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「SDRが新しい国際通貨の芽生えとなるべきだ」=1971年、水田蔵相
 米国を震源地としたバブル崩壊によってドルの信認が揺らいでいる。最大のドル保有国である中国は新たな国際通貨構想を唱えたり、日本国内では民主党がドル安に懸念を表明。円建て米債の発行を呼びかけたりしている。かつてドルが最も揺らいだのは、1971年のニクソンショックである。表題は、金本位制から自由変動相場制に移行し、円相場の急騰に見舞われた水田蔵相の国会答弁である。国会議事録で見つけたので、その一部を参考までに紹介したい。

昭和46年10月05日 参院・決算委員会
○国務大臣(水田三喜男君) やはり将来の国際通貨は、特定国の通貨をこれに充てるということの矛盾が今度ははっきりと露呈されたことでございますし、特定国の国内政策によって左右される国際通貨というものは、将来国際通貨としてこれが好ましいものではないということははっきりいたしますし、したがって、せっかく四年前に各国が英知を集めてああいう特別引き出し権というようなものを創立して、それが将来新しい国際通貨への芽ばえになるであろうと期待されながら、いろいろな事情で今日まできたのですが、いまこそやはりああいうものが中心になった新しい国際貨幣が形づくられるべきであるというふうな認識は、これは私だけじゃなくて、欧州の各国も大体そういう方向にきておりますので、そうしますというと、これはやはりだんだんに金やドルから離れて、そういう金が国際通貨としての価値を持つような方向へ全体の国がこれは育てていくべきものじゃないかというふうに考えております。
○和田静夫君 ちょっと私のポイントをはずれているのですが、特別引き出し権といういわゆるSDRというものを中心にお考えになった金なら金の裏づけのないところの第三通貨などというようなところにまでお考えがいっているということではないのですか、いまの答弁。簡単に言えば。
○国務大臣(水田三喜男君) 金の生産というものが世界経済の進展に沿うて一緒に伸びていかないのですからして、したがって、やはり金が国際通貨となるための条件というものも徐々に欠きつつあるということも、これは問題です。そこからやはりいまの国際通貨問題が始まっていることでございますから、やはり金というもの、それから特定国の通貨というものを国際通貨にする方向から離れていかなければ国際通貨の将来の解決はないというふうに私は考えます。

 SDRを軸に新たな国際通貨を目指す構想はあったものの、結果的にドル基軸が続いて現在に至った。米経済が安定化し、ドル基軸が続くのか。それとも野村證券の故・田淵氏が「私の履歴書」で不安を示したように(通貨体制の)海の色が変わり、場合によっては実物を入れ込んだ新たな通貨体制に向かうのか。まだ帰趨は見えない。いずれにせよ、穏やかな調整に終わって欲しいものである。
by bank.of.japan | 2009-05-23 20:35 | マーケット | Comments(11)
Commented by モンテカルロ・モナコ at 2009-05-23 22:34 x
エアバス設立  1970年12月

ニクソンショック 1971年8月15日

昭和46年10月 1971年10月

ちなみに後世に残して価値のあるものの順番
 人 > 物 > 金(通貨も)

物も色々で、すぐ過当競争になるものは除外ね!

国家戦略を策定したと思われる日本政府中枢は失われた20年の後半10年は失敗も多々あり、結構あわてまくったと思われる。

少子高齢化の最先端ですから失敗もOKですよ。
もうそろそろ腰をすえてと思いますが!

ところでアナタはへとへとさんのOBですか?

さようなら  お邪魔しました
Commented by 348ts at 2009-05-23 22:54 x
私はかねてより基軸通貨は1国の通貨ではなく、世界で共同創設した通貨が望ましいと思っています。
しかし特定国家が意味不明な割合で資金拠出して創設するSDRではだめだと思っています。
たとえば、世界中の政府が発行通貨の1割固定で拠出する世界中央銀行を創設する案です。
どこかの国が紙幣を増発しても、その1割を強制追加拠出させます。(もちろん世界通貨の発行残高はそのまま固定)
世界中の紙幣の1割が常に確実に拠出され安定的に価値が維持されることとなるので、国際通貨として非常に優れていると考えるのですが・・・。
夢想ですかね。
少なくとも米国が基軸通貨の利益を独占する歪んだ国際決済構造は脱却することができます。
もちろん世界全部とするのは煩雑なので、国際貿易額上位の国だけの運用でもほぼ同じ効果は得られると思います。
しかも、金などの実物裏づけは不要ですし、特定国がデノミや通貨切り替えをしても、1割固定拠出してもらえば済みます。

こんな簡単なアイデアが実現しないのは、何か根本的な矛盾があるのでしょうか?(創設時の交換レートは別途説明)
Commented by 通行人 at 2009-05-24 00:37 x
軸の単位を何にするかなんて大した問題じゃないような。<ドル基軸

というか、SDRって言ってみたかっただけなんちゃうかと。
Commented by PK at 2009-05-24 09:37 x
人民元の帰趨を決めるインド洋の地政学的戦いの結果待ちでしょうね。

クルーグマンは、メディアコントロール要員の一種でしょう。
ノーベル賞は、発言者の権威付けに使われているのは平和賞で良く分かる。
沖縄恒久基地化の佐藤
北朝鮮維持の資金提供で金大中
沖縄ノート(従軍慰安婦・南京虐殺)の大江健三郎
死神みたいなもんですよ
給付金に否定的なのは、米国にとり拙いですからね
Commented by 小野 博(東京都港区) at 2009-05-24 12:28 x
あのけさの番組(報道2001)でクルーグマン、ケインズの言葉をだし
「お金は賢く使うべきだ。だが賢くない使い方でも役に立つ(事ある?)」と
たしかおっしゃってたが、そのあと
「中途半端な(お金の)使い方ほどしまつにおえないものはない」みたいなことも
つけくわえてらっしゃった。「矛盾」しtれないかいコレ?
「賢くない金の使い方でも役に立つ。(※ただし、中途半端は除く)」と表現すべきじゃ
なかったんだろうか・・・(汗)・・・「結果的に何もかも中途半端で何もかもうまくゆかない」、

(日本だけではなくアメリカは勿論の事世界中??)みたいな風にも何だかちょっときこえたが?
実は私もPK氏と同じくなぜか?「メディアコントロール要員っぽいな~」みたいな感じ
(俺は感じネあくまで)しなくもなかった。元々メディア露出にゃ積極的な御仁と聞くしネ。
先日ヤフオク海外版頼んだ方から為替変換もつけてくれと頼まれ製作中。
昼過ぎ位にはできると思う(=URL)。RESTSOAP両方Ok w

スターリン等の蜂起でバクー油田おんだされたノーベルが作った賞。Tips?でした。
Commented by 小 野(東京都港区) at 2009-05-24 12:44 x
ケインズ→バンコール→SDR、ノーベル賞→クルーグマンなど説明の必要無いですネ^^;
Commented by PK at 2009-05-25 07:04 x
日本の国内では生産力を落とさない限りインフレは起きません。
だからクルーグマンの狙いは通貨安です。購買力が国外に漏れることです。
預金課税(どの位かは試行錯誤しないと分からない)と給付金と国債買い切りの組み合わせは、国内での購買力の移転です。
それもホームバイアスや共同体意識に依存した形で。

預金への課税は、自分の努力に拠らないで増価した土地への課税と似たようなものです。
ドル安などへの対抗策を考えておかないと大変なことになります。
私はインタゲはやっても無駄だと思っています。
預金課税を社会的な世代間の贈与という形で実施するのが、良いだろうと思います
Commented by PK at 2009-05-25 09:17 x
マクロ経済学と企業経営の違いは、分権化によって投資や分配に関する意思決定の状態が違うことと、マクロ経済学が資金繰り実務の知識を欠いていること、前者が後者の集計であること ぐらいではないのか?

くだもの掲示板の連中は、すぐにマクロ経済学うんぬんをいうが、
企業経営の知識は経済全体に対してもかなり使える。
注意するのは、上の3点だけだ
Commented by bank.of.japan at 2009-05-26 00:28 x
モンテカルロ・モナコさん、どうもです。日本はまあ相対的には大失敗はそう多くはない国であるように思います。

348tsさん、どうもです。共同通貨が安定化するのか、使い勝手が良いのか、なかなか難しいところです。ドル基軸の穏やかな調整が望まれます。

通行人さん、どうもです。そうかもしれません(笑)。

Commented by かるぱーす at 2009-05-28 00:51 x
スペシャル・ドローイング・ライト【特別引き出し権)でしたっけ。うーん懐かしい響きですが、今まさに本格的に復活ですか。時代感じます。ドルの信認はいつも揺らぐのですが振り戻します。べつの要因で。ハイ。今回は何でしょうか。
Commented by bank.of.japan at 2009-05-28 17:51
かるぱーすさん、どうもです。今回もドルの信認、振り戻って欲しいものです。
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