人はなぜ地面に金を埋めるのか=「現金の匿名性」
 数日前、地面に埋めたお金が盗まれる、という事件が佐賀県で起きた。確か3億6000万円だったと記憶する。盗まれた方は、これまでお金がたまるたびに地面に埋めてきたそうだ。なぜか。報道によると、低金利だから、家だと火事で燃えかねない、といった理由であるらしい。土を掘り返す手間、盗まれるリスクなどを考えると、銀行に預けた方がはるかに合理的だが、その方にとっては「地面」が現金の保管場所として合理的であったのだろう。地面は手間もかかり、利息も生まないが、絶大なる安心感?があったのかもしれない(盗まれたが…)。
 で、盗まれた金である。この場合、犯人の検挙は難しそうである。①自首する②掘り返して盗むところを目撃した証人がいる-という例を除けば、犯人の特定は容易ではない。なぜなら、現金の所有者は特定が超困難であるからだ。埋めた現金の番号を全て記録し、法律的に所有権を確定する(これ可能なのだろうか。詳しい方、ご教示を)といったことができればまだしも、普通は現金はそれを持っている人のものである。従って、誰かが怪しくても、その人の持っているお金は盗んだものだと立証することはできない(はず)。
 現金の「匿名性」ですね。銀行にある1000万円と地面にある1000万円の違いは、前者は所有者が特定される、後者は特定されないこと。「匿名」にしたい理由は色々あるが、まあ余った現金が多額に上るなら銀行に預けておいた方が無難です。銀行経営に不安を覚えても、流動性預金なら全額保護される。低金利であるけれども、現金のままだと利息はゼロ、盗まれる、下手すると強盗に危害を加えられるリスクもあります。
 おさらいであるが、地面のお金が忘れられてしまったら。一般的には死に金だとか言われるが、完全な死に金ではない。日銀負債として永久に計上される、つまり地面に埋められ、忘れられた金は、日銀の資本みたいな存在になり、永久にシニョリッジを生み続ける。だからといって日銀がうれしがるわけではないが…。
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by bank.of.japan | 2009-02-01 21:29 | 日銀 | Comments(16)
Commented by 植田日銀総裁 at 2009-02-01 22:19 x
新券を発行し、銀行預金経由でないと交換しない。旧券は無効。という新円切り替えみたいなことをすると、銀行券はどれほどの残高に減少するのか興味深いです。それで今までの銀行券の伸びの理由が、低金利要因か、保有者の年齢要因か、所謂匿名性の問題(含む税金対策)なのかが、今よりは明らかになるのではないでしょうか。しかしその時、銀行券ルールに抵触して、国債売りオペをする必要が生じたら大変ですが。
Commented by くず at 2009-02-01 22:48 x
法定準備金に金利300%付利すれば、さすがにタンス預金はなくなるでしょう。
Commented by PK at 2009-02-02 07:59 x
最近もUSBメモリ経由のQQウイルス騒動があったけど、これだけ中国人が多くなると、日本文化で感化しきれないと思っているので、銀行預金もどれだけ安全だか・・・・
情報が公開されていないだけで、相当な盗難にあっていると感じているけど。
日本は左翼の人たちが、馬鹿なイデオロギーで突っ走って、良い国をダメにした歴史がある。その罪を軍人に被せて自省をしなかった連中が、お天道様の下とのし歩いているので、今も進行中です。
Commented by Teddy at 2009-02-02 09:25 x
このお気の毒な?方には、行預金は信じられなくても、貸し金庫(これって、中味を教えるんですか?小生、順番待ちでまだ持っていないです)に入れとけば、安心だったのに、、って思います。
そういえば、バブル崩壊後に、預金を引き出して貸し金庫に入れる動きが広がりましたよね・・・
Commented by PK at 2009-02-02 09:46 x
某くだもの掲示板のようなバブル派が、このような卑屈で哀れな老人を生み出す
80年代のバブルは日本の巨悪大蔵省が、この国の100年の繁栄を食い潰した世紀の愚挙だったがこいつらは反省もせずに、バブルは事前には分からないと言った。同じ言葉は、マエストロ・グリンスパンも言ったし、
くだもの掲示板でも良く目にする言葉だ。
実際には、バブルは事前に良く分かり仕掛けも可能で、儲けた連中は黙っているだけ。日本では天下りの役所関係が土地取引で莫大な資産を残しているだろう。今回の危機でも、米国の金持ちはそれほど損はしていないようだ。バフェットは、ともかくとして。
Commented by ノン日銀 at 2009-02-02 10:49 x

これは心理学の問題ですね。

しかし、経済も恐慌も人間心理というファクターを抜きにしては議論できません。

大金は人の心に大きな影響を及ぼします。一種の異常性を誘発します。

とにかく、貨幣の流通速度を維持するために、投資は国民の準義務です。

******引用*******
330   日銀が背負ったもの    06.7.14

貨幣数量説ではMV=PT、

通貨供給量×貨幣の流通速度=物価水準×取引量=名目GDPであった。

Vは短期間に変わる数値ではないから、Mをふやせば名目GDPがふえる。だから金融政策は景気対策に有効だとされていた。

ところが、通貨を増発しても景気はぜんぜん改善しなかった。変わらないはずの貨幣の流通速度が低下して行った・・・

日銀は国債・財融債を07年度末で86.6兆円保有している。10年前の3.2倍である・・・

日銀は株式を時価で3兆8248億円保有している・・・

ttp://faculty.tama.ac.jp/aoyama/no6/330.htm
*************

Commented by 平ちゃん at 2009-02-02 17:29 x
少なくともインフレ下であったならばこんなことはなかった可能性は高いのではないでしょうか?
デフレであっても、現金で持つより、少しでも金利の高い預貯金、あるいは、投資って考え方もあるでしょうけど、日本人的なメンタリテイーから言えば、得をするに越したことはないけど、損さえしなければそれでいい→デフレ下では現金、せいぜい超低金利の預貯金で納得、ってところなんでしょうか?
リフレ政策はいろいろ検討、究明しなければならないところは残されているにせよ、リフレ政策は、資金の退蔵を防ぐ→企業、個人の消費、投資の活発化させることについては可能性が高いのでは?、、、電気自動車なんかが開発されれば買おうと思う人は多いのでは?、家なんかも価格、広さ、耐久性、資産価値等で魅力的なものが出てくればいくらでも需要が増えると思うんですけどねえ
Commented by 星の王子様 at 2009-02-02 20:17 x
小学生のころ原作をみた銭ゲバが松山ケンイチ主演でTVで放映され子供なども見ていますが、畳の下にお札を隠しておくシーンもありました。
土の中は畳の下より耐火性はあると思いますが、誰にも知られずにおきたい心理、匿名性の問題なのでしょうか。信用を置けるところがあれば当然そこに預けると思いますが。
Commented at 2009-02-02 22:07 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-02-02 23:48 x
数年前当時港区内にあった知人のホームページ会社社長に頼まれ、東京綾瀬のある会社に代わりに(?)行った。
(一応日本人の会社)名簿を扱う会社のようで簡単なデータベース作って欲しいって事だったんですが、
これがどうも?「振り込め何とか」じゃーなかったのか?と...(間違ってたらすいません汗)しかもその内
その知人の会社じゃなく「直接私に仕事受注する」とメール来はじめちゃったりなんかもしてこれがまたッ!?
「メールを多数の場所に一斉に送信する様なの出来るか」というのに「お安い御用」等と答えたせいでしょうか。
(その直後それでNTTだったかかなり賠償された奴いた)
後で聞いたら前述の社長も当初から何やら「こういっては何だが胡散臭い物感じられた」等と??。場所が
コレまた女子高生コンクリート~の綾瀬って事で(汗)...でも、「それで俺を(代りに)行かせたのか?」と尋ねたら、
そうではなく親戚の姪御さんか何かの入学式だったらしいんですが...ただし...その姪御さんそれこそ「中国人」、

だったんですよネ(笑)...
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-02-03 00:08 x
正確には彼の奥さんが中国人。というか台湾人の「外省人」のかたその私の知人結婚されたんですね。最近は、
銀座等通ると今日本人より中国台湾人(アジア?)の方がよっぽど景気良く生き生きしてるって印象です正直言って。
旅行者って事等もあるかもしれないが欧米~より良いかもしれない(、為替のせいか?)そういや、
中国国内ではニュース等で、
「(何か失敗した)お役人行方不明になった」ってゆ-ようなんが、結構報道されてる様です。行方不明じゃないが、
例の冷凍食品農薬問題でもお役人、確かどうにかなられましたよね?日本じゃ殆どふれられぬ類ですが。
(サピオ等ではたまにこうした類もふれられるって気もしてますが...)日本もいっそ米国等なみに官民自由に行き来
(回転ドア等と言いますが)とかやってみられてはどうでしょうか?まぁしょせん「わたり」「天下り」しかどだい
無理って気はするが(大笑)...そのへんよくよくわきまえ分相応にじっとおとなしくしとくのが無難ってもんでしょ!

左翼共産党もかもしれぬが役人はもっとダメダメですよPKさん。(今だけでなく昔から、少なくとも敗戦直前から??)
Commented by bank.of.japan at 2009-02-03 00:36
植田日銀総裁さん、どうもです。流通しない旧券は銀行券残高の2-3割で、期限を設けて廃止を宣言すると、かなりの旧券が消費に回るかもしれません。国債売り切りには至らないとは思いますが。

くずさん、どうもです。それだけの金利を付けるとまあ銀行券減るでしょう。日銀が超赤字になりますが。

PKさん、どうもです。バブル(=インフレ)だと現金保有のインセンティブは減るように思います。

ノン日銀さん、どうもです。余った金はなるべく消費や投融資に回ったほうが経済的にはプラスになるのは間違いないです。

平ちゃんさん、どうもです。現金が「匿名性」重視で保有されている場合、金利や物価への感応度は低いままかもしれません。大半の現金は反応するとは思いますが。
Commented by bank.of.japan at 2009-02-03 00:39
星の王子様さん、どうもです。なかなか信用の置けるところがないのでしょう。銀行の貸金庫とか、どうですかね。まあ、国税の目は厳しいでしょうが。

あるOBさん、どうもです。詳しい解説、ありがとうございます。現金にまつわる考察は興味深いです。引き続き考察してみたいと思います。よろしくご指導お願いします。
Commented by 小野(東京都港区) at 2009-02-03 01:28 x
> 少なくとも敗戦直前から ~ というのはよけいでした。そのまえに「戦後から~」と書いててそれを訂正しつい
そのように書いてしまってたようだったんですが戦前の軍部=官僚組織と考えればその過ちは(戦前から)数限り無いですよね。
ところでPKさんは(日本国内の共産主義社会主義はともかくとして)アメリカには全然憎悪も一切お持ちじゃないんだろうか?ちょっと疑問。
(私はアメリカ大々々々好きですが今も勿論♪)
Commented by ただの銀行員 at 2009-02-07 10:28 x
穴に埋めるといえば2千年前に書かれた新約聖書のマタイの福音書(25節)にイエスが語った「天のたとえ」として、このような話が載っています。
ある富豪が旅に出るにあたって3人の従僕に財産を3分割して託した。
戻ってきたところ、2人は運用して財産を増やしたので収益に応じて、
報酬を与えた。残りの一人は穴に埋めて「大切にお守りしました」と申し出たところ、主人からこっぴどく叱られて「銀行に預ければ利息が付いたのに」といって、全財産を没収され追放された。
現在の教義と聖書の言葉には矛盾があるようで、熱心な信者でもこのたとえは無視しているようですが、2千年前にすでに投資信託、ポートフォリオや機会費用と付加価値、無リスク金利、エージェンシー問題、などを網羅した、すごい話だと思います。(日本の落語「花見酒」もバブルの喩えとしては負けてはいないと思いますが)
Commented by bank.of.japan at 2009-02-10 20:29
ただの銀行員さん、どうもです。貴重な教訓、ありがとうございました。参考になります。人間、意外と進歩していないのかもしれません。昔からよく言われる相場格言も結構的を得ていたりしますので。
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