今後も楽しみにしていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

(私もブログを持っていますが、私なりの解釈で経済についての意見を述べていくつもりです。間違っているかもしれませんが、、、。)
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-06-06 06:27 x
価値低下した分余計にドル建(の石油穀物金など)買うには言うなれば金(かね)かかる、それに対し
やれ付加価値だ高機能品だと賞賛してるのは作った本人たる先進国だけ、はた目(=他)からは
「”もはやかわりばえもしない”ただ手のこんだ品々(サービス)」等としか殆ど考えられてない。
テロ内戦でインフラ等が破壊され価格上昇等と一般にはよくとらえられがちだが、実際の所は
「他が様々価値下落(=デフレ?)し続けてるにも関わらず」例外的にかつ顕著に価値高まってしまう為
「争奪戦頻発(?)」、とむしろとらえるほうが適当かもしれない(経済戦争以外実際の内戦も!?)私が
今はじめて書いてる事等ではなく一昨年辺りから、確か言われてた事の様だという気もするんだが。
GM破綻で1円超急激な円高の後再び円安、その直後1昨日バーナンキ発言でか?、米国債も、買われる、
もまさにおあえつらえむきというか(この後本格的に石油等例のドル建にむかう?)。でも、それでも
インフレにも景気回復にも感じられない、他に無いからむかうというのがやっぱり最もピッタリだ。
日本株の最近のゴールデンクロス突破も「このへんまで」って事なのかも実は!?(悔しいから書いた?)
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-06-06 06:28 x
古代から地中海辺りを都市開発武器製造と散々乱獲乱伐しまくりあの辺”禿山だらけ”にしちまった
民族達が、今更【環境エコ】なんて日本の吉本芸人でも恥ずかしくて言えないジョークだ。子孫や
地球の将来の為なんかじゃなく”自分らの為”って事も、もうバレバレって意味だ。この「欺瞞」は

近く完全にひっぺがされるんではないか?それがまた1昨年辺りの様なドル建の石油等ばかり資金向かい
他デフレじゃないか?、”便乗してる日本”、はもっと「深刻」かもしれない??現在石油の単位バレルも

かって乱獲した「鯨」の鯨油の樽の単位.....(ゴールデンクロス突破悔しいからまた書いた??m(__)m )
Commented by bank.of.japan at 2009-06-06 13:03 x
grasppmacro2008さん、どうもです。出口論については、まだまだネタが浮上すると思いますので、その都度とりあげていこうと思います。ブログ、参考にさせていただきます。
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